2017年10月7日~9日
参加者:亀井、岩田(会員外)
2010年6月、坊ガツルは名越と男池から黒岳、大船山を経て行った時以来だ。
今回の長者原から坊ガツルのコースは1964年11月、19歳の時山岳部の友人にだまされ雨の中をついて行き後悔したが、二日目の大船山に登ったときの爽快感に感動し山岳部に入部してしまった。翌年5月の新人合宿で再び坊ガツルを訪れて以来だから52年ぶりのコースとなる。
参加を募ったら亀井、岩田の二人が一緒に行くことになる。今回も夏のテント泊に懲りず、坊ガツルはテント泊だろうということになる。
7日 8時前に廿日市を出発。大野ICから九重ICまで高速道を走り、長者原へは13時過ぎに到着。広い駐車場は満車の状況だったが、何とか道路を挟んだ駐車場に駐車できた。
準備を済ませ出発。駐車場の一段上に「坊がつる賛歌の碑」があり、歌詞が刻まれている。元歌の「広島高師の山男」は学生の頃、よく歌っていた。ススキの原を抜けると登山道となり、登山届のポストが設置されている。登山届を提出して登山開始。林間の登山道は緩く上っており、火山特有の黒い土で滑りやすい。30分くらい歩いたら息苦しくなり、目まいがしてくる。たぶん熱中症だろう。ここしばらく歩いていないので運動不足もあるのかも。蒸し暑さもあるのでベストを脱ぐ。ちょっと長めの休憩の後、ゆっくり歩いてみる。少しは良くなったような気がする。登山道はやがて木道となり、雨ヶ池に着く頃には何とか息苦しさは治まったようだ。この地は雨が降ると池ができ、ハナショウブやヤマラッキョウの群生地となっている。ハナショウブは遅いがヤマラッキョウの花は見ることができた。正面には平治岳が見え、湿地帯を抜けると雨ヶ池越えに出る。ここは展望が開け、坊ガツルのキャンプ場に色とりどりのテントが張られているのが見える。ここから緩い下りとなり、やがて坊ガツルの平原でススキ原の中に延びた道を進んでいくとキャンプ場に到着。炊事棟の近くを選んで草の絨毯の上にテント2張りを設営する。一人用はイビキをかく人のため、二人用はちょっと迷惑かもしれないが寝言を言う人+おとなしいと思っている人のため。日が暮れるまで時間があるので周辺の山を見ながらコーヒー、ビールを飲みながらノンビリする。ここ坊ガツルは何度来ても飽きないところだ。テント内は狭いので暗くなる前に草の上に座り込んで夕食を済ませる。暗くなるにつれ、空は満天の星が広がってくる。3日前に中秋の名月(月齢13.9)は過ぎたが今夜の方がより丸いはず(月齢16.9)、と言いながら月が出るのを待ったが待ちきれずテントに入り横になる。後で調べると5日が月齢14.9なので満月に近い。月の出も21時頃だったようだ。家に帰ってYAMAPを確認したら7日午後10時頃、テンバ場から東に見える大船山の上に輝いている月齢16.9の月を写した写真がアップされていた。
コースタイム
長者原(13:45)~(14:25)雨ヶ池(14:48)~(15:26)雨ヶ池越え(15:29)~(16:00)坊ガツル
8日 朝もやの中に三俣山が見え隠れしている。やがて三俣山頂上からモルゲンロートが下がってくる。朝食は炊事棟で準備だが、アルファ米と味噌汁だけなので湯を沸かして待つだけ。その間、コーヒーを淹れて飲む。朝食を済ませザックに雨具と行動食を入れて出発。法華院温泉までは車道?を歩く。法華院温泉周辺にもテン場があり多くのテントが張られている。ここはテラスの上にテントを張ることも出来るようだ。鉾立峠への登山道へ入り進んでいく。そんなにキツくないので話しながら歩いていると鉾立峠に着いた。地図は「鉾立峠」となっているが、峠には「桙峠」の標識が建てられている。ここから見る白口岳は羅臼平から見上げる羅臼岳のようだ。登山道は頂上に向かって一直線に延びている。見ていると時間がかかりそうだが、以外に早く頂上へ着く。少しガスっていて展望はいまいち。