2020年9月21日(祝・月)
参加者:西村、カチこ
西村の友人カチこさんの計画により、女2人でプチ冒険に行ってきた。西村のレベルを考え当初は沢中1泊で計画していたのだが、私の「ちょっと挑戦してみたい」「カチことなら」「なんか案外行ける気がする」という勝手な思いに、カチこさんが計画を1日で突破へ練り直してくれました。相当な気苦労があったと思うので、先にカチこさんにお礼を申し上げたい。
<行動記録>
9月20日16:00、柳井港を出発。2人で愛媛までフェリーで行く、お得な「フェリー券」というものを利用。夕日を見ながらワクワクが止まらなかった。
18:40、三津浜港着。松山市内のスーパーで買い物し、21:00渓泉亭・面河茶屋の駐車場に張ったテント内で明日からの冒険に乾杯。
9月21日6:15、ちょっと寝坊したが支度を整え出発。寝坊したので、早歩きで進む。ウエットスーツ(上だけ)着ているので、相当暑く息苦しい。が、とにかく急ぐ。進行方向右下にある面河川の美しさがたまらない、本当に美しい。6:30、面河登山口前通過。
橋を渡り、進行方向左下もさらに美しい面河川が続く。さらに、急ぐ。7:00、林道終点。ここから入渓、目の前の面河川、素晴らしく美しい。
入渓はしたがこれから先のことを考えると、遊んではいられないようだ。大きなナメ滝や金作谷を越えて行くと、7:30ひとつ目の堰堤が現れる。先に行くカチこが楽しそうに呼んでいるので行ってみると、「堰堤のくせにブチ綺麗!」な光景に興奮が高まる。なんじゃ、この堰堤。
堰堤は高巻き、7:35沢に戻る。そこからは淵や小滝がありもう我慢できずに浸かりに行く。冷たいけど、気持ちいい~。とにかく全てが美しい。8:00、そしてまた現れた第2の堰堤。また、なんなんこれ!「堰堤のくせにブチ綺麗!」。
もうかなりの満足感。まだこの冒険の序盤なのに…。
8:10、少し行くと番匠谷の分岐。番匠谷も楽しい沢らしいが、ちょっと前の台風の影響により倒木が多く面白くないだろうとのこと。今回は行かないので、左へ進む。水質も素晴らしいが、この岩質とのコラボにニヤニヤしてしまう。
そして、ついに現れました。下調べの時からどうしても見たかった風景。しばらくこのキラキラしたゴルジュにうっとり。
目に焼き付けたところで、進む。カチこさんは泳ぎたくないのでへつることに。西村には難しすぎるへつりなので、泳ぐ。冷たい!が気持いい。ここからしばらくゴルジュ帯が続き、バシャバシャと進む。
川床いっぱいのナメは日影が差し込み温かい。小滝や淵を越え、犬吠谷分岐を過ぎ、9:10「魚止メ滝」に到着。迫力のある滝と透き通った淵。ここでカチこさん、この滝を登りたそうである。左側から行けば、なんとかなるかも…と。今回の旅では、カチこさんの登りたいところ、できる範囲で付いて行くつもりだけど…うぅっ…。が、まだ下山まで考えると相当時間がかかるとのことで、高巻く。(西村はホッとしたが、カチこさんはあとで後悔していた(笑))
沢に戻り、小滝や淵が続いていくと、どんどん岩も大きくなり、斜度も上がってきた。ここからは水遊びも終盤となるので泳げるところは泳ぎ、登れそうな滝は登り、面河渓を全身で楽しむ。
10:30、いきなり出てきた大きな滝。偵察にいくカチこさん。ヌルヌルなので笑いながら戻ってきた。大きな岩の間を巻いて上がると、既にラスボス感を感じられる新たな滝の上部がチラリと見える。早く見たいので、必死に岩を乗り越える。近づいていくたびに声が漏れる「おぉ~」。10:50、「御来光の滝」。デカい!カッコいい!またすぐに偵察に行くカチこさん(笑)さすがに登りません。
これで面河本流は終わり。
美しい本流とお別れするのは悲しいが、先はまだ長いので進む。高巻きの道は、最初は分かりにくかったが、途中からはしっかりしている。流石に落差87mの滝を高巻くだけあり、30分もかかった。
沢に戻り、水を確保して、少し休憩をとる西村。カチこさんは、中沢の取付きを探し歩き回っている。あの人がエネルギー切れになることはあるのだろうか…。
