日程:2014年4月26日~27日
参加者:中島、宮本、(会員外)宇田
←出直し深入沢にて
<行動記録>
関東支部(自称)の今期最初の沢登りを報告いたします。奥多摩火打石谷に入るものの想定以上の残雪のため撤退し、規模を縮小して大菩薩の深入沢を遡行しました。こちらもかなりの残雪があり、沢は雪崩により荒れていました。
4月26日、宇田さんは宮本宅で、中島さんは中央線相模湖駅で合流し、山梨県丹波山村の丹波川火打石谷入口まで移動する。相模湖~上野原から峠を2~3越えていくのだが、上野原を過ぎて間もない頃、道路脇の沢斜面にかなりの残雪を発見(え~っっ!)。首都圏含む関東では2月に記録的大雪が2週連続で降り、自分の家でも車に45cmも積もった。湘南地方ではおよそ考えられない積雪だった。山梨県各地は特に積雪が多く、長く孤立地帯となった所ではあるが、今は4月末、想像もしてなかった。多少不安に思いながら現地到着。なんと丹波川本流北側に巨大な雪塊がある。でも火打石谷は南斜面にあり、そんなに残雪はないかもしれない。とにかく行ってみよう。
山道を20分ほど上り下りして火打石谷と小常木谷が出合う場所に着く。小常木谷は人気のある秀渓で、菅野さんと2008年に遡行した。その小常木谷は出合いすぐ奥で大雪渓が沢を埋めている。火打石谷に入っていくが、こちらは入口付近には残雪は見当たらない。しかしすぐに沢を埋める雪渓が出てくる。いわゆるスノーブリッジの状態であり、まるで上越や東北の沢に来ているようだ。大雪だったので源流部での雪渓歩きは想定していたが、下流部でこれほどの残雪は想定外。ダメ元と思いながら進みゴルジュ部分に差し掛かると、案の定、釜部分はスノーブリッジ、その先の滝のところで口が開いていて、スノーブリッジから壁に移るのが危険な状態。ここをどうにか突破したとしても次のゴルジュがもっと悪かったら進退極ってしまう。もはや奥多摩や奥秩父で楽しむ沢登りではない。あきらめて引き返すことにした。
駐車地に戻って代わりにどこの沢に入ろうか思案し、大菩薩の葛野川深入沢に変更することにした。大月方面に1時間ほど山道を走り、深入沢出合に着く。一昨年夏に坂口さんと遡行した小金沢本谷のすぐ下流にある。14時半再出発。深城ダム下流から急な斜面を下って深入沢に入る。ここも南向きで道路から見た感じでは残雪はないが、谷をしばらく進むとやっぱり雪渓が出てきた。しかし、火打石谷より沢のスケールが小さく、標高も低いせいか、処理・通過に困るほどのことはなかった。深入沢は多数の小滝・小さい釜が次々に出てきて、濡れてもよい時期なら釜に入って直登を楽しめそうだが、今回は濡れるのは避けたいので、多くは巻いていく。巻きは直登より悪い場合もあり、要注意である。それにしても雪崩のせいで真新しい倒木が谷を塞いでわずらわしいのと、大量の土砂が谷中に押し流されて荒れまくっている。釜がたくさんある割には沢のスケールが小さく狭いせいか泊まり場が全然ない。弱ったなと思いながら進み、17時前になってようやくどうにか泊まれそうなところを見つける。落石が転がってきそうで今いちだが、この先はまた滝があるので、ここに決定。泊まってみれば結構快適なところだった。お決まりの焚火を囲みながら夜は更けていった。
27日、出発してすぐに10m弱の滝を登り、その後昨日と同じような調子の小滝・小釜、時々雪渓に埋まった沢を進んでいく。同じような滝が続いたので記憶に残るところが思い出せない。強いて言えば昨日の最初の滝はよくえぐられていて多少は印象に残るものだった。流れが細くなったところで右の尾根に取りつき、まもなく下山用の小路に出る。下山も短く、結果的に日帰りで十分な内容の沢だった。下山途中で隣の沢を見ると、西斜面の沢筋には長大な雪渓が見える。50年、100年に一度という大雪の影響が色濃く残っていた。
今年の奥秩父奥多摩の沢登りだが、5月末の石楠花シーズンになってもおそらくはスノーブリッジが崩壊したり一層不安定となったり、もっと悪い状態になりそうである。それと雪崩による倒木や土砂押し出しでかなり荒れてしまっているので、あまり楽しめないのではないかと心配される。
<参考コースタイム;深入沢>
4/26 深城ダム駐車地出発14:30~深入沢遡行~泊り場16:50
4/27 出発7:10~下山路稜線11:30~駐車地帰着13:20