№3931大山


横山

月日1月30(土)~31日(日)
<参加者>名越、安藤、野田、元広、小野
この冬初めての大山の係りです。前週の例会は、弥山尾根で楽しまれたそうで、その日から勢いをつけた2名(野田、元広)は、もちろん今回も参加です。
お正月から始まった意表を突く大寒波は、ここにきて、やっと気象庁の意向を酌み、暖冬模様に軌道修正したみたいです。
各地のスキー場では軒並み積雪減となり、ここ大山でもやっと滑れる程度(60㎝)の状態です。
計画では、18:30出発としていましたが、参加者は全員、「土曜日は休務(やすむ)」とのことで、係は、勤務明けの眠気を押しての、午前出発となりました。
12:20安藤邸に着いたとき、すでに名越さんは到着され、トランクルームを開放していただいていました。早速ザックを積み替え、第2次集合場所の中深川(セブン)へ赴きました。ここで約20分の時間調整です。
13:15野田デミオと名越スバルの2台は、概ね予定通り白木街道を駆け始めました。
予想したとおり、枡水原高原スキー場では、一部滑走可能状態のようです。
車を仁王茶屋に置き、6人用テントを若人に分散し、モンベルショップ前から元谷へと歩き出しました。
名越さんと安藤さんには、テントではなく、焼きサバとカレー鍋をそれぞれ背負っていただきます。小屋に着いてみると、予想に反してたった2名の先行宿泊者がおられます。
「どーよ、これ。」せっかくの6テンですが、小屋の隅で鎮座していただくことにしました。
既に就寝中である、階下の先行宿泊者(2名)には、丁寧にことわっておき、私達上階の6名は急ピッチでハイテンションとなりました。
19時ころから約2時間の宴も、安藤さんの中締めで終了です。明朝の行動予定を確認し合い、早々に就寝準備に入りました。そして・・・5分後には、中締め役からの消灯合図(たかいびき)がありました。
翌朝5時、予定どおりの起床。安藤さんのオリジナル雑炊を腹に入れ、6時15分、室内温度計(+3℃)を気にしながら登攀組(名越、野田、元広)は、阿弥陀尾根へと出発しました。
(登攀組の行動記録は、別途、野田さんからの報告を参照してください。)
一方、冬山初心者の小野さんを擁する歩き組(横山、安藤、小野)は、装備の着装確認を綿密に行い、30分遅れの6:45に小屋を出発です。
歩くコースは、8合尾根から頂上を目指します。
気温はこの時期にしては、かなり高めですが、早朝でもあることから、足首程度しか埋まりません。
急な雪面が現れると、小野さんは積極的に先頭に立ち、キックステップで高度を稼ぎます。ステップがスリップに変わり出した頃、アイゼン歩行に切り替えました。その後10分も登ると、そこには夏道のペナントが立っています。木道に沿って詰めていくと、突然ガスの中から、頂上小屋が現れました。
9:45頂上小屋到着です。1階の玄関脇でドッキングした岡谷パーティー(3人)と共に、1階入り口から入室すると、中では既に、清家さん達3人が休憩中でした。聞くところによると、どうやら2パーティー連なって、弥山尾根を登って来たとのことです。我々は、しばらく休んだ後、夏道を下山する岡谷パーティーと別れて、稜線を縦走することにしました。10:25装備を再チェックしての出発です。
「風が強い。」との事前情報を清家さんから聞いていましたが、稜線に踏み出した時点ではそれほどではなく、なんとかなりそうです。
雪質については、時間の経過とともに緩くなっているのは間違いありませんが、まだアイゼン団子が着くほどではありません。(これは、いいかも!)と順調に進みましたが、ラクダの背にさしかかった時、重大トラブルの発生です。
先行した私が、小野さんの足元を注視すると、何と!アイゼンの踵ビンディングが外れているのではありませんか。(やばい!)
「小野さん、そろーり・そろリ、ここまで。」と指示し、不安定な靴幅ほどの稜線を、約3m程度すり足で歩いてもらい、やっとのことで2人ほど立てるやや平らな箇所まで移動しました。ここで、応急的にビンディングを調整し再出発です。
ここから先は、雪庇の先端にピッケルを刺しながらの南壁側のトラバースです。しかし、ピッケル支持点がクラストしていない状況では、スリップは命取りです。こんな心もとない部分が、延長30mほどありましたが、そこから剣が峰に近づくに従い、走路は緩やかな雪面となり、先ほどのラクダと比較し、像の背中ぐらいになり、緊張も幾分和らぎました。
12月の例会山行で、剣が峰まで来たことのある小野さんの表情にも、幾分余裕が出てきたようで、口数が増えてきたように感じました。
縦走を終え、11:55ユートピア小屋に到着してみると、誰もいませんでした。開放しっぱなしの玄関引き戸を矯正し、大休憩としました。天気も回復基調で、遠望が効き出しました。窓ガラス越しに三鋸峰のピークを望みましたが、まだ阿弥陀尾根パーティーは着いていないみたいです。
十分な行動食を摂り、12:25宝珠尾根に向い下山開始です。上宝珠越えの先あたりで、阿弥陀のスカイラインを凝視すると、瞬間的なガスの切れ目から3名のクライマーが確認できました。「ドーテー」を2回コールすると、名越さんからのバックコールがあり、間違いなくそれと確認できました。宝珠尾根は微かにトレースが残っており割と順調に下降ができ、14:05には元谷小屋に帰りつきました。阿弥陀尾根パーティーの下山時間を見計らい、お湯を沸かしたところに3名が元気よく到着し、温かいホットレモンで乾杯です。
15:00元谷小屋を後にし、16:30帰路に着きました。
楽しかったです。