No,3911 小五郎山 蛇の谷沢登りと歩き  (係)大前


武田

<月日>9月13日(日)
<参加者>名越、竹本、元広、武田
<内容>
 「初めに落ちた者が原稿を書く」と言う山岳会の通例で、この原稿を書くことになりました。そうです。最初に沢に落ちたのは、私です。
 今年初めての沢登り、大前さんが出してくださるのを待っていました。
 蛇の谷は、錦川水系の甲羅ガ谷より、一本下流の沢で、小五郎山に突き上げる沢である。F1からF17まである沢だが、ロープをつけるのは、F9までである。今回、下山では鉱山跡の見学もあるので、F5からの入渓とした。
 トップは名越さん。二日酔いのはずなのに、すいすいとロープを伸ばしていく。道路からF5に下りるところは、苔で滑りやすく、外傾しているので、一歩を踏み出す思い切りができず、ぐずぐずしてしまった。トユ状の滝の左側を登る。3mの滝を2本登るとだんだん沢靴の感覚にも慣れてきた。核心部のF8である。右のトユ状は、一見易しそうで、名越さんもすいすい登っている。後に続けと、両手両足を突っ張って登り出す。もう一段高く体を上げようとした途端、落ちてしまった。2~3m上がった所だったので、水量は腰までだったが、落ちた勢いで全身濡れてしまった。後ろにいた竹本さんたちをびっくりさせてしまった。くやしいので、再チャレンジ。竹本さんはロープをつけて登ったが、大前さん、元広さんは左のスラブに。向こう脛をいやっというほど打ってしまったが、やっぱり沢みを登るのがおもしろい。
 F9も、3mが3段の滝でトユ状の滝とスラブ、ここまでは、谷全体が一本のたきのようである。中流もV字谷の滑床に狭い滝が連続して現れる。右から沢が入っているところで昼食をとる。ここからは、沢も涸れ、岩登りといった感じで、元広さんも名越さんの後を果敢にチャレンジしていた。
 日差しを背中から受けて汗がポタポタ落ちてくる。沢が終わったところで、クマザサのブッシュにつっこむ。30分ほど藪こぎをして向峠からの登山道に出た。しかし、ウェットスーツの元広さんは、暑さは半端じゃなかったようである。
 もう一つのメインイベント、鉱山跡の見学である。急坂を20分下ると、鉱山跡である。人が立って歩けるほどの広さで奥へ30m近く続いている。入ってすぐ底が見えない縦坑もある。手彫りの鑿のあとが往時を思い出させる。岩壁についた水滴がヘッドランプの明かりに照らされてきらきら光り、宝石の様だった。「からみ」と言われる精錬した残りかすが散らばっている「寺床」なども見学することができた。案内板だけでなく、登山道の整備など大前さん方達の苦労が忍ばれる。山主の山本さんの強い願いを受けての登山道の開拓だったそうだが、その労力は半端なものではないことがわかる。
 その下にも、修験道跡地やオンドル跡など、この地が昔から山と共に栄えていたこともわかり、大切に残していきたいと思った。このルートは、人気のルートで、金山谷からの登山口にあるポストのノートには、びっしり登山者の名前や団体名が書かれてあった。
 下山後、山本さんのお宅にお礼の挨拶に伺うと、逆に新米や大根、ラムネまでごちそうになりました。でも、いちばんのごちそうは山本さんご一家の笑顔でした。本当にありがとうございました。
<コースタイム>10:10入渓―F8、11:00―昼食12:30~45―小五郎山14:30~50―鉱山跡15:10~40―金山谷登山口16:30

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