三倉街道 草刈り


川崎

2013年6月23日 三倉街道 草刈り山行

参加者:横山、武田、平本、徳永、島本、川崎

二日連チャンの三倉入りである。
但し、前日はクライミング、今回は草刈、係りの
モチベーションも若干下がり気味ではあるものの、
玖波駅9:00の集合に、JR一本早く到着する。

ゆっくりザックの中身を整理していると、
松林さんからメールが届き、
体調不良のため、欠席とのこと・・・
力仕事担当者が居なくなってしまった。マズイぞ
と思っていると、
続々と参加メンバーが到着してくる。
武田さんが、“家の辺りでは雨が降っていた”に
見上げると確かに曇り空である。
雨人間は居ない筈と思うなか、
島本さんの名前が浮かぶ・・・

バス停で待つこと約10分、こいこいバスがやって来る。
運転手さんに“三倉岳へ行きますか?”
“そんなとこ行かんよ”と、“えっ!”
下車してきた親切なおじいさんが、
“これはお年寄バスじゃけん、近くしか周らんのよ”と教えてくれる。
そうこうしていると、マロンの里行きのバスがやってくる。
コレコレと乗り込んでみると、貸切状態。
のんびり気兼ねないバス旅行に、深谷中学校前で降ろしてもらう。

民家の横を抜けながら挨拶しつつ、AM10時登山口へ到着する。
更にちょっと中に入り、草刈り装備を装着する。
ここで思い出したのが、
映画“十三人の刺客”の役所広司さんの台詞
“刈って、刈って、刈りまくれ~”と
意気込み刈り始めるが、間もなく、
武田さんから“時間がなくなるので先に進みましょう”のひとこと、
“アレッ・・・了解で~す”とソソクサと鞘に仕舞い後に従う。

しばらく行くと、道に横たわる大木?
“これ、切って横に除けといて”と仰せつかる。
颯爽と抜き払ったのは、
十数年来、我が家の倉庫に転がっていた名刀“村正?”(のこぎり)
いざお手合わせとノコを引くが、
ヒイヒイ、ハアハアと切れるのは息ばかりで、
一向に大木?は切れてくれない。
最後は格闘、蹴るわ、投げるわ、石落とすわと大汗かいて
なんとか成敗する。
ふと気付くともう周りには誰も居らず、
これはマズイ、一番迷いそうな奴が一人残されてしまった!
急ぎ後を追いかけるが、こんな時に限って色々脇道が目に入る。
コッチか?アッチか?自問自答しながら追いかけるが、
なかなか追いつかない。
“マジで迷ったら、一生言われるよなぁ~”と、
不安と格闘しながら、先に人影が見えたときには
なんと嬉しかったことか、
でもそんなことは噯気にも出さず、
左団扇を装い“お疲れ様で~す”
すると、また大木?“えっ!また~”と声にはしないものの
ここにきて松林さんの欠席が応える。
更に、名刀“村正?”では息ばかりが切れる。
ふと腰元をみると、
昨日、
徳永さんの装備購入に付き合った際に、
衝動買いした鉈・鋸セットがぶら下がっているではないか。
恐る恐るノコを引いてみると、
安かった割にはなんと良く切れることか。
“やはり、畳とノコは新しいものに限るなぁ~”と
一人つぶやきながら、小木を二、三本平らげる。
正午、谷和の集落へと出る。

装備を収めると共に、一本取る。
集落を歩き、前方に人気ものボーダーコリーのお宅が見えてくる。
すると向こうも首を伸ばしてこちらを見ている。
誰かが大きく手を振ると、待ってましたとばかりに、
ボーダーコリーがしっぽをブルブル振って走り寄ってくる。
更にその後ろから、小型のボーダーコリーもどきもやって来る。
直子さんが居るとどんなに喜んだことか?
しばらく、ボーダーコリー親子?と戯れ、道案内されつつ
集落出口へ向かう。
12:35 再び山道へと入る。
間もなく、足元に違和感を感じ、
牛のウンコでも踏んだか?と足元を見ると、
なんと一張羅の靴がパカパカのワニの口に・・・
ゲゲェ~と思っていると、後ろに続く
武田さんからは、細引き、
平本さんからは、テーピングテープが出てくる。
さすが山岳会、皆さん用意周到である。
テーピングテープを借り、
捕獲されたワニのように、口をグルグル巻きにする。
ただこれで帰りJRに乗るのはカッコ悪いなぁと思いつつも、
気を取り直して、先に進む。
二日前までの雨で川の水嵩も増しており、
渡渉するのにルートを探しつつ、
石や木を投げ込んで渡って行く。

