月日:3月26日(土)~3月27日(日)
参加者:吉村、横山、川本
<行動記録>
暖かい日が続き雪はあまり期待できないが、雪山シーズン最後となる大山に向かう。
大山の南の面にある一ノ沢の右岸に尾根が走っている。今回は、いわゆる一ノ沢右岸稜を登ることにした。係を含めてみんな初めてのトレースである。
今回も黒坂にある鵜の池公園に泊まる。
朝4時に気象して、朝食にうどんを食べて出発する。荷物を片付けていると「ザーッ」と雨が降り出す。予報より早い降り始めに戸惑う。
明け方、桝水に到着。道路上に雪はないが、環状道路のゲートは閉じられていた。駐車場には準備を進める登山パーティーがおられる。駐車場に車を止めて、一ノ沢の出合に向かって歩く。
1時間弱で一ノ沢に到着。一ノ沢につけられた治山道路に入る。陰には雪が残っているが、周辺には雪がなく乾いた道路を登っていく。
ドームが見えるようになると、一ノ沢と稜線が一望できる場所に到着する。林道は沢を横切ってさらに続いているが、右岸の尾根に上がれそうなので、ガレに取り付く。わずかだが踏み跡が見られる。
一ノ沢側は植生がまばらで崩壊が進んでいる。そのため、かなり高い位置まで流出防止の柵やネットが張られている。おそらくこれらを補修するためにつけられた道路だろう。大山の崩壊は宿命であるが、少しでも土砂の流出を防止しようとする取り組みと考えられる。
尾根に上がると、しっかりとした踏み跡があり、枝打ちやテープのマーキングが施してある。大藪漕ぎを期待していたが、少し拍子抜けである。登山目的かどうかわからないが、古くから歩かれているようである。尾根に上がったところで突然牡丹雪が激しく降り出した。慌ててカッパを着込む。雲に覆われているが、この雪も一時的なものでまだ大きな崩れはない。冬型の名残で寒気が流れ込んできているのだろう。
沢筋には雪が残っているが尾根上はまったく雪がない。沢筋は麓まで雪がつながっており、スキーの滑降にはちょうど良さそうである。
左に見える草地にはイワカガミの群落があり、夏は高山植物の宝庫になるに違いない。一ノ沢側の荒々しい山容と対比して趣のあるルートではあるが、脆弱な植生を考えると登山者が増えるのは望ましくない。雪崩に気をつければ、手頃な雪稜のルートにもなると思う。
ドームを過ぎ頂上台地に出ると、目の前に頂上小屋が現れる。天気を考慮してか、登山者は少なめである。
木道にはすでに雪がなく、アイゼンで踏まれて穴だらけ。北斜面はまだ雪が残っており、尾根ルートはまだ登れそうだ。凍った雪にシャーベット状の雪がついてやっかいである。ズルズルと滑りながら阿弥陀堂の分岐まで出てきた。
横手道に据えてあるお地蔵さんの数を数えながら桝水スキー場の上に出てきた。すでに雪のないスロープを下って駐車場に到着。なかなかのどかでおもしろい山行だった。次は雪のあるときに登ってみたい。