大山(川床~野田ヶ山~元谷、無名尾根など)


三谷 和臣

2月11日~13日
<参加者>吉村、安藤、名越、溝手、神庭、多賀谷(重)、三谷
<行動記録>
 前半の歩きと登攀隊と合流後の行動概要について掲載した。
2月11日
 スキーヤー尻目に大山寺から川床までを歩き、大休峠を目指す。誰も入っていないだろうという予測に反して、しっかりとしたトレースが付けられている。だが、トレースの方向は夏道ではなく、阿弥陀川右岸の尾根に沿って付けられている。しかもかなりの急斜面である。せっかくのトレースに文句を言いながら、先行者は冬山の定石として「尾根を忠実に」たどったのだろうと思った。藪を払い重荷に喘ぎながら歩いていると、夏道らしき平坦地に出た。これで一安心という思いもつかの間、今度は斜面に向かってトレースが伸びている。冷静に考えると中国自然歩道はほぼ平坦に延びており、連続した登りはあり得なかった。トレースは野田ヶ山に伸びる尾根に続いていたことになる(この時点では、それさえもあやしかった)。おかしいと思ったが後の祭りだった(またやってしまった)。17:00日没のリミットで小屋に泊まるのはあきらめ、尾根の途中で幕営した。安藤さんが食糧係を担当し、シンプルでおいしい鍋物だったが、アルコールの方は無計画で、2日分と人の酒まで飲んでしまった。
2月12日
 一晩の積雪量は30センチ、従ってトレースも消えていた。おそらく野田ヶ山へ通じる尾根だろうという推測のもとに、忠実に尾根をたどる。地形からして1062mの三角点から1176mを経て野田ヶ山に達したものと思われる。これを考えると、一度GPSを試してみたいと感じた。やがて最高点にたどり着くと、野田ヶ山らしきピークと、振子山に通じる先行パーティーのトレースが現れる。樹氷と雪庇の発達した見事なナイフリッジが続く。一瞬ガスが晴れたと思うと、剣ヶ峰、三鈷峰を初めとする大山山群が白く輝いている。親指ピークでは、先行パーティーがトラバースをしているのが見えた。そのパーティは直登を試みたが、あきらめたようだ。親指ピークの基部で追いついき、ラッセルを交代した。今年の異常降雪により腰までのラッセルでなかなか前に進まない。亀の早さで高度を稼ぎ、主稜線に出る。エビの尻尾をまとったユートピア小屋で休憩する。縦走しようか下降しようか協議するが、早く降りて(酒を)飲もうと言うことになり、宝珠尾根下降を決めた。宝珠尾根の頭から下降し、中宝珠越えから元谷小屋へ。元谷は超満員でまるで夏のアルプス状態である。私たちは小屋の前にテントを張ることにより、気兼ねなしに過ごすことができた。安藤さんと吉村さんは水くみを口実に酒を買いに大山寺まで散歩に行かれる。私はテント内の整理をしながら神庭君の連絡を待つ。いつも使っている無線の周波数はトラックの運転手が使っており、今後大山では周波数を変更した方がよい。溝手さん、神庭君は屏風岩の鏡岩ルートを途中まで登ったそうだ。
2月13日
 翌日は、みんなで別山と八合尾根の間にある無名尾根を登った。最初の3、4ピッチは普通の雪稜であるが、途中岩峰が現れる。一瞬ガスが晴れたかと思うと、目の前に現れた別山が巨大な壁のようだった。それと、普段誰も登らない尾根になぜか後続パーティーが…。岩峰の手前は馬乗りのナイフリッジ、岩峰は右を巻き、岩稜を登る。16時に夏道に出るが猛吹雪で、ここから先がおまけ付きだった。
<コースタイム>
2/11 広島8:00→12:00大山寺13:00→14:15川床→1062m付近
2/12 1062m付近7:30→9:00野田ヶ山→11:00振子山→12:00ユートピア-(宝珠尾根)→14:00元谷
2/13 元谷7:30→9:30無名尾根取り付き→15:30夏道→18:30元谷

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