5月2日夜~6日
参加者:吉村、横山、野田
<行動記録>
吉村さんと二人で参加者を募集したところ、「休みが取れるか分かりません」と言って辞退していた野田君が、「とにかく参加表明しなければ、休みの調整をしようと思わんじゃろ?」と横山さんに言われたようで、参加することになった。その横山さんも、うまいこと休日調整されて参加となった。やっぱり歩き主体の山行なら人数が多いほうが面白い。
【5月2日】
13時半頃広島出発。野田君は実家の岐阜へひと足先に里帰りしている。15時過ぎに新見の神郷PAで係が合流する。順調に吹田ICを通過して、草津PAで給油する。さて本線に出るとき「名神」と「新名神」に二分岐しており、思わず「新名神」に入り込んでしまった。これは名古屋へ真っ直ぐ向かうようなので、すぐに信楽ICでUターンした。20時半に野田君待つ長良川SAに到着。鵜飼の小船をあしらった東屋があったので、ここで泊まることにした。
【5月3日】
6時起床。朝食をとって走り出す。東海北陸道の飛騨清見ICから高山に行く予定だったが、途中の美並ICより先がピタッと渋滞しているので、美並ICで降りて一般道を行く。広島からここまで、深夜4割引で6,550円、前夜発のメリットだ。郡上八幡から「せせらぎ街道」を通って高山、そして平湯温泉の駐車場へ向かう。一泊500円の駐車場からバスで上高地へ。雪のない道を明神、徳沢、そして横尾に向かってハイペースで歩く。野田君も吉村さんも長身でトライアスリートでもあるため速い。吉村さんは先々週の宮古島大会で9時間32分、1300人中93位の好成績だったそうだ。それに付いて行ったら靴擦れしてしまった。横尾に早い時間に到着したが、雪の状態が良く落石の少ない明朝に三のガリーを登るため、今日は横尾で幕営する。テントを張り、三のガリー取付を偵察し、吉村家特製カツたっぷりのカツ丼を食べて就寝。
【5月4日】
3時起床、4時20分出発。三のガリーは思ったより傾斜がなく、稜線のコルも案外近い。平地では遅れ気味だった横山さんが先頭に立ち、今度は野田君が遅れ気味になる。横山さんいわく「平地ではコンバスの違い」が出るそうだ。1時間で横尾尾根の稜上にでる。朝日を浴びる屏風岩がきれいだ。ここからP4までは木登りとなるが、案外すっきりと登れる。
P4以降はなだらかになり、各所にテン場跡があった。太陽が威力を増してきて、真夏のようにジリジリと焼かれる。時折涼しい風に吹かれながら、なだらかな尾根をどんどん歩くと、唯一の核心部「横尾の歯」に着く。2パーティほどが順番を待っている。我々も30分ほど順番を待つ。メンバー次第ではロープは必要なさそうだが、中間二人がタイブロック等で通過する方式で2ピッチ登る。
再び尾根はなだらかになり、小ピークを越えると天狗のコルに出る。計画では幕営予定だったが、まだ12時なので主稜線へ抜けることにする。最後の登りは長いように見えたが1時間で抜けた。主稜線から信州側へ大雪庇が張り出していたが、横尾尾根接続部に雪庇はなかった。
今日は中岳と大喰岳の鞍部まで進んで幕営とする。3000mくらいの高さを歩くと、初日は少し息苦しさを感じるが、今回もテン場設営をしていると頭がクラクラした。笠ヶ岳方面を見るとガスが湧き、天候の下り坂を感じる。テントに入ると横山さんがハイスピードで水を作り、野田君が天気図を取る。今晩は麻婆春雨と五目御飯を食べて就寝する。
【5月5日】
3時起床、4時40分出発。ガスで真っ白の中、すぐに槍ヶ岳に到着する。晴れれば数時間待ちの槍ヶ岳山頂も、雨降る今は人っ子一人いないようだ。空身で山頂へ登り、記念撮影する。何も見えなくとも野田君にとって初めての槍ヶ岳山頂だ。肩の小屋に戻り、荷物をまとめて飛騨沢を下り始めるとガスが切れる。雲の高度より下がったようで遠くまで見通せるようになった。槍平からは夏道でなく谷筋にトレースがあったのでそれを行くが、足元から轟々と水流が唸るので恐ろしい。各沢からは累々とデブリが押出されている。白出沢付近で夏道に戻り、あとは林道を歩いて新穂高温泉へ下った。
平湯温泉の車を取りに行く阿弥陀くじを実施し、係がくじを引いて一人バスに乗る。往復1時間半で再び新穂高温泉。中崎山荘で温泉に入ろうとしたら建物が消えていた。しかたなく平湯温泉に移動し、合掌造りの「民浴館」なる民族資料館内の温泉に入ることにした。小屋で服を脱ぎ、さぁ風呂と戸を開けるといきなり露天風呂。洗い場もなく露天風呂だけがそこにある。風呂の周囲に80cm程度の幅があり、そこに石鹸が置いてあるので雨に濡れながら寒い思いをして体を洗う。かつてないタイプの温泉だ。しかし鉄の香りの湯は良いようで、疲れが癒える。
高山経由で東海北陸道に乗り、帰りもETC深夜割引を使うため「関SA」で泊まった。翌朝も渋滞することなく昼前に新見で係が下車、皆さんも無事広島へ着かれた。今回、野田君の参加がなければ合宿というより個人山行になりそうだったが、よくぞ参加してくれた。基礎体力はピカイチなので、どんどん経験を積んでステップアップしてもらいたい。テント内でもよく気が付き、テキパキと動く姿に頼もしさを感じた。彼と係は同級生で、生まれた日も4日しか違わない。またこれからも色々な山に出かけよう。