比良山系の沢  6月7日~9日


神庭

<参加者> 名越、吉岡、大前、角崎、児島、武田、多賀谷(重)

<行動記録>

 比良山系は琵琶湖西岸に位置し、武奈ヶ岳(1214m)を最高峰として南北に走っている。この山系の西面・北面に、規模は小さいものの数多くの遡行対象になる沢があるということで、今回の計画となった。
5月7日、19:30広島を2台で出発し、名神自動車道の大津SAに0:30到着。ここには少し低いところに1.5m四方のベンチ(屋根付)があったので、そこで小宴のあと就寝。
翌朝、角崎さんから電話が入り、参加するためバスで入山地に向かっていると連絡を受ける。6:50頃出発。大津SAはそのまま大津ICとつながっているので高速を降り、国道1号線をくぐって琵琶湖沿いの161号線へ。葛川坊村の森林キャンプ場に8:00到着。共同装備を分け終わった頃、バスで角崎さん到着。これからは①大前・角崎・多賀谷、②名越・吉岡・武田、③神庭・児島の3パーティに分かれ、①・②は奥ノ深谷方面、③は貫井谷の遡行とする。結果的に①・②は合流して6名で行動したので、そちらは武田さんから報告してもらう。

【貫井谷(左俣)】
 坊村から3km北の貫井へ車で移動する。近くのうどん屋さんに尋ねて、国道沿いの空き地に駐車させてもらった(9:30)。国道からいきなり谷沿いの仙道に入っていくが、この時点で水はほとんど流れていない。困難さでは代表格の谷というのに、すこし不安がよぎる。仙道をしばらく行くと堰堤を渡って谷中に降り、ここから沢に入っていく。大きな滝もなく、しばらく歩いて二俣を左(左俣)に入る。6mから10mの滝が次々に出てくるが、ほとんどが水の少ないナメ滝で、直登できるものの滑り台のようになっており、落ちたら危ない。資料でも何件かの事故が起きていると書いてあったし、うどん屋のおばさんも、「前に、あんたくらいの歳の子が助けを呼びに降りて来たのよ~。気をつけてねぇ」と言っていた。50m滝、2条40m滝を越えた所で12時となり小休止。この先が核心部のゴルジュ帯だが、たいした滝もなく通過する。その後に大きな滝はなく、左へルートをとっていくと沢は行き詰まり、遡行を終了する。そのまま真っ直ぐ登っていくと支尾根の細川尾根、さらに10分で武奈ヶ岳へ抜けた(13:30)。

 貫井谷は水量が少なく、また遡行図などの資料からイメージしたものと違って規模が小さかったので、「観る」沢ではなかった。数十メートルの滝というのも傾斜のゆるいナメ滝で、それほど迫力もなかった。そのため、良い沢だったと人には言えないが、登ること自体には細かく神経を使い、できるだけ直登していったので、山行自体は面白いものだった。児島さんと2人であまり会話もせず、黙々と登ったからかもしれない。

 遡行終了が13:30だったので、当初計画していた2本目はあきらめて歩くこととし、ワサビ峠・奥ノ深谷経由で坊村へ向かう。途中の奥ノ深谷源流付近で無線が通じ、6名は堂満岳へ向かっているというので我々も堂満岳へ。待ちくたびれた6名と山頂で合流し、すぐに下山を開始した(15:50)。坊村には18時前に到着し、森林キャンプ場で幕営する。夜はいつも通り始まったが、ちょうどいい時間に「もう寝なさい」と言わんばかりの大雨が降り出し、いつもよりも早く眠りについた。

【八池谷】
 昨日の雨がウソのように、とても青い空である。8時にキャンプ場を出発し、地蔵山の北、横谷トンネル経由でガリバー青少年旅行村に向かう。旅行村駐車場を9時過ぎに出発、林の中を突っ切って八池谷へ。遡行開始地点の魚止滝には9:50に到着した。なお、旅行村に駐車しなくても八池谷沿いに林道が入っており、奥まで車が入ったようだ。

 魚止滝・障子ノ滝を越えると廊下になり、本流は右曲、左からは支流の滝が落ちている。右岸に高巻き道があるが、ロープを出して小滝の左岸をへつり谷通しに行く。続く6m滝2つもロープを出して右岸から登って行くと、18mの唐戸ノ滝に突き当たる。どんな滝だったかよく覚えていないが、これを左岸から巻くと大摺鉢に出る。その上は両岸の立った廊下になり泳ぐのかと思ったが、これが屏風滝2段15mで右岸から大きく巻く。巻き道を下りた所には30mの貴船滝が待っていた。この滝が一番美しい。左岸の鉄梯子沿いに滝の落ち口に上がり、谷が左折して地形的な核心が終わる(10:40)。残る3分の1は、おおらかになったり廊下になったりを繰り返し、大きく右曲していくと、やがて木橋がかかった広谷に着き遡行を終える(12:50)。

 昼食後、武奈ヶ岳へ行っていない6名は武奈ヶ岳へ、神庭・児島は旅行村の車を取りにそれぞれ分かれた。武奈ヶ岳からの下降路には、西の安曇川へ一気に降りている細川尾根を通ってもらう。普通、急な尾根はジグザクに道がついているが、この尾根では一直線に落ちていくような道で、八池谷より細川尾根の方が印象に残る人もいたようだ。16時頃、細川尾根末端の貫井町で再び合流し、装備を分けて帰る準備をする。吉岡さんがマンゴープリンを皆に振る舞ってくれ、特に児島さんがおいしそうに、とてもおいしそうに食べていた。16:30には出発して帰路に着く。湖西道路に乗ったが大渋滞に会って途中で降り、来るときに通った国道を通って大津ICへ。吹田JCTで1トラブル、西条ICでも1トラブルあり、先着組は日付変わって1時頃、一番遅くなった大前さんは3時前に帰宅した。

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