アイゼントレーニング(天応烏帽子岩山)


アイゼントレーニング(天応烏帽子岩山) (係)三谷
月日:2020年12月6日(日)
参加者:横山、吉村、島本、上田、西村、田野、堀田、小田
<行動記録>
 天応烏帽子岩山で恒例のアイゼントレーニングを行った。
 今日は幾分寒さがやわらいで晴れのぽかぽか陽気である。しかし、コロナの雲行きはかなり怪しい。
 かつては冬になれば気持ちは雪の大山へだったが、近年の暖かい冬でクライミング客で賑わっている。
 大きく3つの団体がこの天応に集まった。コロナ禍で閑散としていた山にもにわかに活気が戻っている。
 まず、簡単に冬山装備と注意点の説明をする。軽量で優れた市販品はたくさんあるが、冬山(登山)用には使い勝手の面でいくつかの考慮が必要である。例えば、以下の通り。
・グローブを付けての操作を考慮して、カラビナは大きめサイズ。ロック付きカラビナはスクリュータイプ。
・グローブの各レイヤーには登山用を使用する。テムレスなどの作業用グローブは、雨の日や雪上作業用のみで使用する。
・アイゼン装着のまま履けるハーネスを用意したい。
 登攀具の装着が面倒になると、危険箇所でのロープ使用の機会を逃してしまう。
・フィックスロープ登攀にはプルージック専用ロープ、または、アッセンダーを使用する。
 タイブロックなどの簡易アッセンダーは氷が付着すると制動が効かなくなる場合がある。
・金属類を素手で触らない。言うまでもないが、やけど、凍傷の原因となる。
・流れ防止にグローブやピッケルにはリューシュをつける。
 岩場では両手をフリーにしたい場合があるので、ピッケルにはリストループをつける。
・最近はケミカル素材のブーツがほとんどなので、セミワンタッチタイプのアイゼンが無難である。
 岩場の(ミックス帯)歩行は爪が短い方が良い。ステンレス素材の方がさびに強いが、クロモリ素材の方が岩に対して粘りがある。

 昔装備はオールシーズン共通だったが、クライミング専用の装備も出てきて選択に困る。結局2系統用意するか、我慢して兼用にするかである。
 アイゼンを付けてジャンダルム(アイゼン尾根)へ取り付き、基本的なアイゼンワークとピッケルワークを練習する。

岩稜を登る

 緩傾斜では逆ハの字状に置きフラットフッティング。急傾斜の場所はフロントポイントを岩の突起に掛けて登る。ピッケルは登りはピックを前に下りではブレードを前に。手でホールドを掴む代わりにピックを引っ掛けて登る場合もある。
 途中、登山道を外れて岩稜にロープを固定し、フリクションノットで登ってもらう。場所を変えてもう1ピッチ伸ばす。基本的には無雪期のシステムと一緒だが、アイゼンとグローブを付けての登攀は馴れが必要である。
 懸垂下降の訓練を予定していたが後続がいたため、頂上へ向かうことにした。

山頂にて

 大人数のため時間がかかり、頂上に着く頃には昼を過ぎていた。
 午後はナメラへ下る道で懸垂下降の練習を行う。最近、登山道の浸食が著しく浮き石が多い。落石はナメラ岩の基部に集中するので気をつけたい。クライマーで賑わうナメラで一息ついて下山する。