2021年3月14(日) 係:松林
参加者:吉村、上田、西村
<行動記録>
係の雪山復帰2戦目で、5年前に歩いた文殊尾根~槍ヶ峰のコースを登ることにした。閉鎖された奥大山スキー場の駐車場より、冬期ゲートを回り込んで出発する。環状道路は除雪されておりアスファルトを歩けるが、所々で融け出した水が凍っていてツルツル滑る。
健康の森入口からビーコンチェックをして入山する。3週前の2月18日以来、纏まった雪は降っておらず、また2日前から前日昼にかけては雨だったが、雪は予想以上に残っており、固められたトレースを進む。鳥越峠への道との分かれ目より傾斜が増し、足が滑るのでアイゼンを装着する。
まもなく文殊尾根に近付き、文殊越の数百メートル先で、急登を経て尾根へ乗る。尾根上でもいくらか雪が残っており、樹林帯内のブッシュを避けつつ進む。植生は徐々に灌木となり、右手が崩壊崖の箇所を過ごすと、左側もザレた斜面の細いリッジとなり、上部に黒々としたピークが見える。前日の雨がミゾレだったのか、ブッシュから落ちた小さな氷が雪面をシャラシャラと滑り落ちる音が聞こえる。
細いリッジから10分程先より、尾根直登ではガレ場となるため、途中で左手のルンゼに入ってブッシュを分けながら登ると、まもなく主稜線の登山道に合流する。右手下のキリン峰側は、雪も付いているため登山道がはっきりとは分からないが、尾根周りの侵食が進んでおり、無雪期の縦走が出来るのかは定かではない。
小休憩のち再出発するが、すぐに尾根上の大きな落差で回り込みに10分強を要する。天気予報では晴れだったがいつの間にかガスがかかり、ひんやりとした空気に包まれる。岩峰を左手から回り込む箇所では、登山道から少し外れたため、かなりの急登を強いられた。巻きの後の鞍部より少し進むと目的のピークに着く。
ピークには「三ノ峰1692m」と書いてある木製の標が鎖に付けられており、ここが槍ヶ峰ではないことが判明。槍ヶ峰は前述の岩峰らしい。証拠写真を撮って槍ヶ峰の回り込み先まで往復し、三ノ沢を下降する。
最初はトレースを辿っていたが、途中よりコース取りを自由に変えて下る。1人、2人と登山者とすれ違い、高度を下げて行く。傾斜が緩くなったところで後ろを振り返ると、モノクロの岩稜と雪が、人を寄せ付けない異国の山岳地帯のように見えた。堰堤の連続地帯を右岸沿いに進み、環状道路へと出る。健康の森入口から西側は除雪が進んでおらず、わずかなアスファルト部を歩いたり、ズブズブ雪を踏みしめながら登山口へと戻った。
<コースタイム>
7:00 旧奥大山スキー場P → 7:20 健康の森登山口 → 8:30 文殊越上部 → 10:25 主稜線に合流 → 11:35 槍ヶ峰 → 13:55 環状道路三ノ沢口 → 14:40奥大山スキー場P
(文:松林)