四国剣山~三嶺


2020年11月21日(土)~23日(月・祝) 係:西村

参加者:安藤、吉村、上田、田野

初めての県外での山行を計画する機会を与えてもらった。距離はあるが難しくはないルートであること、また先輩方が熟知されているので落ち着いて計画を考えることができた。後半の天候がイマイチだったが、最後には奇跡的な出会いもある山行だった。

<行動記録>

(11月21日)7:00、大町駅で4人集合し、アキレス田野さんを今回は白市駅で拾うこととした。7:50、全員揃い四国へと向かう。瀬戸大橋を渡り、香川県内あちこちにある「うどん」の看板を確認、下山したら必ず食べる。徳島に入ると四国山脈が紅葉に染まり、今回の縦走に期待が膨らむ。

12:00、見ノ越駐車場着。各自昼食を取り共同装備を分ける。今回の食事にお鍋を計画したところ、吉村さんから「自家菜園の白菜、ネギ、春菊があるよ」とのことで、喜んでお願いしていた。そして並べられた共同装備と共に白菜が丸々1個入っていた (゚д゚)!。各自パッキングを済ませ出発。

12:50、見ノ越登山口。入山から40分程でリフト西島駅に到着した。途中ですれ違ったボランティアガイドのおじさん曰く、剣山も次郎笈近くの両方の水場は枯れているとのことで西島駅でしっかりと水を確保した。水が確保できたことには安心したが、十分な量を担ぐとなると流石に重い。ちょっと予定外、白菜も重い(笑)。

リフトの終点

西島駅からはゆっくりと高度を上げ、それとともに風も強くなってくる。剣山頂上ヒュッテ到着、割と賑わっているようだ。少し進むと14:30、剣山山頂(1954.7m)。三角点を触れに行きたいが、土俵のようになっており触れそうにないΣ(゚Д゚)、14:30記念撮影を済ませ次郎笈へ向かう。

守られた三角点

本日の予定泊地は次郎笈付近と考えているが、さて、この風でテントが張れるところはあるだろうか。

気持ちの良い稜線を歩き、15:20次郎笈(1930m)に到着。風、めちゃ強い!頂上付近を偵察するが、安心してテントを張れるポイントはなさそう。このまま進み良い場所がなければ、1時間半ほどで丸石避難小屋まで行くしかない。

稜線の生い茂る四国笹の中の登山道をしばらく進む。どこも斜面だし風はピューピューだし、こりゃ厳しいかな~と考えていると、「あらこんなところに!」という、強風もある程度しのげ、テントを張った痕跡のあるビバーク地を発見。吉村さんの観察眼には毎度驚かされます。

本日のビバーク地

16:20、テント設営完了。肌寒いのでさっさとテント内へ。地面が笹なのでふわふわ、温かいテントの中は快適。先ずは乾きものと共に初日の乾杯。あ~だのこ~だの、相変わらずお腹かかえて笑える話ばかり。笑うテントには福来る、ふとテント内から外を見ると、ま~なんとも美しい夕日を拝むことができた。

テント内から
美しい
ずっと見ていられる

今宵の夕食は、頂きものの猪肉で焼肉。これがまたシンプルな味付けでも美味。さらにワイワイといつも通り楽しい時間を過ごし、就寝する。

(11月22日)起床後、朝食を済ませテント撤収。6:30、朝焼けもキレイだし雲もない、気持ちの良い出発。前を見ても後ろを見ても、低い笹の登山道がくっきり見える。

どこまでも続く

剣山スーパー林道分岐を過ぎ少し行くと、7:10丸石(1683.8m)。寒いので進む。7:35、丸石避難小屋。この先では6月下旬から7月上旬までオオヤマレンゲの群落が見られるようだ。空はだんだんと雲が多くなってきた。

中東山分岐を越え、名もないピークを越え、10:25、白髪避難小屋にたどり着く。軽食を取りながら、地図を確認すると三嶺まで、そして本日の泊地予定のお亀岩避難小屋まではまだまだあることを確認する。流石の四国山脈、空はすっきりせず前も後ろも標高が高い箇所はガスがかかっている。

11:30、カヤハゲの分岐を過ぎると行く先に岩々した箇所が見えてきた。あそこに鎖場があるらしい。12:15、鎖場到着。が、鎖場を通らなくても脇に道があった。今夜使うお鍋用の白菜が重たいので、そっちを通る(笑)

