8月30日 宮重(直)、三谷、赤井親子
<行動記録>
川床から阿弥陀川を溯ると、左へ分岐する「東谷」と、阿弥陀滝を経て三鈷峰を西からまわり込む「剣谷」に分かれるが、いずれも源流はユートピアである。剣谷は残雪期、無雪期とも登山ルートとなり得るが、東谷は行き止まりなので足を踏み入れたことがなかった。ピストンは面白くないので、今回は途中から野田ヶ山へ直登する計画を立てた。
前夜19時過ぎ、それまでの晴天が嘘のような風雨と濃霧のなか、屋根とトイレを求めて豪円山の野営場へ向かった。どうにか炊事棟に転がりこみ、寒さのなか小宴を催した。鈴ちゃんは大山デビューかな?いきなり風雨でごめんね。皆眠そうだったが、久しぶりの三谷さんとは夜中まで続いてしまった。さて翌朝、空はすっきりしない。雨はひと晩中降り続いたようで、沢の様子が気になる。撤収して野営場を出ようとすると、受付の美化センターに人が見えたので、ゲリラキャンプしたことを伝えて使用料を納めた。今日が営業最終日だそうだ。
川床へ移動し、直接大休峠へ向かう赤井さん親子と分かれ、阿弥陀川の溯行にかかる。約一時間で東谷出合い。水量は東谷の方が多く、それまで藪っぽかった阿弥陀川とは打って変わって、小さめの石がゴロゴロしている河原歩きである。ゴルジュが出るかと思っていたが、どこまで行っても河原歩き、快適そのもので距離と高度を稼ぐ。この谷へは三鈷峰や親指ピークの崩落が流れ込み、絶えず土石が供給されるので、V字谷が埋まって歩きやすくなっているのだろう。今日は視界がガスで遮られているので、野田ヶ山への登り口として、東谷が南南東から南南西へ向きを変えるポイントを狙い適当な尾根に取り付いた。先ほどまでの快適さを一気に忘れる「急登、雨の大藪漕ぎ大会」が始まった。初めのうちは楽しんでいた皆も、しだいに飽きあきして溜め息が漏れ始めた頃、野田ヶ山の縦走路へ飛び出した。おそらく初トレース、とてもルートとは呼べない尾根だった。
12時をまわったので、大休峠の赤井さんと連絡をとる。鈴ちゃんがずぶ濡れになったので、一足先に下山を始めるとの事。我々も大休峠へ向け下降するが、登山道の荒廃がひどく、意外に時間がかかる。大休峠から川床までの道は、さすが大山古道、快適そのものだった。途中で石の階段や石組みの方法を宮重さんに説明しながら、赤井さんを追いかけるが、ついに川床まで追いつかなかった。雨は一日あがらなかったが、計画通りの山行成果とあふれるマイナスイオンで、心身ともに満足した。
ところで翌日出社すると、「神庭君、肌が艶々だけど、何かした?ものすごく血色が良いよ。」と言われた。うーん、大山って素晴らしい。
<コースタイム>
8:35川床→9:35東谷出合→10:20二俣→11:04谷の屈曲点→12:15野田ヶ山→13:30大休峠13:50→15:00川床