9月1~2日 参加者:(係)含め7人
(さて、これから出てくるリングネームがすべてわかる人はかなりのHAC通だよ。)
前夜広島発は3人。現地東屋で黒い小人がかっぱ尚子を伴って合流、早速宴会が始まる。今晩は持ち寄りの酒の肴だが、最後はラムの焼肉、食べ切れね~と思っていてもなくなっている。こんな時はまわりに若い元気な者がいるってことでしょうね。
翌日。ながの村のトイレをお借りしてから戻ってこようと出発したところ、朝発のドラゴン号と合流することができた。全員揃って朝の準備をすませ出発する。
帝釈峡と呼ばれているが、エリアは下帝釈峡に点在している。川底へ下りる遊歩道を下り、河を渡渉したところに正面壁というエリアがある。短いルートだが初心者から中級者まで楽しめる。河原にあるので涼しい水の音を聞きながら石ころの上で爽やかな休憩時間が楽しめる。難点はその強い日差しであろうが、午前中はここでアップすることにする。まずは、初帝釈の3人にトップロープで前傾壁を体験してもらう。出だしがすこ~しかぶっている。ガバを拾っていくのだが、クネッ、クネッと身体を使わないと届かない。ガリーさん、力強くホールドに手を伸ばすが、その体勢ではむつかしいかも。ウルトラマン、リーチで一歩進んだと思ったがそこで足がすべる。そう今日は初石灰岩だね、窓が山の花崗岩とちがってなんだか冷やくてすべすべって感じでしょ。こんな傾斜になると身体を突っ張り、蹴るように足を置かないと滑っちゃうんだね。さて蒼い爪、そこ右足、そこ左足、と指示を出すとなんだか前傾壁ののぼりに見えるよ。しかし保持力はやはり普通の女の子、なかなか上へ行けない。そうこうしている間に隣の5.10Cのルートに挑戦する黒小人、ドラゴン、係。短いが、ちょっとホールドがわかりにくい。そして出だしがあれっと思うほど悪い(チビには)。こちらは3人とも一度墜とされた後、揃ってクリア。と、きりのいいところで場所替えにするが、お昼を食べてからにしよう。何度も言うが河原は気持ちいい。川で冷やされたトマトやぶどうが配給されて、お腹も気分もいい感じ。
落ち着いたところで移動である。あぶなっかしい渡渉をクリアして移動距離100M弱で木陰の一の壁へ。ここはルートスケールもやや長く、☆ルートが揃っている。黒小人、ドラゴンにはムササビ5.11aをオススメする。やや傾斜のきつい下部をポケットをつなげてこなし、中間部へ。核心の上部はかぶりとパンプに耐えながら棚に這い上がり、バランスの悪い体勢でコワイコワイと言いながら持てるホールドを探しながら終了点まで、というのが係の印象である。この日の一の壁はパリッと乾いてはおらず、状態は中の下といったところだろうか。そこを踏まえてまず黒小人がトライ、ポケットは泥が詰まった状態で小さいポッケはすべるし、大きいポッケは指先に泥がつく。そんなこんなでテンションがはいりながらも、徐々に上へ進み終了点へ。あら~お兄さん、軽く抜けちゃったじゃないの。降りてきた彼は、変化があって面白い、そして長いこのルートに大汗をかきながら満足してくれた。お次はドラゴン。赤丸急上昇中は皆さんもご存知のとおり、最近の彼女の登りには軽さとリズム感がプラスされたように思う。そのしなやかな登りで下部のヌメヌメポケット地帯をノーテンションで抜けてしまった。小人が口を開けて見守る中、(頭の中は「ボクのヌンチャクで・・・」かな?)核心部に突入、がここでフォール。とはいえ、「お見事!」である。さて、最後に係が回収に行くが、下部で足がすべり危く落ちそうになる。こんなところをよく行ったな、というのが正直な感想である。核心部ではお決まりの1テンションがはいり、今回は3人ともガックシ、というとこか。さて、トップロープ隊も3歩あがるのに苦労しながらも交代で取り付き全腕力を使い果たしたようである。でも、登れても登れなくても楽しいのが自然壁のクライミング。灼熱の広島から逃れてきて河原と木陰で一日過ごし、あ~でもないこうでもないと自分の身体を使って試してみて、何が不足しているかを考える。結果、身体は汗と泥でボロボロ、頭の中は、あ~、あの一手が・・・。でも全員が「また、来よっ。」と思った・・よね??。と一旦中締めとする。なぜかというと、ここで悲鳴がきこえたからである。
悲鳴の主は蒼い爪。河原に下りて手を洗い、岩場に戻る踏み跡を間違えて樹林帯の急斜面を数メートル滑落。いや正直、倒れている彼女を見たときには火曜サスペンス劇場のテーマ曲が頭を巡った。が、タンコブと擦り傷もろもろのみのようで、結局ゆっくり歩いて車まで戻った。この間、彼女のフォローや荷物の分担などの作業をみんながテキパキと動いてくれて、焦りまくった係を助けてくれた。この会は頼もしい、とまた思ってしまった。重たい荷物を背負ってくれたカッパ尚子ちゃん、心配して電話くださったO前さん、すぐに対応してくれたY山さん、そして参加のみんな、お世話になりました。ありがとうございました。