雪彦山クライミング


松林

2021年11月13日(土)~14日(日) 係:松林

参加者:吉村、堀田

<アルバム>

<行動記録>

昨年から3回、台風やコロナで中止となった雪彦山に4度目の正直で、やっと辿り着けた。参加メンバーが少なく延期も考えたが、姫路岳友会には「行きます」と連絡しており天気も良さそうだったので、決行することにした。姫路岳友会は、係が3年前に明石への出向期間中にお世話になっていた会で、特に雪彦山では5~6回のクライミングの機会に与った大恩がある。

始発で海田市駅まで行き、吉村さんにピックアップしてもらい、3時間半ちょっとで雪彦山へ。姫路岳友会の会長田路さん含め、6名の方々と久々の再会。

賀野神社まで車で移動し、大曲から地蔵岳東稜基部へ向かう。この日は私が登りたかった東面スラブ~滑り台とジェードルクラック(ルートを再度頭に入れておきたかったことと、過去にジェードルを綺麗に登れなかったため)を姫路岳友会の3人1パーティが先導してくれる。このルートは東稜ノーマルと比べると1段・2段難しく、(途中でノーマルと合流するのだが)滑り台~ジェードルクラック、と繋ぐのが流行っているようだ。

東面スラブは地蔵岳東稜に正対して、ノーマルのスタートより右下からフェースを登り始める。1ピッチ目は離陸とその先の数手が難しめで、早速腕力やふくらはぎの筋力を消耗してしまう。下部は支点間が短いが、徐々に支点間が遠くなってくる。後半は、田路さんの指示に沿わずハンガーボルトを追って少しルートが逸れたが、すぐに復帰して広めのバンドの終了点へ。

2ピッチ目は少し直上して東稜右寄りルートの一部を通過後は右上、トラバース気味に歩いて行く。滑り台のビレイ点に50mロープは届かなかったが、手はギリギリ届いた。3ピッチ目の滑り台は、右の最も簡単なカンテ沿いのルートを選択。離陸後の一手が考えさせられるが、ここを通過すれば難しいところはない。開放感のある気持ちの良いルートだ。ただ、たった15m程度でこの壁は終了し、太い立ち木でビレイ。ここでロープのキンクが激しくなり、また2人を上げた後、樹林帯へ出るときにセルフビレイスリングを巻き込んでロープを流してしまったため、ロープの出が悪くなって時間を要してしまう。

姫路岳友会の3人を待たせてしまったが、樹林帯を通過して東稜ノーマルと合流。馬の背取付きまで歩きの後、右手のブッシュへ。一段、補助ロープを伝って岩場を降り、ビレイしてジェードルクラック取付きまで20m程度岩場を登る。この辺りは地蔵岳正面壁の端部に位置し、垂壁なので、足元の先は遥か下のブッシュ、というすごい高度感だ。ジェードルクラックでは過去に苦戦してヒヤヒヤした記憶が蘇ってきたため、田路さんにバックロープで秘蔵の30mロープを引いてもらい、15~20mほど上の終了点でフィックス。これを伝って登る。序盤の立ち木を過ぎた後は次の支点がかなり遠く怖かった記憶があったが、核心部にペツルのボルトが追加されていたので安心感が全然違った。また(余力が無いため)このボルトを最大限に使って登るので、登り方も全然変わってしまった。この先のバンドに立った後の、右手のフェースに移る箇所はバランシーで面白い。

終了点で2人を呼び寄せて、最終ピッチへ。1段上のバンドに立ちこむ箇所は支点無しで、恐怖。バンドをトラバースして細い木を交わすと正面壁のルートと合流し、ペツルの支点を経由できる。ここからは階段状に近いフェースを直登。ハーケンが1つある?らしいが見つからず、終了点までが怖いので左寄りで細木を経由して登った。3rdのトップアウトが16:20、大曲登山口が17:10、何とかヘッ電下山を免れた。

晩の宴会は某地にて寒空の下、広島3人、姫路5人の計8人。田路さんが大鍋でおでんを用意してくださり(姫路ではおでんが名物だそうで、生姜醤油につけて食べるのが美味しい)、広島チームでは吉村さんが用意した「牡蠣のオリーブオイル焼きバケッド乗せ」が大好評だった。また、某山域の地ビール飲み放題プランや酒での失敗話で大いに盛り上がった。

2日目は30分の寝坊と、朝食後の片付けが遅く、また早めに広島に帰りたい。との理由で、2ルート完登2本立ての予定だったところを、三峰東稜ノーマル1ピッチのみと、地蔵岳東稜ノーマルに変更した。姫路岳友会のメンバーと別れ、また大曲から地蔵岳東稜基部へ。既に東面スラブに1パーティ登攀中、2パーティ待ちの大盛況。ここをスルーして三峰東稜の取付きへ。

三峰東稜ノーマル1ピッチ目は、垂壁に近い(一部被り)フェースを人工で登るので、アブミを1セット持って行ってはいたが、車からの出発時に見つけられず、スリングアブミで代用する。前回、前々回フォローで登った際はアブミ無しで余裕だったので何とかなるかとは思っていたが、やたらと右手ばかりが酷使され、レスト時間が嵩んでいった。

人工区間が過ぎる辺りで中間の強固支点と残置スリングがあり、たった10m弱で止めるの?とここを通過し左上→直登しドン突きの終了点へ着くと、そこにはラッペルリングが無かった。とりあえず2人をビレイするが、堀田さんがアブミで苦戦。リード35分+セカンド&サード35分程度かかったが、次回は25分+15分程度に纏めたいところだ。ラッペルリングが無いので左手のルンゼへ向けて、立ち木を使ってラッペルし、地蔵岳東稜取付きへ移動する。

と、前にパーティがおり、リードがスタートしたところ。その先には別のパーティが連なっている。前のパーティが右寄りルートを行くので我々は左ルートを登ることとした。

堀田さんのリードで11時半過ぎスタート。階段状で、良いところにガバやポケットがあり快調に登れるが、急に核心部にぶつかるのでリードは慎重に登る必要あり。2ピッチ目はチムニーへ向けて直線的に進めば届く。とは伝えたが、ロープは大テラスへ向かっていた。

大テラスから先は、前のパーティが(1人アイゼン登攀者がいたため)先を譲ってくれ、短くトラバースして一旦ピッチを切る。チムニーを丁寧に登った先は緩い階段状のフェース。スムーズにロープが延びていく。立ち木まで着いたら前日と同様に馬の背取付きまで歩く。

一つ前のパーティに追い付き、5人程度の大人数だったが、意外と早く抜けてくれて我々の番が回ってくる。

馬の背は東稜上で最も細くなった部分だが、これまた階段状で、快調に登れる。遭難碑を過ぎカムを挟んで段差を越えると、大倒木の根っこで確保する小ピーク。ここで最終ピッチの順番待ち。前の前のパーティがなかなか進まなかったが、一つ前のパーティが右寄りルートを登るので、こちらは立ち木を経由した左寄りルートを取り、15時過ぎ、登攀終了。

堀田さんは東稜ノーマルのオールリード達成。係も登りたいルートを登れたので充実の2日間となった。帰りの別れ際に堀田さんが「とても楽しかった」と言ってくれたので、これはホント係冥利に尽きる。良い仲間をもったもんだ。

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