日時:11月29日 (日) (係)三谷
参加者:吉村(光)、元廣、松林、島本、松原、川本(入会心得)
<行動記録>
恒例のアイゼントレーニング。今回は場所を変えて、鎌倉寺山で行った。かつては岩登りのゲレンデだった山である。はじめての鎌倉寺山でのアイゼントレーニングに、この冬、雪山を目指す7名が集った。
朝9時、南峰登山口の駐車場に集合、各々、冬靴に登攀道具を身につけ出発する。
登山道に入って少し登ったところで、アイゼンを装着する。新人二人にアイゼン歩行について簡単にレクチャーして歩き始める。
しばらく登ると、登山道に沿って岩塊が現れる。広島近郊に多く見られる花崗岩の山である。大して傾斜もなく危険は少ないので、登山道を外れて岩場を歩く。ちょうど穂高の岩稜帯のようでおもしろい。アイゼンをはじめて履く新人二人もゆっくりと、うまく足を運んでいる。
そこへ、みなさんよくご存じの広島の登山仲間が登って来られた。
馬の背の基部となる岩場を左にまいて偵察しようと思ったが、今回は時間の関係で省略する。今度は南に派生する岩稜を登ってみてもおもしろいと思う。
馬の背も迂回して、南峰直下の岩峰の基部にたどり着く。
松林くんに、階段状から凹角に抜けるラインにロープを伸ばしてもらう。支点は立ち木、残置支点から取れる。中間の凹角で「厳しい」と言っているようだが、下からはその様子はわからない。凹角を抜けたところでロープを固定してもらう。
後続は固定ロープを使って登る。松原さんは上から元廣さんがサポートして、やはり凹角で奮闘しながらも何とか越えていった。入会心得の川本くんは登山道を歩いてもらう。
露出感があるが、立ち木をつかんで、左右にある細かいスタンスを使えば登ることはできる。雪や氷のついたコンディションの中、登ることを考えれば、前穂高北尾根の方が厳しいと思う。
ほどなくして南峰頂上に着く。すでにお昼になってしまった。
南峰周辺で登山者2人が、例のスラブ帯のことについて聞かれた。古いルートはあるが、あまり登られていない旨を伝え、南峰頂上付近と登山道脇にいくつかの新しいルートがあることも伝える。情報としてはほとんどないのに、岩場探しとは不思議に思った。
先を急がないといけない。昼食を素早く取って、鎌倉寺山を目指す。
南峰頂上からコルへの段差を利用して懸垂下降の訓練を行う。松原さんはエイト環を使うのは初めて。松林くんをサポートにつけ下降してもらう。
岩場を縫いながら十畳岩、槍ヶ峰への岩峰を越えていく。時々、登山道を外れて岩稜を歩いたりする。テープが付けられているが、不明瞭な箇所もあり、間違えたりもする。この辺りに孫人岩があるはずだが、確認できないまま通り過ぎる。
そろそろ鎌倉寺山と思いながら歩き続けるが、その後も小ピークのアップダウンが続く。すでに15時を回っており、下山路のことが気になる。やっと下山路への分岐点(十字路のコル)を見つける。荷物をデポして足早に鎌倉寺山へ。久しぶりに踏んだ頂上は、景色もなく何の変哲もない。トレーニングとためと思いつつ、この山は歩くとしたら景色の良い槍ヶ峰までだろう。
写真を撮ってすぐに下山する。下山路は、最初は急だが踏み跡がしっかり付けられており、迷うことはなかった。しかし、暗くなると厄介なことになっていただろう。小川を渡渉すると、林道に出ることができた。のどかな棚田風景の脇をしばらく歩くと、駐車場に到着することができた。
今年は暖かい日が続き、アイゼンの活躍する日は来るのだろうかと思いながら、これでいつでも冬山に入ることができる。