以前は記念写真など撮らなかったが、Facebook やYAMAP をやり始めて頂上で写真を撮るようになった。今回の山行もビデオとYAMAPのためにスマホで写真を撮るので、二人に遅れないよう気を遣い?ながら歩く。白口岳から稲星山はすぐそこだが、いったん下らなければならない。幸いにも頂上から見たよりも下らなくて良かった。尾根を登ると稲星山の緩く広い頂上へ到着。すぐ北には中岳と天狗ヶ城があり、その間から三俣山が見える。稲星山頂上で3人の記念写真を撮り、久住山に向かう。久住山へのコルまで来ると北千里方面から多くの登山者が登ってくる。稲星山と久住山のコルまでは静かな登山が出来たが、コルから久住山は一転して人、ひとである。頂上標識の前は写真を撮る登山者でごった返している状況である。小さなテントなら張れそうな場所で休憩をとる。腹ごしらえをして下山開始。久住分かれから北千里へと下る。西に見える斜面から噴煙が吹き出している。52年前、ここまで登り、硫黄を持ち帰ったことを思い出す。北千里は静かだが、久住山へ登っている登山者も見られた。牧ノ戸からだと近いので、日帰りで来る登山者も多いのだろう。法華院温泉と諏蛾守越えの分岐、北千里から諏蛾守越えに向かう。正直なところ、飲料がほとんど無く調子も良くないので、ここで止めようかと思った。ここで止めるにはプライド?が許さないと思い二人について行く。思っていたより短時間で諏蛾守越えに到着。残り少ないアクアソリタで喉を湿らせ、さらに登っていくと三俣山南西のピークに到着。ここまで来ると三俣山本峰までは近い。本峰でゆっくりして下山開始。計画段階では頂上から坊ガツルへ下る登山道の予定だったが、かなりの急斜面と登山道は滑りやすいだろうと判断して諏蛾守越えに変更して下る。北千里の分岐から法華院温泉へは広い砂地から石がゴロゴロとした登山道へと変わる。牧ノ戸へ帰るのか登山者が登ってくる。やがて登山道は舗装された広い道になり法華院温泉山荘に着く。多くの登山者や宿泊者が休んでいる。アイスクリームの看板を見つけ、アイスクリームを購入。亀井はアイスクリームとビール2本。1本は岩田のために。坊ガツルに帰り、水分補給でココア等を3杯。暗くなる前にテント前に座り込んで夕食を済ませる。疲れました。
コースタイム
坊ガツル(8:05)~(8:18)法華院温泉~(8:39)鉾立峠(8:44)~(9:53)白口岳(10:16)~(10:48)稲星山(10:56)~(11:33)久住山(12:13)~(13:14)北千里分岐~(13:22)諏蛾守越~(14:17)三俣山本峰(14:48)~(15:25)諏蛾守越~(16:02)法華院温泉山荘(16:25)~(16:38)坊ガツル
9日 法華院温泉近くに「9日は早朝から野焼きがあるのでテントは早めに撤収してください」の張り紙があったので期待していたが、残念ながらその気配はないので坊ガツルを出発。坊ガツルから雨ヶ池越えまでの登山道は緩い。連休最終日なのに坊ガツルに向かう登山者もいる。雨ヶ池の木道を歩き、長者原への登山道を滑らないよう注意しながら下っていく。登山口で下山届をポストに入れて駐車場へ帰る。
コースタイム
坊ガツル(8:45)~(10:04)雨ヶ池~(11:15)長者原
駐車場で帰り支度をしていると「吉岡さん」と声をかけられる。「誰?」と思っていたら「達です、佐々木です」 誰かに会うだろうと思っていたら元会員の息子夫婦だった。彼らも坊ガツルの炊事棟近くでテント泊をしたそうで、昨夜は我々の隣のテントだった。帰りは「釜の口温泉」で入浴。ここはちょっと分かりにくいところにあり、また24時間営業で夜間(18時以降)は無人だが備え付けの箱に200円投入すれば利用可能だそうだ。名越と来たときもこの温泉に入浴した。いい温泉なのでこの辺りに来たら利用したら良い。九重ICから高速道に入り、渋滞を避けるため宇部自動車道経由で廿日市には18時着でした。