2018年8月 東北の山旅


吉岡好英

2018年8月13日~20日

参加者:亀井、新山(会員外)

6月頃、東北の山へ行こうと地図を眺めていた。10年くらい前、山岳スキーで鳥海山、月山と八甲田山へそれぞれ車で行ったが、今回はそんな元気はない。新日本海フェリーの苫小牧便が週一回、新潟、秋田に寄港する便があるので、これを利用する案で計画を立ててみる。秋田からなら一人でも無理をしなくても白神岳、岩木山、八甲田山、八幡平、岩手山などが回れそうだ。それぞれの距離は車で2時間以内。

ブータンから強制送還(脳梗塞のため)されていた亀井に話したら興味を示していた。検査結果は登山に支障はないらしい。それなら「何もしないより山に行こう」と二人での計画を練り直す。出発は8月26日からと決めていたが槍沢を計画していた新山さんが「槍沢は同行者の都合で中止になったので、東北の山に行くなら参加させて欲しい」と言ってきた。昨夏の槍沢慰霊登山も一緒に行ったし、二人より三人の方が経済的に助かると同行を認める。フェリーは敦賀港発が月曜日、秋田港発が日曜日なので、期間は8月13日から20日に変更して白神岳、十二湖散策、岩木山、八甲田山縦走、八幡平、鳥海山とする。

8月13日午前1時、廿日市を出発して敦賀へ。10時発の新日本海フェリー“らいらっく”に乗船。穏やかな航海でまったく揺れはなく、横になっていると動いているのも分からないほどだ。大型船は初めての亀井も満足していた。フェリーは佐渡島近くを走り、18時間30分の航海の後、14日午前5時30分、秋田港へ着岸。下船後、秋田市内で朝食。白神岳登山口まで約1時間30分くらいで到着。登山口駐車場には10台くらいの車が駐車しているが人影はないので出発したのだろう。支度をしていると広島ナンバーの車が隣に駐車してきた。聞いてみると何年か前まで広島に住んでいたことが有り、東京からだという。昨夜はフェリーで寝ているので、行動はまったく問題ない。駐車場にはキレイな休憩所(男女別水洗トイレ有り)がある。しばらく舗装された林道を進むと登山届提出ための小さな建物がある。白神岳担当の亀井が登山届提出。ここから登山道が始まる。ブナ林の中の登山道は整備されており、90分くらいのところに“最後の水場”がある。途中で蟶山(まてやま)に寄る。さらに登っていくと日本海(十二湖駅方面)が見えてくる。遠くの稜線に白神岳頂上と頂上手前のトイレの建物が見えてくる。この辺りから少し急登になるが、以外に早く稜線に着く。十二湖方面との分岐となっている。この稜線登山道が世界遺産との境界線。白神岳までは近い。あいにく少しガスっており広大な白神山地のブナ林、全容は見渡せなかった。

15日 十二湖に移動。曇っているが雨の心配は無さそうだ。十二湖散策と日本キャニオンを見た後、岩木山に向かう。日本海沿いの国道を鰺ヶ沢まで走り岩木山へ。津軽岩木スカイライン入り口で「8合目は雨で何も見えず、雷でリフトは止まっています。それでも良いですか?」と聞かれるが、せっかくなので1800円を支払って69回のカーブがある道路を走り8合目に。休憩所に入るが景色は見えない。リフトは動いていたが9合目以上にいる登山者や観光客のため動かしたのだろう。リフトは動いているが、この雨では頂上へ登る気にならないので、早々に酸ヶ湯に向かう。弘前城横を通り抜け、酸ヶ湯キャンプ場に着いた頃は雨は止んでいた。管理センターでテント設営の手続きをする。管理人は八甲田山岳スキーの際、お世話になったガイドであった。酸ヶ湯温泉旅館へ入浴に行く前、(雨が降る前)テントを設営しておく。テン場から温泉まで3分くらいのところだが、駐車場に着いたときは強い雨となった。テン場は広くキレイで炊事棟にはテーブルもあるが雨で濡れており座ることはできない。翌朝の管理人は代わっていたが、やはりガイドであり顔と名前を覚えてくれていた。

