2021年1月30日(土)~31日(日)
参加者:吉村、西村、堀田
一度は行ってみたいと思っていた大山の弥山尾根西稜に初挑戦。初めての大山北壁に緊張しっぱなしであったが、天候・コンディションも良くなんとか山頂まで登攀できた。
<行動記録>
(1月30日)
土曜日に元谷まで入る予定としたが、係の日曜夜勤の日程が別日となり、急いで広島へ帰る必要性もなくなった。土曜日は風も強いので計画を変更し、停滞訓練として大山山麓の散策をガンバッタ。日曜日に軽量化しての登攀に備える。
(1月31日)
6:40薄明りの中、仁王茶屋駐車場を出発車。装備を軽量化でき久々に嬉しい。7:20大神山神社で安全登山をお祈りし、7:50元谷に到着。西稜のほか東陵、別山にも既に数パーティが取付いている。年末以降、休日になると天候が崩れていただけに今週は誰しもが楽しみにしてたのだろう。
8:40西稜取付き目前、周囲はガスがかかり取付き場所が不明瞭。取付きでは作業スペースがないかもしれないので手前の平坦な場所で装備を整える。
9:00西稜取付きに到着、2パーティが順番待ちをしている。聞いてみると7:30から一時間半も待っているそうだ。取付きの周囲はガスがかかっており周辺が良く見えないが、今後も来ることを考えて地形を記憶することに努力した。後続からは更に4パーティほどやって来た。
9:40先行パーティも上がったので吉村、堀田パーティから登攀開始。1P目は吉村さん、つるべで行くとのこと。「鶴瓶に乾杯」と言い残して登って行った。
10:00堀田さんも上がったので上田、西村パーティも登攀開始。西村さんが鶴瓶に乾杯しないので、こちらのパーティはトップを上田、セカンドを西村という体制で臨んだ。
1ピッチ目の支点確保は40mほど登ったところの平坦な場所で行った。先行パーティが見えるので、概ね支点確保のポイントは想像できた。西村さんを引き上げていると、取付きから左側を巻いて登っていたパーティと合流した。しばらく平行して登るようになりそう。
10:40、2ピッチ目の最初は少し急で足場が悪かったが雪面から出た枝を利用しながら進んで行く。3パーティが団子になっているのでロープが2本から3本平行になっている。適当な樹木で支点を取りピッチを切る。
11:20、3ピッチ目はあまり覚えていないが、少し傾斜が緩んできたような記憶がかすかにある。コンテで登るパーティに先に行ってもらう。
12:10、4ピッチ目は雪稜登攀となり、雪面から小枝はあまり出ていない。先行パーティが支点と取ったと思われる小枝の場所まで50mロープいっぱいに登る。
が、何故かロープが重く同じ場所まで到達しない。耳を良くすますと「ロープいっぱい」と叫んでいる。
「うそやろ」と不思議に思っている係の脳裏に元廣さんの姿が浮かんだ。
あ・・・、三段峡沢登りで元廣さんを救出する時にロープ切ったわ・・・。
枝まで届かないので4ピッチ目はデッドマンでセルフを取り、スタンディングアックスビレイで確保した。右を見れば青空と別山が最高。
12:30、5ピッチ目。高度感も出でてきて快適な雪稜登攀となる。そしてロープが短いためか支点場所も他パーティとだんだんズレていき雪稜貸し切り状態を楽しんだ。
13:00、6ピッチ目以降、おそらく9ピッチ目までロープを出し、雄大な自然をバックに素晴らしい尾根を登る。少し寒くなったのか、カラビナのスクリューが回りにくくなり、また鉄部がピタピタと手袋にくっつくようになってきた。
14:40、弥山山頂、夏山登山道にいる人たちの姿が見えだした。ここからはコンテに切り替えて歩いて行く。山頂付近では吉村さんが手を振っている。
15:20、三角点の少し山頂小屋寄りに出て、登攀終了となる。すぐ左には東稜を登攀してきた人たちもいる。ここで西稜と東稜が重なることが分かった。
時間も遅くなってしまった。今日は景色が良いので名残惜しいが、まだ広島まで戻らないといけないので夏山登山道をそそくさと下る。
「そういや、記念撮影したんか?」「いや、しとらん、このへんで北壁をバックに撮ろう」「あ、失敗した」「ま、ええか」
個人的に3年前から登ってみたいと計画していた弥山尾根西稜、やっと登れました。バックアップして頂いた吉村さん、西村さんに感謝します。
<コースタイム>
(1月31日)
6:40 仁王茶屋駐車場発 → 7:20 大神山神社→ 7:50元谷 → 9:00弥山尾根西稜取付 → 10:00 登攀開始 → 15:20弥山山頂 → 17:30 (夏山登山道経由)仁王茶屋駐車場