丹沢 神ノ川・伊勢沢遡行 (個人山行)


宮本 博夫

日程:2010年9月25日~26日
参加者:菅野、宮本
←写真:45m大滝

<行動記録>
 今回は近場の丹沢山地。短い沢ばかりの丹沢の中でも比較的長い「伊勢沢」を遡行した。通常、早朝発日帰りの沢だが、早出が難しいので午後発1泊2日で計画した。

 25日、本厚木駅で菅野さんと待合わせ後、途中で栗などを仕入ながら現地に向かう。何度か行った表丹沢側とは違い、神ノ川は丹沢山地の裏側まで回り込むため、結構時間がかかる。午後の出発となって、しばらく林道を進んだあとで神ノ川本流に降りて渡渉するが、前日はまたもや台風が通過していて大水量。菅野さんとスクラムを組んで本流を渡る。
 伊勢沢に入っても丹沢とは思えぬ大水量。奥秩父に来ているような錯覚を覚える。早速5mくらいの滝が現れ、素直に登るとずぶ濡れになってしまうので、垂れ下がったトラロープに思いっきり頼ってあまり濡れないように登る。その後も10m前後の滝がややまばらな間隔で現れ、適当に処理して登っていくと前方上方に巨大な水柱が見えた。あれが45m大滝の様だ。
 この日は大滝を登る時間はないので、大滝手前の切り株の窪地で寝る。大滝のしぶきで湿りきっているが、以外に平らで枯葉と土でクッションがよく、見た目よりよい寝床だった。しぶきが多く、流木もほとんどなく、今回も焚火はなし。2回連続パスになったので少し火が恋しくなってきた。よい寝床の割には宮本はさっぱり眠れず、真夜中に目が覚めてからは大滝の轟音を聞きながら朝を待つ羽目となった。湿りきったところでヒルにやられはしないかと警戒したが、幸いにも何も被害はなかった。

 26日は大滝登攀から始まる。大滝は大水量の大瀑布で丹沢の他の滝では見たことがないほど立派なものだ。ルートは如何様にも選択できそうな感じで、水の流れていない中央壁から取り付いたら岩がぼろくて、でかいホールドがとれてしまい、ここで岩質に信頼がおけなくなって少なからずビビリモードに陥った。しばらく悩んだあとで左壁にトラバースしていくと岩質は安定してグッと登り易くなった。丹沢の他の沢の滝と違ってハーケンべた打ちではなく、最初の20mくらいハーケンが見当たらなかった(ルート間違いのせいかもしれないけど)。角度の立った核心部分はさすがにべた打ちされていて、安心して登れた。
 ここまででほぼ40m登り、最後を左端のブッシュ気味の壁から登ろうとしたら、ひと抱えもある大岩が今にも落ちそうで恐ろしいことになった。しかもそのまま進むとロープ(50m)が足りなくなりそうで、40m地点テラスまで、大岩がとれないことを祈りながら引き返し。テラスからは少々おっかないけど流水に向かって右上していくのが正解で、無事登り終えた(実際は先の間違いルートよりずっと簡単だった)。
 その後はまばらに滝が現れる他は何もない緩い沢筋をどんどん登って、最後は藪漕ぎゼロのルートをうまく当てて、前回釜川の仮を返して、私達としてはえらく順調に稜線に出て、出発地に向けて下山した。

 伊勢沢はいつもの丹沢とは全く趣が違う、大水量の沢だった。(またもや台風後で水量多目のせいもあり) 内容的には45m大滝登攀に尽きる。大滝までにも15m程度の滝がいくつかあったが、大滝の圧倒的存在感に完全に薄れてしまった感じ。
 なお、今回はたいした行程ではなかったのだが、どういう訳か翌日からひどい筋肉痛になってしまい、2日目は歩行困難なほどに悪化。月曜~木曜まで筋肉痛が続き、こんなひどい筋肉痛は初めてだった。

<コースタイム>
9月25日;神ノ川公園地車止め出発13:40~伊勢沢出合い14:30~大滝前(泊場)16:30
9月26日;大滝下出発7:10~二俣10:30~稜線12:10~袖平山13:30~出発地帰着16:00

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