1月25日(土)~25日(日) (係)吉村
参加者:安藤、三谷、神庭、平本、保見、松林
<行動記録>
また、週末毎に荒天となるパターンにはまってきた。25日土曜日の夕方から気圧の谷が通過し雨が降る。日曜日は寒気が入り寒くなる予報だ。それでもたっぷりの雪を味わうために、大山に向かう。
25日朝8時に大町駅に集合、深川、三次と参加者が合流し、江尾にて神庭君も乗り合わせ、2台で奥大山スキー場に向かう。12時過ぎに駐車場に到着。12月21日~23日のプレ合宿ではここの駐車場が満杯で入れなかったが、今回はセーフ。共同装備を分け、パッキングをして行動開始。スキー場ゲレンデの脇を歩いて、最上部のリフトに着くと、係のお兄ちゃんが「スキー場の上部の尾根に雪庇が出ていて、絶対に落とすな。数日前も十数cmの雪で落下した」ここは、数年前に雪崩で死亡事故が起きている。
ワカンを履いて南西尾根に取り付く。気温が高いせいか、雪質はやや締まり気味で、ラッセル訓練には丁度良い。高度を上げていくと監視カメラが有り、トラロープで立ち入りにくいようにしてある。そこには雪庇が有った。
1201mのピークには、無人のイグルーが残っている。ここがなだらかでテント場に最適と思われたが、地元の神庭君が首を縦に振らない。「冬型になると大山を回り込んでくる風を避けるためにはもう少し先が良い」という意見を採用して、100m烏寄りにテン場を決めた。2張用の整地(整雪)に取りかかる。夕方から夜にかけて雨風が予想されるので、雪ブロックを切り出し防風雪壁を作っていく。最近の雪山は、スコップが個人装備になっているので(7本のスコップ)作業ははかどる。
テントに入ると、水作りながら、つまみの ししゃも、ウインナー、焼き豚、野焼き竹輪、干し鮎がフライパンで温められていく。焼きソバ、味噌汁でお腹が一杯になるころには、安藤さんは意識不明になっていた。
26日夜間、風雨が強かった。朝起きると、昨日築きあげた雪ブロック壁がみすぼらしい姿になっていた。
ハーネスを付けて、烏目指して出発。烏ケ山が近づき眺めていると頂上稜線にいつも登るルートが見えるが、南西側から尾根が頂上稜線に向かって、斜めの右上している。この尾根を登ってみることにした。この尾根に取り付くには一旦今歩いている尾根から下って、沢を横切らなければならない。沢まで半分下ってところで、神庭君がストップをかける。
沢心にはデブリが見える。雪の弱層テストを行うと、軽い衝撃で深さ55cmの面が、滑り落ちる。「ヤバイ」一人ずつ間隔をあけ、元の尾根上に登り返した。
尾根を詰めて、雪壁が始まる所でアイゼンに履き替え、ロープを出す。このころから雪が降り出し、視界も悪くなった。状況が良くないので、今日の行動予定を鳥越峠経由の縦走は諦め、頂上稜線の往復に切り替えた。
神庭君~保見君でロープを延ばし、固定する。三谷君、平本さん、安藤さん、松林君、私の順で、続いていく。支点はすべてブッシュから取る。2ピッチ目のトラバースする所では、降り続く雪がザーと落ちてきて、気持ちが悪い。3ピッチで稜線に抜ける。ホアイトアウトで、足元も分からない感覚になる。稜線から十数m降りたところの木を支点にして懸垂下降していく。2ピッチの下降で、取り付地点に戻った。
やっと休憩が取れる。降雪が激しくなる中、アイゼンをワカンに履き替え、そそくさと行動食を口に入れる。ワカンの紐が、針金のように凍りつき、締め上げられない。
さあ、駐車場まで降りよう。右からの風雪が激しくなり、目を開けていられない。昨日登ってきたトレースは消えて、新雪の下の落とし穴に何度もはまってしまう。風雪で視界の利かない樹林帯で、道を間違えて登り返したりした。何度も歩いているコースでも、冬山は安易な考えをしてはいけない。下山まで緊張感を持って行動しなければならない。スキー場の駐車場に戻ったのが17時前。大変疲れました。
今回の湿雪の着いたロープでの登攀では、タイブロックは、ツメに雪が付着して役に立たなかった。プルージックロープでは、変わりなく機能した。今後の参考にしたい。
<コースタイム>
25日 12:50 奥大山スキー場駐車場→13:34 スキー場上部→14:33 1201mピーク、テント設営、夕食
26日 05:00 起床、朝食、テント撤収→07:30 移動開始→09:32 南峰取り付き点→12:08 南峰山頂→13:57 南峰取り付き点→15:00 移動開始→15:45 1201mピーク→16:23 スキー場上部→16:41 奥大山スキー場駐車場