個人山行:伊豆山稜線歩道~天城縦走路


西村

2022年11月3日(木)~5日(日)

参加者:西村、上田

ある日ネットで知った「伊豆山稜線歩道」。富士山を見ながら稜線を歩けるとあり、興味津々。静岡まで行くならついでに百名山もGETしよう!と、天城山(万三郎岳)を含めた「天城縦走路」を繋げ歩く計画となった。

<行動記録>

(11月3日)

3:00に広島を出発、13:00に伊豆市に到着する。スーパーで食料(飲料)を買い足し、昼食を済ませスタート地点へ向かう。

14:00「だるま山高原レストハウス」の駐車場着。全行程はロングトレイルとなるため、今日中に出来るだけ前へ進む計画。準備を済ませ水を確保して、先ずは富士山が見える展望スポットへ。

14:20ワクワクしながら出発、車道から遊歩道のような道へ進むと「フェアフェイ?」と思うほどの芝生状の登山道だった。ここから天城峠までの道は程よくアップダウンのあるトレランにモッテコイ!の素晴らしく歩きやすい道だった。実際、トレランの方々も多くすれ違った。

フェアフェイのような芝生状の道

14:55戸田(へだ)峠を通過し、15:50達磨(だるま)山981.8m。写真では伝わらないが、富士山がドーン!な気持ちの良い山頂。ここからはどんどん富士山が小さく見えていくんだなと思うと寂しくも感じた。

達磨山

16:15古稀(こき)山920mを経て、16:35伽藍(がらん)山967.5m。そろそろ日も沈んでくる時間なので今夜の泊地を探しながら進む。今日と明日は風速15m前後と強めなので適地を見つけなければ…。伽藍山を下り車道へ一旦出てここから少し車道歩きとなる。

16:50途中にある東屋のある駐車場でちょうど駿河湾に沈む美しい夕日をしばらく堪能した。ここでは風も強くテント張れそうにないので先へ進む。

駿河湾に沈む夕日

 17:30ヘッドランプを点け車道から再び山道へ入る。もう少し歩けば次の峠だが、山の中の方が風も遮られて快適そうだったため15分ほど歩いたところで樹林帯の中にテントを張ることとした。夕食を済ませ明日に備えてしっかりと睡眠を取った。風の音が煩く何度か目を覚ましたが、テントが風に揺られることは全くなかったので快適な泊地だった。

(11月4日)

5:00起床!と意気込んで就寝したものの朝の弱い2人は「あと10分」「あと5分」とか言いながらダタダラと起床する。正気に戻ったところで朝食を済ませ出発準備。

6:45泊地出発、事前の計画では2日目は歩く道も険しくなく歩きやすく整備されており、サクサクと天城縦走路に入り「八丁池」まで約28kmあるが楽勝だろうと計算。さて、どこまで進めるだろうか・・・。

 6:50船原(ふなばら)峠、看板横の階段を上がるとびっくりするくらいの快適な登山道が出てきた。多少のアップダウンはあるもののサクサク進めて気持ちがよい。ただ、富士山は見えない(–)。

 7:35棚場(たなば)山753m。ベンチあり展望なし。ここから立て続けに峠を通過する。7:45吉奈(よしな)峠、8:10南無妙(なむみょう)峠、8:30土肥(とい)峠。土肥峠から次の山へ進んでいくと樹林帯を抜け展望が素晴らしくなった。富士山もまたよく見えて、テンション上がる♪

気持ちの良い歩き道

 9:25魂の山(こんのやま)。ここまで「次は“たましいのやま”じゃ!」と言っていたので、読み間違えに若干ショックに浸る2人…。山頂からは、振り返るとこれまで歩いたルート、そして先を見るとこれからのルートが確認でき爽快だった。

前日に続き風は強いものの、晴れていて暖かく汗もすぐ乾き快適な歩き。気持ちよく歩いていると前方に数名人が見えてきた。何やら長い物を持っている。近づくと幅3m弱くらいの飛行機(グライダー)だった。プロペラは無く、主翼のフラップをラジコンで操作し風に乗せて飛行させるとのこと、風が強い日が絶好だと言っていた。どうやって飛ばすのか気にはなるが、立ち止まっている時間はないので挨拶をして進む。