16日 八甲田ロープウェイの始発は9時。時間があるので八甲田遭難碑を見に行く。9時前にロープウェイ山麓駅の駐車場に車を置き、始発便で山頂公園駅のある田茂萢岳へ標高差600m、10分の空中散歩。山麓駅を出ると小雨。キャンプ場で雨具のズボンは着けてきたが上着も着る。八甲田山の担当は新山、登山届を忘れてきたので書き込んで出発。強い雨なら動かないと決めていたが、この程度なら行くことに。酸ヶ湯・毛無岱分岐に着く頃は強い雨となってきたが、大岳までの縦走は危険なところなく、迷うような場所もないので続ける。赤倉岳、井戸岳は風があったが問題なし。井戸岳を下り始めるとガスの合間に大岳避難小屋が見えてくる。避難小屋で小休止して、大岳の登り酸ヶ湯へと下る。キャンプ場に帰るとテントは風で飛ばされていた。テントを炊事棟の邪魔にならないところ?に移動して温泉に行く。

17日 今日は鳥海山・鉾立に移動。酸ヶ湯から1時間ちょっとで奥入瀬に着く。初めての亀井、新山は楽しみにいていた。水辺を散策した後、十和田湖へ。湖畔を散策して高村光太郎作の「乙女の像」へ。彼の妻“智恵子”がモデル。乙女? 発荷峠展望台から峠展望台から十和田湖を望んだ後、八幡平へ。かなりガスっているが雨の心配は無さそうだ。車を降りると寒い。八幡平散策、そんなに時間はかからないが、Tシャツだけでは寒すぎるのでポロシャツを着て、さらに雨具(上だけ)を着込んで出発。標高差50mくらいなので気軽に歩ける。八幡平頂上展望台に上がってみるが何も見えない。源太森まで足を伸ばして見返り峠から駐車場に帰る。岩手山上部はガスの中だった。散策を終え、鳥海山・鉾立に向かう。今回の最長移動距離(約220km)となる。ナビの鉾立到着は22時過ぎ。途中で登山口にある鉾立山荘に宿泊を申し込むが、あまりにも遅い到着なので断られる。由利本荘市で夕食を食べようと台湾料理“萬福”でそれぞれが定食を注文。980円なので量は少ないと思い鶏の唐揚げを追加注文。出された定食の量を見てびっくり。酢豚定食を頼んだが多めのご飯、多めの酢豚、春巻き、スープそれにラーメン。追加の唐揚げは一人前なのに、これって三人前?ととんでもない量だ。ご飯と、酢豚、春巻きなどと唐揚げ一切れは何とか食べたが、美味しそうなラーメンはほとんど手つかず。また行くことがあればラーメンだけにしよう。鉾立には意外にも早く(21時頃)着いたので鉾立山荘に行ってみる。残念ながら電話したときは何とか空けてくれたが、その後、宿泊者があり泊まれない。近くの大平山荘を教えて貰い、濡れたテントを張らずに済んだ。

18日 鉾立駐車場に駐車(無料)する。象潟登山口で登山届をポストに入れて出発。いきなりの石段。石段を終えると石畳が続く。登りはそれほどでもないが、やはり土の上が歩きやすい。賽の河原で小休止。さらに石畳は続いている。御浜小屋から少し登った鳥海湖を眼下に見ながら休憩。緩い登山道の石畳は続いている・外輪山登山道経由で七高山へ。さらに火口壁を下り新山頂上へ。晴れた山頂からは360度の展望。頂上小屋に下るとフェリーで一緒だった広島からの女性3名と再会。少し話をして下山開始。下りの石畳、登る時より長くキツク感じました。下山後、「道の駅象潟」の4Fにある温泉で、日本海に夕日が沈むのを眺めながら一週間の疲れを癒やしました。「道の駅岩城」で仮眠。

19日 秋田港へ移動して8時35分発の新日本海フェリー“らいらっく”に乗船。航海中、新潟に寄港するまで左舷側には鳥海山が見えていました。

20日 5時40分、敦賀港に到着。廿日市着は12時でした。

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