夏合宿 北鎌改め嵐のBB隊


宮重(直)

月日:8月8日~12日
参加者:赤井、徳永、島本、桑田

ババァだけのパーティもあっていいじゃない、どこ行く?北鎌!ということで、天気の良さそうな盆前の日程を勝手に組んでみると、手を挙げたのが3人。ノリの良さはピカイチだった。傍から見ているととっても危なっかしく見えたかもしれないけれど、できる範囲でできるだけのことを。そして、「中高年無理しない」を肝に銘じて練習から本番まで行程を組んだ。誰が名付けたかお気楽BB集団はグラム単位の装備計画、軽量豪勢しかも作るの簡単食糧計画により北鎌実現に近づいていた。
出発が近づき、「ハーロンが一緒に行きたいって」「え~?ご遠慮願いたい」露骨に嫌ってみたが、ハーロン(台風11号)はついてきた。

8月8日
21時前に廿日市を出発、雨の山陽道をひた走り、翌朝平湯に到着した。

8月9日
台風はまだ高知沖。出発の時点で北鎌は諦めロープとヘルメットを車に残置する。今日は横尾にテントを設営して、台風をやり過ごそう。上陸すれば速度も速くなるだろうし。
上高地を出発するも登山者は少ない、というかほとんど居ない。登山道貸切状態でこの賑やかなパーティは前進した。横尾に到着すると、避難小屋の前で警察の方が登山指導をしておられた。「どこ行きますか?」この天気で北鎌を中止したことを伝えると、ウルトラマンのポーズで、「中止ですね?」と念を押された。「はい、行きません。」ここで「せっかくですから記念写真を…」とカメラを出すメンバー、警察の方と一緒にカメラに収まり、早くもミーハーババァぶり発揮である。
今夜は嵐である。念入りに風雨対策を行い2~3人用のテントに5人が座り込んでゆっくりと時間を過ごした。台風は今晩中には通過するだろう、明日ゆっくり出発して殺生ヒュッテまで足を伸ばせば、台風一過の槍の穂先はもらったも同然。という計画だったのだが…。

8月10日
静かな夜だった。シュラフに入ったままラジオをつけてみる。台風は…まだ上陸していない。嵐の前の静けさか、それとも距離があるからか。ババ平まで前進することを決め、小雨の中、槍沢ロッジでキャンプ場の受付をすまし情報収集。台風は神戸付近におり今夜には日本海だという。ただ、後1時間で雨が降り始めるので、早くテント設営した方がよいと言う。ババ平ではそこらじゅうの石を拾ってきて2張の要塞を築いた。ありがたいことに携帯が圏内となり、ゆっくり東寄りに進んでいる台風の位置を確認。さあ、風吹け吹け、そして明日は台風一過。各テントで食事を済ませ、3時起きに備えた。

8月11日
まだ強風圏内にぎりぎりかかっている。予定より少し遅めの出発にし、それでも天狗原分岐に着く頃には風も雨も収まるはず。明るい空を妄想しながら雨の中撤収、3時間後には天気も回復するさ~と意気揚々と出発した。そのうち雨もやむはず、止むはず。最後の水場で2ℓ補充し、槍の肩を目指した。
雨は止まなかった。殺生ヒュッテに到着したが休憩している間に身体が冷えてしまった。稜線までの30分は身体が暖まるどころか、足は重たくなりペースが上がらず、槍の肩に到着した時には身体は冷え切ってしまっていた。過酷な設営をどうにかすませ、テントに入り込む。中に入っただけで地獄と極楽の差があった。ただ、この強風が続いていたのではテントを置いて行くことになり、今日の穂先は諦めるしかない。
熱帯低気圧に変わった台風11号は少し速度をあげたものの、まだ日本海に居座りしかも前線を引いていた。「明日も雨が降りそう…。」午後、一旦雨は止んだが、深い霧。また、風はおさまらず、一晩中テントを揺らしていた。

8月12日
霧と風で御来光どころではない。雨に濡れた梯子をこの濡れた装備で上り下りすること、また体調不良者2名となっている。ここまで来たが穂先はお預けを決めた。こんな酷な決定にも「わかりやした~、また来ましょう。」と明るいメンバーは穂先をバックにトイレの前での記念撮影で納得してくれた。
下っても下っても雨は降り続く。カッパを脱ぐことなく歩き最後は長い林道、新穂高温泉に到着、今回の行程を終了した。

コースタイム
8/820:45廿日市出発
8/96:30平湯8:00上高地~8:55明神~9:50徳沢~10:50横尾
8/1010:05横尾~11:25槍沢ロッジ11:35~12:05ババ平
8/115:50ババ平~6:10大曲~7:05天狗原分岐~7:35水場~8:50殺生ヒュッテ9:00~9:40槍ヶ岳山荘
8/126:00槍ヶ岳山荘~8:00槍平~10:10白出~11:30新穂高温泉

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