グライダー

10:00宇久津(うぐす)峠。振り返るとグライダーが風を切る音を立てながら空を飛んでいた。かっこいい♡ しばらく眺め、先ほどのグライダーの人たちへ手を振り次の峠へ。

 10:20風早(かざはや)峠、その名の通り風が一段と強い。が、気持ちいいので少し休憩。おそらくここから次の峠までが一番展望が良いルートなのではないかと思う。

ベンチに寝転んで休憩

緩やかに登っていくとやはり後ろにまた富士山が見えてきた♪空も青く気持ちが良い。上がりきると今度は柵が出てきた。何だろうか…。そんなことより、とにかく爽快な歩きにさらに気分が上がる。双眼鏡を出し絶景を堪能する。

11:10仁科(にしな)峠、駐車場には7~8台の車が停まっている。登山者がここを起点にピストンしているのだろう。

これぞ伊豆山稜線歩道!

さて、ここで地図を確認。おや?本日の目的地までまだまだではないか…。コースタイムから見るとあと7時間もある。計算間違いか?そんなはずは…。なんて相談をして、行けるところまで進むが、とりあえず今日は伊豆山稜線歩道を終わらせることと決める。

11:35後藤(ごとう)山、ここからまた山の中へ入っていくがとても快適な登山道。

快適な道

 12:15猫越(ねっこ)岳1,034.8m、明るいが展望はない。軽食をとりエネルギーチャージ!伊豆山稜線歩道の最終地点まではあと12km。

12:55猫越峠、ここからペースを上げる。なぜペースを上げられたかというと、ほぼほぼ水平な道に整備されていた。昔の道なのだろうが、拘りに拘ったとしか思えないほどの水平歩道だった。ありがたく思いながら進んでいく。

分かるだろうか、水平歩道

13:45つげ峠、次の山へは若干の登りはあるもののあっという間だった。14:10三蓋(みかさ)山1,013m、ここからはぐいぐいと下る。いくらこれまで快適な道だったとはいえさすがに足指も痛み出す。15:00滑沢(なめさわ)峠、また水平歩道。

15:20二本杉(にほんすぎ)峠、休憩を取りつつテーピングで足指保護処置をする。伊豆山稜線歩道最後の峠まではあと3.9km。暗くなる前には到着したいので、できるだけペースを上げて進む。16:15古(ふる)峠、“ことうげ”ではなかった…。

16:50天城(あまぎ)峠、やっと伊豆山稜線歩道を歩き切り安堵する。さて、近くに「旧天城トンネル」があるので是非見てみたいと思っていた。そこにはトイレもあるので水も確保できるはず。天城峠でもテントを張れそうな適地を確認してから、一旦、旧天城トンネルに下る。

あまぎぃ~ごぉえ~♪

17:10旧天城トンネル。明治34年貫通、日本最古で最長の切石積みのトンネル。このトンネルのおかげで難所だった「天城越え」が解消されたそう。すごくモダンで趣のあるトンネルだった。オレンジ色のライトもとても美しかった。その灯りで少し明るいしきれいなトイレもあるためトイレ横にテントを張ることとした。

旧天城トンネル

明日の行動時間を計算し直し、バスの時間も決まっているため寝坊はできない。ささっと食べて飲んで早めに就寝する。

夜中、テントの外が騒がしくなった。車で乗り付けてきた複数の若者たちが時々雄叫びをあげながらトンネルの中を歩いているようだった。しばらくすると車で去っていった。そしてまたしばらくしてから、別の若者たちが車で来てまたトンネルを歩いて騒いでいた。

後で調べたら、どうやら有名な「心霊スポット」だったよう(笑)。そういえば、その夜のテント内のランタンの調子が悪く、明るくなったり暗くなったりチッカンチッカン繰り返していたなぁ~Σ(゚Д゚)。

(11月5日)

