冬合宿Pre(大山・烏ヶ山)


三谷

12月22日(土)~12月24日(月・祝) (係)三谷
吉村、神庭、川﨑、平本、徳永、保見、
兼森、島本
<行動記録>
 冬合宿のPre山行は、元谷周辺を計画していたが、暖かい日が続いていたため、北壁での訓練は危険だと判断して舞台を烏ヶ山に移した。出発時は雨、北上し、県境峠を越えてもやはり雨であった。
 根雨マルゴーで買い出しをし、鏡ヶ成へ向かう。新しい道路がつけられていて、鏡ヶ成への分岐点を通り過ぎてしまった。江府町側からは標識がないため注意である。ちなみに、御机から鏡ヶ成へ向かう道路は、冬期閉鎖中である。鏡ヶ成では、雨はみぞれに変わりつつあるが、合宿で使用するテントを雨に濡らしたくないため、屋根つきの場所を探した。しかし、トラブルがあり、大山道路のゲート付近にテントを張った。
 今晩は、藻塩鍋+ラーメン、小宴が盛り上がってきたころに神庭くんが到着。神庭くんがまた低気圧を連れてきた。去年の春もテントのフライが無くなるくらい強風が吹いた記憶がある。そんなにストレスがたまっているのか。
 ガスのつきが悪かったり、飲みすぎでもないのに頭痛を催す方が出てきた。明らかに酸欠である。換気しているにもかかわらず、雨と雪のためフライが本体に張り付いたせいである。ジッパーも凍結して破損するため、冬期には吹き流し付きの外張りが必要だ。ちなみに使用テントは、アライのベーシックテント。いつしか雨は雪に変わっていた。

12月23日
 天候不良のため、縦走から烏ヶ山往復に切り替える。5時起床、朝のうどんを素早く食べ支度をする。川崎さんは、不調のためテントに待機してもらうことにした。一つのテントを撤収し、合宿を想定して全装備を担いで登る。要領が悪く、大幅に出発が遅れた。自分のパッキングを優先にしてしまうのが、テントの撤収が遅くなるのが原因だ。テント撤収は全員で行わないと効率が悪い。
 今回の合宿では、ビーコン、スコップ、および、ゾンテの個人携帯を義務付けることにした。出発時、神庭くん指導の下、ビーコンの送受信チェックを行う。
 大山道路を交代しながらラッセルする。15cm程度の積雪があるが、昨日の雨で適度に締まっているため、深く埋まることはない。
 新小屋峠から緩やかな尾根に取り付く、尾根上を登るという意識がないと、すぐに歩きやすい沢筋に入ってしまう。ブッシュをよけながら、登りやすい斜面を見つけながら登るのも、スピードアップと体力を消耗しないためのこつである。1230mピークの登りにさしかかると、傾斜がきつくなり進むペースが落ちる。何人かは、膝を使ってステップを切りながらラッセルしているが、遅々として進まない。1230mピークより主稜線につながる尾根の鞍部に至る。さらに、傾斜のある斜面を越えると、やっと、南峰に続く稜線が見えてきた。天候は下り坂で徐々に吹雪いてくる。
 主稜線直前の小ピークでアイゼンを装着する。かなりの時間をかけてアイゼンと登攀具を装着した。このペースでは、登頂は無理なので、主稜線に達する手前の雪壁で登攀訓練を実施することにした。雪壁の基部にて登攀の準備を行う。手袋を装着してのロープやカラビナの操作が慣れておらず、かなり手間取っているようだ。なかなかビレー体勢に入れないので、ビレーは神庭くんにお願いしした。
 本来、ロープは不要な箇所だが、適度な傾斜があるので、雪壁登攀の練習にはちょうど良い。まだ雪が不安定で、ステップが定まらない。ロープほぼいっぱいでピッチを切り、ロープをFIXする。時間がないため、ここより懸垂下降することにした。後続を待つ間、上部の灌木に予備の懸垂ロープをセットしておく。
 下山の目処が立つ1230mピークに着いたのは、リミットぎりぎりの16時であった。平坦な樹林帯に降りたころより、ヘッドランプを付けての歩行となる。風雪により既にトレースは消えている。後続が遅れ始めたのが気にはなったが、神庭SLより、先に帰ってテントを張るよう伝達があったので前進することにする。
 テントを張り終えたころ、後続隊が到着する。しかし、兼森さんの様子がおかしい。低体温症の症状と思われた。ピーク辺りから歩行が困難になったという。急いでテント内に収容し、シェラフ、湯たんぽなどで加温してもらった。
 今晩は、クラムチャウダーのリゾット、お腹が落ち着いた頃、本日の反省会を行った。各自、行動中における反省点を述べてもらった。

12月24日
 朝、昨夜よりお粥続きだが、ちょっと手を加えたおいしい雑炊である。今日も、目標である2時間では出発できなかった。
 本日は、適当な斜面で雪上訓練を実施することにする。スキー場の前を通り過ぎて、冬季閉鎖中の道路の法面を利用させてもらった。時折晴れ間がのぞくが、風が強く地吹雪が舞っている。
 まずは、ツボ足で斜面の登下降、トラバース、クライムダウンの練習。ほとんどの方は、山岳会での雪上訓練を未経験であり、基礎から学んでもらう必要があった。
 次に滑落停止訓練。基本的には滑らないことが前提だが、万が一滑落した場合の停止姿勢を練習してもらった。最後に、ビーコンによる雪崩捜索の訓練を行った。大まかな要領を説明し、2パーティーに分かれて実施する。ビーコンによる誘導は非常に正確で、ピンポイントで埋没地点を特定することができた。一番時間がかかるのは、掘り出し作業である。神庭講師からは、まず掘り出すための足場を築くように指導があった。昼前一通りのメニューを消化して、本例会を終了とする。続きは、次回雪上訓練にて。
 課題の多い合宿Preとなったが、合宿に向けての良い参考となった。

<コースタイム>
22日 5:00起床 → 7:45出発(-2℃) → 10:15稜線 → 14:40分岐手前で懸垂開始(-8℃)
→ 18:00テン場

23日 5:00起床 → 7:30出発(-8°) → 8:40訓練開始 → 12:00終了 → 13:00解散

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