天応(人工)改めレスキュートレーニング


保見

月日: 10月5日(日)
参加者:吉村(光)、三谷、元廣、平本、兼森、桑田、吉村(太)

 石鎚北壁への最終仕上げを予定していたが天気が悪そうということで、早々に屋内でのレスキュートレーニングに切り替えることとした。場所は「トレッキングハウス ナカシン」。5mほどの垂壁、前傾壁がありトップロープ用の支点もある。
吉村さんからナカシンさんにお願いをし、快く使わせていただいた。屋根付きでレスキュートレーニングにはうってつけの場所であった。
最近、リードをする人が増えてきた。個人山行で少人数で山に入ることも想定すると最低限のセルフレスキューは身に付けておかなければならない。
中堅会員もこれまでの講習等で自己脱出までは十分に理解していると思うがその先は?である。さてどうなることやら。
 新人の吉村(太)、中堅の桑田でリーダーレスキューの訓練スタート。トップの吉村君が5m上で動けなくなった想定で桑田さんがまずは自己脱出。ここまでは無難にこなすがやはりここから先はやったことがないので手順が分からない。パートナーの位置まで登る、支点の補強、懸垂でパートナーの横まで下降するなどの流れを説明しながら救出作業を行ってもらう。吉村君は安全のためにセルフは取っているが壁の途中に止まっているのはしんどそうである。早く救出を!
ようやく要救助者を降ろす段階になったが下降器の位置が悪くうまく振り分け懸垂にならない。こうなると要救助者の介助が難しくなる。なんとか下に降ろしたが2人ともヘロヘロになってしまった。
 2組目は中堅の平本、兼森ペア。兼森さんがビレイヤー役。自己脱出までは非常にスムーズだったがメインロープに荷重を移す動作に手間取っていた。後で聞くと勉強していたレスキューの手順と周りが言っていた手順が若干違っていたようである。書籍によっても若干手順が異なることもある。迷った時は自信のある方法で行って欲しい。
 要救助者の位置まで登り、支点の補強、要救助者のバックアップと作業が流れていく。墜落の荷重を受けた支点はどんな状態か分からない。係もバックアップは忘れていた。よく勉強しているなと感心。振り分けもうまくいき、1組目よりも早く降りてきた。
 セカンドレスキューも予定していたが、時間の関係上、実技は行わず、セカンドビレイからの自己脱出とカウンターラッペルの説明を行ってトレーニングを終了とした。
 事故が起きた場合、まずは自分の安全確保を行い、警察・消防への通報となる。次に救助ができるようであれば周りの人の力を借りて救助活動を行うことになるが電話も通じない、誰もいない場合はどうすればいいだろう。ハングをなかなか越えられなかった時の宙づりはしんどかった。あんな状態で「救助呼んでくるから!」とパートナーが現場を離れたらと思うとゾッとする。私だったら「待ってるから~」とは言わない。きっと「降ろしてくれ~」と叫ぶと思う。
20m上空で宙づりのパートナーを助けるのは難しいかもしれないが5mの垂壁なら今日の技術を使えば降ろすことができると思う。
登る技術が高まるほど危険の度合いも増してくる。それに見合ったレスキューの技術は身に付いているかを今一度考えてみて欲しい。
落ちた時に助けてくれるパートナーと登りたいと思うのは私だけではないはずだ。
パートナーを見捨てることの無いように最低限の技術はマスターしておきたい。

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