三倉岳クライミング(個人山行)


松林

2022年11月3日(木)

参加者:元廣、堀田、松林、(会員外)鹿野

<アルバム>

<行動記録>

先日の雪彦山での有り余る接待を受ける前より、こちらも案内できるルートを増やさなくては?と考えていたところ、“上ノ岳右ルート”を登る宿題を思い出した。当初は6日の例会の際に。と考えていたが、6日の天気がサイトによっては怪しかったことと、3日には堀田さんよりお誘いがあったので、天秤にかけて元廣さんにダメ元で聞いてみると「3日は行けるけど代わりに6日は休む」とのこと。それで急遽3日に上ノ岳を登ることに。堀田さんは鹿野さんと11:00に駐車場で合流するため、元廣さんと2人でアタック。

8時30分集合のつもりが、私の遅刻で15分のスタート遅れ。駐車場では超肌寒だったが、高度を上げて霧中を抜けると陽が射して、じわじわと汗も滲んでくる。青白ハング下をトラバースして取付きへ。

元廣さんの記憶を頼りに正面壁の右(東)端のブッシュまで行き、「たぶんこの辺りだろう。」というところまで偵察した後、装備を準備してブッシュの立ち木で支点を取り、松林リードで登り始める。

「最初はトラバース」と聞いていたので、スラブをトラバース気味に右上する。そして細い立ち木にスリングをかけて直上。ランナウトが長いが先の立ち木(樹林の入口)まで恐る恐る進み、(安全面で)ひと安心。しかし視界に岩場が無く不安は増長。「ルートミスだよなー。やっぱりあのピナクルだよなー。まあ、いくらか登れば本来の岩場が見えてくるかも?」と思い、少し進むことにする。樹林内にあった3~4mほどの高さの岩のフレークを掴んで登り、「一応クライミングしている」と自分に暗示させる。さらに数m進むが先に岩場が見えず先行きが悪いので、諦めて立ち木でラッペルする。60mシングルロープの折り返しで、取付きまで到達。

<敗退地点>

トポと岩場を照合すると、やはり正面壁右手のピナクル状の小突出し岩の下へ向けて登るのが正しいのでは?という結論に至る。5年前に登ったはずの元廣さんを頼りにしたが、珍しく失敗。温厚なキャラクターを売りにしている私が、今まで沢山の恩がある先輩に対して怒るはずもなく、上ノ岳右ルートは6日に参加の横山さんをあてにする。ということで、一旦諦めて源助崩Ⅱ峰で堀田さん、鹿野さんと合流することに。

<上ノ岳右ルートを見上げる>

源助崩Ⅱ峰に行くと、早速鹿野さんが“石斛をとらないで”をリード中。どこを登るのか?を聞かれたのだが、私はこのエリアが初めてなので、これから考えるんですの。

エリア内で易しいルートを探し、まずは“アーナンダー”(5.8)。前半の広いチムニーが見ものだが、そのチムニーは登らず通過するのみ。後半のチムニー登りは天応の銀座尾根のチムニーを思わせる。ムーブは大して難しくなく、カムでの支点取りばかりに悩んで無駄に時間を費やした。

<“石斛をとらないで”を登る。左の広いチムニーが“アーナンダー”のルート。>

次に私の2016年ver.トポには無い、“十六夜(いざよい)”(5.8)。下部は支点を取り難く下部核心通過までが怖いが、無事オンサイト。

次はテラス前から取り付く新しめルートの“和みスラブ”(5.7)。「堀田さんも登ったので、登っておけ」と。ちょうど良いところにあるガバを掴むと心が和んだ(と思いたい)。

最後に“白日夢”の左(5.9)。元廣さんの昔の記憶による注意点を聞いて、下部の核心、上部の核心もクリア。少しではあるが、“ジャミングした感”が感じられて良い。

堀田さんは、我々の遥か上を行く鹿野さんとのペアなので、鹿野さんがリードしてのトップロープ登りや、私のような易しいグレードのオンサイト狙い。“和みスラブ”や“十六夜(いざよい)”をオンサイトしていた。

この源助崩Ⅱ峰は古いトポ図と比較するとルートが増えており、「登れるルートが何本かあるし、テラスも広く良いエリアですね。」という話になった。「昔の三倉は易しいグレードのルートが少なく、登れない人が来ても楽しめない岩場だった」らしいが、「今は変わってきている」と。

帰り際に源助崩正面の“モアイクラック”と“ヒップクラック”の終了点へ案内していただき、概念のおさらいをする。何度も通い詰めた元廣さんの記憶は消失していなかったので、これからも頼りにしたい。後輩の皆さん、とにかく継承ですよ。

<登り口の紅葉の色付き>

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