しばらくして、玖波側から登って来られた
横山さんと合流する。
とたん、もう仕事は終わったとばかりに鎌を仕舞われ、
さっさと下山体制に入られる。
口からでまかせの係りは、
“草を刈ると共に、赤い絨毯を敷いときました。”に
横山さんも
“こっちは、白い絨毯を敷いといた。”
確かに歩くと刈ったシダの葉裏が敷き詰められ白い絨毯となっている。
さすが事実に裏打ちされた切り返し、
横山さんギャグの奥深さに一人感心してしまった。

先に進み、今回一番の渡渉場所、
横山さんが掛けた二本の丸太橋に差し掛かる。
先の二人は問題なく渡り、
後続を待つ中、
横山さんは、
誰か落ちるんじゃないか?と
ニコニコいたずら小僧の笑顔を滲ませている。
後続が現れ、期待を込めて見ていると、
躊躇しつつ、丸太橋の袂に足を掛けては、また戻すこと数回
橋はどんどん崩れ一本橋に・・・
“そこ踏むけんよ”とまだ掛け直してあげる優しさが見える。
しかしこれが三人続くと、
ニコニコ笑顔は消え、大魔神のごとく鬼の形相と化す。
“そこ踏むなと言っとろうがー”の叱咤激励、
横山節が響き亘る。
しんがりは武田さん、
あっさり渡られ、バランスの良さを披露される。

横山さんと係りは、もう終わったとばかりに一気に下るものの、
後続がなかなか来ず、
仕方なく道に横たわる大木を二、三本切り除けるが、
まだ現れず、とうとう登山口に到着してしまう。
そこには、主人の帰りを静かに待つ名馬・赤兎馬(スクーター)が、
更に10分程度待つものの未だ後続は現れず、
空模様も怪しいため、16:15 取敢えず一次解散とし、
横山さんは、赤兎馬に跨り颯爽と山道を駆って行かれた。
しばらくして後続も現れ、16:30 全員無事下山となった。
下の駐車スペースへ下りる間も、
武田さんは、サルトビイバラを見つけてはチョッキチョッキと刈っていく。
最後まで手を抜かない几帳面さが伺える。
おかげで今月末の夜間歩荷では、もうイバラに呼び止められることもないでしょう。

装備も仕舞い、あとは出発点の玖波駅に向かって一般道をひた歩く。
係りは、上を見ては空模様、下を見てはワニ口を気にしながら、
どちらも帰り着くまでもってくれますようにと、ただ願うばかりであった。

駅につくと同時に17:18発の列車が走り去ってしまった。
皆着替えを済ませ、次の列車にと思うと、
徳永さんがまだ終わっておらず、
島本さんの“汽車来たよ~”の大声が、駅中に響き亘る。
結局、間に合わなかったため、
遠方の武田さんには先に乗車してもらい、17:28 二次解散とした。
残った新人達は、17:35 の列車のボックスシートに陣取り、
島本さんの差し入れポテチをほお張りながら、
夏合宿に向けてのグチリと意気込みに花を咲かせた。
各自、駅からは更に歩きや自転車と、決して楽をしようとしない姿勢に
感心しつつ、
テーピングがハゲ、ワニ口が開きかけた靴を目立たぬように引きずりながら
係りはそっと家路についたのであった。

最後に誰が名付けたか今回の“しかたない山行”。
しかし蓋を開けてみると、いろいろハプニングありながらも、
予定通りに終ることができた。
偏に横山さん、武田さんの時間配分の正確さ、
そして、寡黙を極める歩き山行を楽しく盛り上げて頂いた
皆様に感謝の意を表し、この報告を締めさせて頂きます。
本当にありがとうございました。



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