月日 2008年5月3日~5日
<参加者> 多賀谷(重)、中島、沖本
<行動記録>
【5月3日(土)】
広島からも鹿屋からも渋滞に巻き込まれたが、携帯を持っていない中島さん
と長者原で合流することができ、ほっとした。晴天の九重連山を眺めながら、共同装備をふりわける。合流が予定時刻より遅れたので、三俣山だけをピストンすることとして、出発する。自然観察路を抜け、雨ヶ池を目指す。日差しは強いのだが、木立の中の山道は気持ちよく、おしゃべりをしながら、のんびり歩を進める。三俣山には雨ヶ池越を少し過ぎた古い標識の所から尾根に取り付いた。あまり使われていない道らしく、最初は少し藪こぎ気味だったが、田部さんシリーズで鍛えている多賀谷さんが先頭をきって、道を探していく。三俣山は、今回の山行の間、いつも見えていたすぐにそれとわかる美しい山で、名前の通り、大きく三またに隆起した山容である。登山道を登っていくと、古い火口跡の縁に出る。そこに「南峰、北峰」の標識があり、時間的にも遅いので右の道を選んで、北峰だけ登った。火山灰と礫に足を取られながら、すべり下った。しかし、秘密特訓した沖本さんは一度も転ばずに下ることができ、転んだのは私一人だった。
坊ガツルキャンプ場は、三俣・中岳・大船・平治に抱かれた、とても広く、気持ちのいいキャンプ場である。水場・トイレが整備されているにもかかわらず、テン場代はタダというのがとても魅力的で、80周年の記念山行はここにしようと、勝手に話が盛り上がってしまった。長者原から2時間で入ることができ、九重山群の中心でもあるので、いろいろなコースが組め、法華院温泉まであるのだ。
にぎやかだったキャンプ場も9時には、静かになり、きらめく星と法華院温泉の明かりが幻想的だった。
<コースタイム>
長者原14:35―雨ヶ池16:25―三俣北峰17:10―坊ガツル18:00
【5月4日(日)】
今日は、平治岳、黒岳、大船山の3山を巡る。平治岳の登山口には、1人1石運動の看板と積み上げられた石がある。雨で登山道が削られていくのを防ぐためなのだろう。各自、大きな石をザックに入れて登り始める。アセビの花が満開で、小鳥の鳴き声が楽しい。大戸越は平治岳と大船山の鞍部にあり、ここから、登り・下りの道が分かれているほど、ミヤマキリシマの時期には混み合うのだろう。しかし、今は気の早いのが、1株、蕾をつけているだけである。南のコルから山頂まではミヤマキリシマの大群落。近景に平治岳のミヤマキリシマをいれた大船山を望む写真が多いのもうなずける。
大船山の北の裾野をトラバースして風穴を目指す。風穴は、昔、蚕種の貯蔵庫として、使われていたらしい。入り口は人1人がやっとの大きさだが、縄を使って2m下りると、意外と中は広く、雪が凍っている。物見高い3人はその中に入って寒さにふるえたが、霊感の強い多賀谷さんは、何かがいると絶対に入らず、のぞき込むだけだった。
ここから、黒岳に登る。東へ50分の急登とエリアマップの記載。しかし、途中から標識は「高塚」とある。黒岳の旧火口跡「みいくぼ」のいちばん西にある最高点を高塚と呼んでいるそうだ。ここには、ツクシシャクナゲの群落があるのだが、残念ながら、1本しか咲いてなかった。
だんだん気温も上がり、涼みながら、風穴の近くで昼食をとる。中島さんのザックの中から、鹿児島名物が出てくる。「かからん団子」「ふくれ菓子」
どれもシンプルでおいしい。風穴から、南へ4,5分行った所に、大船山への登り口がある。大船山の米窪に向かってほぼ直登する。直径500m、深さ200mの大きな噴火口全体がミヤマキリシマで埋め尽くされている。しかし、この米窪の北半分をまく間、中島さんのズボンは裂け、私たちは顔や腕をつつかれたり、ひっかかれたり、憎たらしく思わずにはいられないほどだ。段原から鳥居をくぐって、山頂をめざす。硫黄山からの噴煙や明日登る山々を眺め、ゆっくりお茶を飲む。でも、昨日の青く澄んだ青空ではなく、雲もわきだしてきた。
明日が誕生日の多賀谷さんを、誕生日ケーキならぬ、誕生日「あくまき」でお祝いした。これも鹿児島定番の不思議なお菓子である。
天候は崩れだし、10時頃から降り出した雨はだんだんひどくなった。一晩中雨、風、雷と荒れまくる。その中を中島さんは、フライを張り直してくださったのだ。
<コースタイム>
6:30―大戸越7:45―平治岳7:50―大戸越8:15―風穴9:25―黒岳10:35 ~10:50―風穴11:35~12:00―段原13:35―大船山13:55―段原14:10~ 14:30―坊ガツル15:30
【5月5日(月)】
4時起床、6時出発としていたが、4時時点ではいっこうに風雨が止む気配などなく、1時間ほど時間をずらすこととした。でも、天が味方してくれたのか、6時には、風はまだまだ強いが、雨が止んだのである。風にテントを持って行かれないように気をつけて撤収し、出発する。法華院温泉は立て替えられ、立派になっている。法華院のキャンプ場から南西に急登する。一晩中の雨で山道はぬかるみ、すべりやすい。高度を上げるにつれて、ガスの中に入っていく。稲星と中岳の鞍部に出たとたん、猛烈な風。ここから久住分かれまでずうっと吹き付ける風に翻弄される。
稲星山まで、ピストンし、中岳、天狗ヶ城、久住山とガスの中を行く。それまで1人しか会わなかったのに、久住山の頂上には悪天にもかかわらず、たくさんの登山者がいた。快晴であれば、九州の山々のほとんどを展望できる、立派な雄姿の久住山だからであろう。
久住分かれから北千里浜まで下る。雨も降り出し、火山灰の下り坂は最悪の状態だ。どこを歩いても転びそうになる。北千里浜もガスの中。すがもり越から少し下った所で、沖本さんが足をすべらせて、くじいてしまった。湿布とテーピングで固定し、ゆっくり下りてもらう。しかし、もっとすべったのが、坊原。硫黄山へ通じる作業道から長者原への近道になるのだが、この天候では、どちらが早かったのかわからないほど、山道のコンディションが悪かった。雨が止み、空が明るくなった頃、長者原に着き、山行を終える。
<コースタイム>
6:30―稲星山と中岳の鞍部7:55―稲星山8:10―中岳8:35―久住山9:25 ~9:45―久住分かれ9:50―すがもり越10:45―長者原12:15
槇有恒ゆかりの牧ノ戸温泉で疲れを癒し、レストランやまなみで地元料理を
舌鼓を打ち、九重山行をしめくくりました。
新人の方で、5月の信州、サマコレに行かれない人にと思い、山行を計画しました。沖本さん一人だけでしたが、久しぶりに中島さんにお会いでき、楽しい山行となったと思います。