個人山行:薮歩きシリーズⅣー女鹿平山から沼長トロ山を越えて細見・立野キャンプ場


亀井且博

日時:12月9日(水)曇りのち晴れ

メンバー:単独

スキーで訪れる者は多いが、登山者は少ない女鹿平山。しかし、れっきとした1,000mを越える独立峰で、近辺のどの山頂からでも眺めることができ、麓から見上げる山姿はドーンと座してなかなかの立派な山である。

6月に登った際、頂上で山頂標識とともに写真を撮ろうとして、あわやマムシに咬まれそうになって慌てて下山したので、今回、沼長トロ山で薮漕ぎするのに合わせて、頂上での写真撮りのリベンジを含めて女鹿平山から繋いだ。沼長トロ山からはA、B、C、D峰と歩いたのち、東に伸びる尾根通しに城山を経由して細見谷・立野キャンプ場に下った。

<行動記録>

今日の予定コースは長丁場なので早めに出発したい。早朝の暗いうちに吉和支所・公民館の駐車場に着き、準備を済ませて明るくなるまで時間待ち。7時過ぎに歩ける明るさになったので出発した。先ず女鹿平山に向かう。女鹿平山へは山麓の別荘地吉和の里に続く舗装道路を辿る。別荘地はかなり上まで伸びている。最後の別荘を過ぎて少し登ると三叉路があり、そこから右の砂利道の林道に入る。やがて林道はめがひらスキー場の上に出た。人工雪がどんどんと作られて貯められている。スキー場開きは12月11日であと2日後だけどまだ雪の量が少ない様な気がするが・・・?

めがひらスキー場スロープ。人工雪を作って貯めている

スキーリフトの終点の横から尾根の薮に入る。朝露で濡れそうなのでスパッツを着ける。踏み跡のある薮をほんの少し歩くと1,082.4mの女鹿平山の頂上に着いた。頂上は草薮で6月にマムシが乗っていた夏草も今は枯れている。木が邪魔しているので眺めは良くない。

麓の吉和から眺める女鹿平山

頂上から西尾根に入る。西尾根の入り口にはテープの標識があるが薮になっているので夏は入るのを躊躇するだろう。今は下草も枯れて笹も低くて歩き易い。尾根を忠実に下り、小沢を越えて林道に出た。林道は青笹越に続いている。

青笹越からは北西に伸びる薮尾根に入る。この尾根にも踏み跡があり、下草は枯れ、笹薮も低いので難なく歩ける。955mのピークを通過して、次の980mから下ると中電の送電線鉄塔管理道に出た。さらに送電線鉄塔の下を通りながら管理道を辿って林道向山長者原線に出た。

林道を300mほど進むと右に落葉が積もった旧道が分かれている。この旧道に入り、途中多くの倒木を越えて、道が大きく屈曲して沢を渡る地点が沼長トロ山の取付きである。取付きは分かりづらく、よく気を付けていないと通り過ぎてしまいそうである。取付きから尾根に向かって急斜面を登り尾根を少し辿ると1,014.4mの沼長トロ山の頂上である。頂上には三等三角点が設置されている。頂上は笹の薮で回りの木が茂っているので眺望は無い。

沼長トロ山頂上三角点

頂上から北に伸びる尾根を辿ってA峰に向かう。アップダウンの少ない尾根を辿り、最後に少し大きなコルをから登るとA峰である。頂上は笹薮で三角点も無い。十方山や旧羅漢山、五里山が木の間に見える。

吉和冠山(遠)と沼長トロ山(近)

A峰で尾根は急に屈曲して東南東に向かう。尾根の南側は沼の原で以前は奥山だったが、今は広く伐採されて重機が通る作業道が入り乱れ無残な姿になっている。B峰に近づくと尾根は岩稜状になる。B峰は1,023mのピークで頂上には大岩が座っている。頂上の樹上にはクマ棚もあってクマのテリトリーの真っただ中である。

クマ棚

B峰からの下りで尾根は南に向きを変える。C峰を越えてD峰への急な登りを喘ぐと広く平坦なD峰に着いた。西の沼の原方面が伐採されていて見通しがきく。ここで昼食にした。

D峰からそのまま南に尾根を辿ると銅山林道に出て向山長者原線に続いている。沼長トロ山に登る者はこのルートを使って周回する者が多い。今日は東に続く尾根を辿って細見谷・立野キャンプ場に向かう。ゆっくりと昼食を済ませ東に続く尾根に入る。この尾根にも踏み跡があり、所々にテープ標識が巻かれている。小ピークを幾つも越えながら徐々に高度を下げていく。標高900m過ぎ辺りで尾根は複雑に入り組んで屈曲している。下り気味なので尾根を間違えないように地図と磁石でルートファインディングをしっかりとしながら下る。809mピークに登り返し、四等三角点が設置された城山のピークに着くと尾根は北に方向を変えて立野キャンプ場に一気に下って行く。最後は逆落としの急坂で、滑落しないように足元に注意して気を付けながら下って行くと立野キャンプ場から続いている林道に飛び出した。

立野キャンプ場

立野キャンプ場に立ち寄って小休止した後、県道をポレポレと歩いて吉和支所・公民館に帰った。

快晴との天気予報は外れて、午後初めまでは曇りで今にも雨が降りそうな日だった。今日も良く歩いた。気分爽快である。

このルートは時折、中電の送電線鉄塔管理道や林道に出るが、ルートのほとんどは薮歩きであった。しかし、踏み跡と随所にテープ標識があって迷うようなことは無かった。登山者は少ないものの薮歩きを厭わない者には静かな山行ができる面白い山域である。この山域もクマのテリトリーで、あちこちにクマ棚が見られた。

<歩行距離>

21.1Km

<コースタイム>

吉和支所・公民館7:10→8:35女鹿平山→9:02青笹越→10:19林道向山長者原線→10:35沼長トロ山取付き10:45→11:00沼長トロ山頂上→11:27A峰→11:53B峰→12:06C峰→12:13D峰、昼食12:38→13:58城山→14:29細見谷・立野キャンプ場→15:40吉和支所・公民館

<コース図>

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