3:30起床、食事を済ませテントを撤収。4:50ヘッドランプ装着し出発。

5:10天城峠へ戻り天城縦走路へ突入、相変わらずの水平な道だが岩が多く崩れている箇所も出てきた。明るくなってまわりを見るとブナ林の中を歩いていた。

5:45向(むかい)峠、ここからぐいぐい高度を上げていく歩きが始まる。が、高度上げる→水平→高度上げる→水平、のような道だったので不思議な感じ。

7:35八丁池トイレ、近くに八丁池の展望台があるようなのでザックを置いて偵察へ。雲がかかっていて最初はよく分からなかったが、前方にある山の肩にちょこんと富士山頂が見えていた。

ちょこっと富士山

7:50八丁池、とても美しい穏やかな場所。ここからはとても開けた登山道となる。ブナとヒメシャラと落ち葉がとても美しいところだが、油断すると登山道を外れてしまう迷いやすいところだった。注意しながら進む。

 8:40白田(しらた)峠、まだまだ開けた登山道。9:15戸塚(とつか)峠、真っ赤な紅葉を見ながら休憩を取る。ここから天城山への登り、岩がゴロゴロした急登が始まる。

10:10小岳(こたけ)1,360m、山という感じのしない開けた山頂だが目指す百名山が確認できた。

10:25片瀬(かたせ)峠、そこから岩がゴロゴロした道を登っていくとあっさりお目当ての山へ。

10:50万三郎(ばんざぶろう)岳1,405.6m、百名山ゲット~。景色はガスっているせいもありあまり良くない。そう広くはない山頂には子供から若者、年配の方々でとても賑わっていた、さすが百名山。帰りのバスまでの時間は余裕があると判断、いろいろと観察しながら長めの休憩で調整を取る。

万三郎岳

11:25記念撮影をして次へ進む、険しい下り。途中にはシャクナゲのトンネルが続く。こちら側から百名山へ向かうルートが一般的なので、登ってくる人たちも多い。外国人も多かった。急降下が終わるとまたお決まりの平坦な道。

11:55石楠立(はなだて)、ここを過ぎると「馬の背」というところがある。ここからは下山予定地とその横にあるゴルフ場が確認できた。ゆっくりと再び登りに入るとまた展望が良い岩場があり、こちらからは万三郎岳とその奥に昨日歩いた伊豆山稜線歩道の一部が良く見えた。

12:50万二郎(ばんじろう)岳1,299m、最後の山頂。山頂は三郎に比べて二郎の方がかなり広いし相模湾が見渡せ展望も良い。ちなみに長男の一郎は最初に登った達磨山と言われているそうだ。ここから黙々と下山する。

万二郎岳

13:45四辻(よつじ)、万三郎岳と万二郎岳を周回できるコースの分岐点。下山口までとても大きなヒメシャラが多く見られた。

14:10天城縦走登山口、長かった縦走も終わり。スマホの記録を見てみると歩いた距離は48kmだった、そりゃ足も痛くなるわ。

15:15発のバスに乗り、そして更に2本のバスを乗り継いで起点のだるま山高原レストハウスへ19時過ぎに戻った。

距離48km、タイム23:10

 広島から遠く離れた伊豆で、長い長い距離を絶景と紅葉を楽しみながら歩くことができた。いつかまた伊豆へ行くことがあれば、伊豆山稜線歩道にそって走っている西伊豆スカイラインを車で走ってみたいかな。

<コースタイム>

(11月3日)

3:00広島発→14:00だるま山高原レストハウス→14:20出発→14:55戸田峠→15:50達磨山→16:15古稀山→16:35伽藍山→17:45適地泊

(11月4日)

6:45泊地発→6:50船原峠→7:35棚場山→7:45吉奈峠→8:10南無妙峠→8:30土肥峠→9:25魂の山→10:00宇久津峠→10:20風早峠→11:20仁科峠→11:35後藤山→12:15猫越岳→12:55猫越峠→13:45つげ峠→14:10三蓋山→15:00滑沢峠→15:20日本杉峠→16:15古峠→16:50天城峠→17:10適地泊

(11月5日)

4:50泊地発→5:10天城峠→5:45向峠→7:35八丁池トイレ→7:50八丁池→8:40白田峠→9:15戸塚峠→10:10小岳→10:25片瀬峠→10:50万三郎岳→11:55石楠立→12:20馬の背→12:50万二郎岳→13:45四辻→14:10天城縦走登山口

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