岩場現る

12:30、あっという間に三嶺山頂。ガスってしまってて展望ゼロで真っ白(笑) 残念。昼食を取る。何度か「お!ガスが晴れるか??」と期待する雰囲気もあったが、結局ずっと真白。

空真っ白の三嶺山頂

本日の泊地まで歩く道のりがくっきりと見えたのでヨシとする。割と強めの風が吹いているが、心地よく感じる。ガスって遠景から撮影できなかった三嶺を、ガスの合間で撮影チャンスを狙うがなかなかスッキリとは撮れない。

14:15、西熊山を通過し、安藤さん絶賛のお亀岩避難小屋に到着。14:40、今夜お世話になるこの小屋の管理人?のような方にご挨拶し、中を拝見する。わぉ、ストーブ♪小屋にストーブなんて!この小屋は高知県が管理しているらしい。高知県、すごい!

楽しい避難小屋

お亀岩避難小屋についてご紹介。小屋から5分くらいのところに水場がある。内部は入ったところにストーブがあり、奥にはロフトのある就寝スペース。銀の厚めのマットも使用させていただける。ストーブに使用する薪は、倒木を乾燥させ備蓄されている。トイレはバイオトイレでこの寒いのにハエがブンブン飛んでいる。しかし彼らはバイオの協力者であるとのことなので、毛嫌いしてはならない。月に1回、なんちゃら菌を投入しハエ(幼虫含む)の協力により、20年以上あるこの小屋のトイレの容量はまだまだ余裕とのこと。

さて、早くに到着したが、あれこれ小屋を見学していると時間も経ち、夕食の準備をする。やっと白菜を切り刻む(半分だけど)、本日のメインディッシュは上田氏特製坦々鍋。ピリ辛で温まる。昨日同様ワイワイした後、管理人?さんとストーブ前で、これまたお腹がよじれる楽しい時間を過ごさせてもらった。またお会いできることを願います!

暖かく疲れを癒してくれる

(11月23日)朝食を済ませ、6:00、外は夜中から雨が降り出したので、カッパを着て避難小屋を出発、天狗峠のあたりでは強風が吹き荒れてる。6:40、分岐を西山林道登山口方面へ下る。少し下ると風も優しく吹いている。7:40、第一ピーク、8:15、西山林道登山口に到着。久保まではあと1時間半の予定だが、ここからの登山道はあまり利用されないようなので、ところどころテープはあるもののGPSを使いながら注意して下る。

9:35、下の方に車道が見えてきた。あれ?先に行く安藤さんが立ち止まり叫んでいる。何やら獣が居座っているようだ。安藤さんはストックを振り回し「シッシッ!」と言うがその獣は地面に座り込んだまま動かない。ただ、威嚇してくるわけでもない。じーっと座ってこちらを見ている。その獣は、ニホンカモシカ。なんとまぁ!その見た目はもののけ姫を思わせる。2メートルくらいまで近づいても動かないので、お辞儀して会えたことの感謝を伝えてみる。と、なんと!会釈でお返事してくれた!(そんなバカな!と思われるだろうが、本当に会釈?をしてくれたのです。それも、何度も。1お辞儀に1会釈。感無量(笑))

四国に生息するニホンカモシカはサイズ小さめ

10:00、久保のバス停に到着。お疲れさまでした~。 バス代を節約するため、一人(上田)だけバスに乗り、車を取りに行く。約1時間ほど久保で待つ残りは周辺を散策する。ちょっと寒かった。

11:30、戻ってきた車に乗り込み広島へ帰る。もちろん、香川にて名物讃岐うどんを賞味する。

今回も、良い縦走でした。先輩方、ご指導いただきありがとうございます。

<コースタイム>

(11月21日)

7:50 白市駅 → 12:00 見ノ越駐車場着 → 12:50 見ノ越登山口 → 13:35 西島駅 → 14:30 剣山山頂 → 15:20 次郎笈 → 16:20 ビバーク地

(11月22日)

6:30 ビバーク地発 → 7:10 丸石 → 7:35 丸石避難小屋 → 10:26 白髪避難小屋 → 11:30 カヤハゲ分岐 → 12:30 三嶺山頂 → 14:15 西熊山 → 14:40 お亀岩避難小屋着

(11月23日)

6:00 お亀岩避難小屋発 → 7:40 第一ピーク → 10:00 久保バス停 → 11:30 久保バス停より大歩危・小歩危経由で広島へ

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