11:40、中沢の取付き。ゴーロを越えていくと、スラブの壁が続き、登れそうなものは登るスタイルということなので、付いていく。途中で西村はあることに気づく。もしかして…この沢登りというか岩登りって…西村のレベルでは厳しいんじゃねーか?と。「なんか案外行ける気がする」という浅はかな思いで、調子に乗って付いてきてしまった感じ(笑)。しかし、引き返すことも出来ないので、行くしかない。
ここからは、西村の記憶はあまりない。とにかく必死に登った。怖かった。それでも危ないところはしっかりロープやスリングを出してくれたので、思い切って登ることができた。ベソはかいたが。
14:10、恐怖の岩登りを終え、小休憩。上部に見える稜線の鞍部と下部に見える沢すじの光景に放心状態だが、またもやうっとり。14:20、笹の藪漕ぎ開始。笹の背も低く、手で持ちやすいし、踏み跡も沢山あるので自由に登れる。14:40、思っていたよりも楽に鞍部にたどり着いた。
10年弱くらい前に石鎚山を一般的なルートから登り、何の気なしに渡った天狗岳が非常に恐ろしかった覚えがある西村。ここまで乗り越えてきても、まだひとりだけ気が気でなかった。
南尖峰の取付きは、ちょっと苦手だったが、稜線に上がると今までの苦悩が吹っ飛ぶくらいの雲海と雲の滝。これよ、これ。友達みんなに見せてあげれたらな~と思いながら、目の前の景色を堪能する。ほんと、贅沢な景色。
が、なんとなくこれからの雲行きが心配となり、先を進む。そして、西村が気にしていた天狗岳までたどり着いた。
天狗岳の山頂に上がると、気づく。わたしらだけ、ウエットスーツに周りとは違う装備(笑)。天狗岳山頂で記念撮影をしようとするが、若者たちが並んでいるので、断念し、先へ進む。
カチこさんに「どこが怖かったん?どこ?今まで登ってきた方がよっぽど怖かったはずよ!」と後ろから嗾けられながら淡々と進んで行くが、そのとおり西村は過去に怖かった場所が分からなかった。明らかに前に見た景色とは違っている。歩く場所が全体的に広くなっていて、ヒヤヒヤする箇所は全くなかったのだ。整備されたのか、成長したのか・・・?(笑)
そんなこんなで、鎖場を越えるとやっとのことで到着。15:15、石鎚山山頂、長かったぁ~。明らかに周囲とは異なる格好で、ジロジロ見られて恥ずかしいので、チャっと人を捕まえ、感無量で記念写真を撮影して、さっさと沢装備を解除する。山頂小屋限定「石鎚山Tシャツ」の購入を考えていたのにお財布を忘れて悔しそうなカチこさんのため、小屋に確認してみたがやはりPayPayは使えなかった。さ、これからまだ長い下山です(笑)。
16:05、ちょっと分岐を見つけるのに時間をロスしてしまったが、面河登山道へ。しばらくすると、山頂から見えていた笹藪の登山道に出る。途中、何箇所か崩れていたが、歩きやすい登山道。黙々と進む。
17:10、愛大石鎚小屋。今日は愛大生の合宿が行われているようだ。「ちょっと休憩させてくださ~い」に「どうぞ、どうぞ。コーヒー飲む?」と、なんと美味しいコーヒーを御馳走になった。疲れた身体に染みわたる~♪しばらく、先生方と若者と楽しいおしゃべりをさせていただいた。素敵な出会いに感謝。心からまたお会いしたいと思う。
17:30、いつでも点灯できるようヘッドランプを首にかけ、下山開始。少し行ったところでふと石鎚山の方を見ると、必死こいて登った中沢がくっきりと見えた。「え~!あんなおっとろしいところ、うちら登ったん?」と笑いが止まらない。よ~頑張った。
途中からヘッドランプ点灯して、ず~っと下り、19:40、面河登山道入口。車まであと20分。こんな道通ったな~と思いながら歩くが、真っ暗なので綺麗な面河川の様子も分からない。なので、ヘッドランプで面河川を照らしてみた。透き通った面河川の様子が見えて「暗くてもめっちゃきれい~!」と、またはしゃいでしまう(笑)。
20:00、渓泉亭面河茶屋駐車場に到着。沢着を脱ぎ、テント設営、昨日買っておいたおでんを温め、冷たくはないビールで乾杯。お疲れさまでした~。疲れた!でも最高に楽しかった。
翌日別の沢にちょっと行こう!と話していたが、西村は食欲がなく、翌朝もほとんど食べれず胃もたれ吐き気があり…無気力だった。なので、カチこさんには申し訳ないと思いながら、甘えて午前中はのんびり、そして帰路についた。
正直に言います、バテました(笑)。おわり。