月日:5月26日(土)夜~27日(日)
参加者
5/26夜~27:大前、吉村、川﨑、平本、徳永、(入会希望・島本)
5/26夜:宮重(直)、三谷
5/27:武田、保見、兼森
26日は三倉で土クラということもあり、牛小屋ヒュッテで前夜泊とした。3月の集会で、5月末に沢開きと企画を出したところ「えー、寒いよー」とざわざわしたので、いつものように3~5名参加を見込んでいたが、ふたをあけると、前夜当日合わせて12名参加でびっくり。食事も各自一品持ちよりですます予定だったが、大所帯では収拾がつきそうにないので共同食とした。26日早朝、三倉入山前に買出し。安さと量を追求する男と、味にこだわる女の、熾烈なバトルが展開されたのであった。
直子さんのご配慮で土クラを早めに終了。牛小屋ヒュッテに入ると、先着組はすでにできあがっていた。メインのすき焼きを調理しつつ、大前さん差し入れのゴギを、川﨑さんがさばき、塩焼きに。美味かった。そうこうするうちに、三谷さんの飛び入りで、さらに盛り上がる宴会に憂慮した係は、中締めを提唱したが、見事に無視されました。夏合宿案にダメ出しを受けつつ、夜はふけていったのでした。
翌朝、牛小屋ヒュッテの修繕が必要なことを、皆で確認。ヒュッテ委員の大前さんが提案されることになった。恐羅漢を散策する直子さんと、論文執筆にいそしむ三谷さんに見送られて、沢組は出発。奥匹見峡駐車場で、当日組と合流。10名と人数が多いので、3パーティに分かれて出発。9:15、入渓。新緑の中で、沢歩きを楽しむ。天気は快晴、日中最高気温が25度位、この時期としてはベストな沢日和となった。沢初心者には靴のフリクションを確かめてもらい、滝好きには小滝を直登してもらう。1時間ほどで「小龍頭の滝」にいたる。当初、初心者が多いので、遊歩道を巻こうかと考えていたが、大前さんから「あそこを巻いたら、ただの沢歩きじゃ。初心者はわしが連れて巻くから、おまえらは登れ」ということで、歩き組と登攀組に分かれる。右岸を少し登ると、リングボルトあり、ビレイポイントとして使わせてもらう。登攀準備中に、切り立った崖の上にいるのに、セルフビレイを確保していない者がおり、思わず怒ってしまう。怒った直後に、それ以前に皆デイジーチェーンあるいはスリングをハーネスにセットしているのか? 出発前のチェックを忘れたことに気づき、反省。係リード、平本さんビレイで登攀開始。まず垂壁にハーケンあり、さてどう登ろうかと考えていると、「おーい、後ろでぎょうさん待っとるぞ。とっととアブミをかけて登らんかい!」とお叱りが。いかんいかん、フリーモードになっていた。アブミをかけて、テラスに上がり、ボルトにクリップ。ついに核心。左壁を直登して、遊歩道に上がろうと思ったが、ガバなし。何より、もしフォールしたら、リングボルトが持ちこたえてくれるか不安だ。右岸をつめて、滝の落ち口に上がり、左岸に渡るのがルートらしいが、これはあまりに怖すぎ~。しかしこちらでフォールするほうが、支点にかかる負荷は、まだましか。意を決して、右足を外傾かつ濡れた丸岩に下ろす。手はすべすべ岩にパーミング、左足をクラックにねじこみ、体全体を岩にくっつける。ムーブもへったくれもあったものではない。とかげのようにずりずりと這い上がる。ようようの態で、安全圏(落ち口の上)にいたり、「助かった」とひとりごちる。左岸の小岩を少し登り、倒木にロープを固定。後続にはフィックスで登ってもらうわけだが、核心部でフォールすると、滝の流身で宙吊りである。ある意味、リードより危険。過去に事故が起きたのも、うなずける。滝の落ち口までクライムダウン、倒木にテープスリングをセット、核心部にたらして、お助け紐とした。笛で合図して、タイブロックやブルージックで登ってもらう。落ち口で見守っていると、ロープ~ハーネス間のスリングが長すぎる人あり。「おいおい、テンションかかったら、どないするねん。留まるが、元に戻れんぞ!」思った直後に、出発前のチェック忘れに気づき、また反省。登攀組5名で2時間弱の格闘でした。いや、皆さん核心部で顔がこわばってましたね、ムフフ。
二段滝では、時間節約のために、ロープを2本出して登った。夫婦滝は、右の雌滝が易しそうだ。ところが、武田さんが「そんなに難しくないよ」と、左の雄滝をどんどん登っていく。チムニーを手足でつっぱって中間部まで登り、右岸の草付に上がると、「うーん、やばいかも。リーダーがここで判断して」と言いつつ、さっさと登ってしまった、速い。さて、草付まで上がると、支点になりそうな岩も木も見当たらない。しかも足場が、土や落ち葉でさだかでない。難しくはないと思うが、気持ちよくない。万一を考えて、悪いが後続には引き返してもらう。後で聞いたら、ここのクライムダウンがけっこう怖かったようだ。怖い思いをしたのは係も一緒で、引き返せないので、登るしかない。テンションかけたら、抜けそうな草をひっつかみ、前足で土や落ち葉を払いのけ前進。「あー、アイスバイルを持ってくりゃ、よかった」と後悔するが、もう遅い。最後の岩登りもスタンスを間違え、もう少しでお助け紐のお世話になるところでした。後続組は右の雌滝を登り、核心部では武田さんがお助け紐を出していたようだ。大龍頭の滝で、昼休憩とする。武田さんに「雄滝は悪かった」と言ったら、「あらそうかしら。昔は皆ノープロで登ってたわよ」とのこと。昔はレベルが高かったのか、命知らずが多かったのか、かないません。滝の前で記念撮影後、係は稜線までつめるつもりであったが、大前さんより「この人数で動いたら、2時間後下山は無理」と言われ、確かにと納得。今日はここまでとした。上部も、釜を持ったなかなかよい滝があるそうで、また泳げる季節に再トライしたいものです。遊歩道を下山、慰霊碑で手を合わせ、30分ほどで駐車場に。14:30解散
今回は沢初心者の参加が多く、嬉しいが、不安でもあった。より易しい沢への変更も考えたが、遊歩道がついており、安全に巻けること。大前さん、吉村さん、武田さん、ベテラン勢の参加が心強く、三ノ谷とした。結果、登攀組、歩き組、ともに沢の楽しさと厳しさを少しは体験していただけたかと思います。匹見の沢は暗くて、藪っぽいイメージがあったのですが、逆に明るく、滝もダイナミック、すっきりとした沢でした。「沢は寒い」という先入観も払拭できたかな。新緑や紅葉の沢は、盛夏にないよさがあるんです。また前夜泊で、牛小屋ヒュッテ活用のアピールもできたし。皆様、ご協力いただきありがとうございました。
登攀リーダーとしては、反省点が多々あり。思い出したのが、以前、雨の三倉の東屋でやったフィックス訓練。バックアップをとって、実際にテンションをかけてみる。アッセンダーやスリングの違い、メインロープの太さによって、効いたり、効かなかったり。また宙吊り状態から、いかに復帰するか。今考えてみると、あの訓練は有益でした。また企画しよう。
余談:なぜか、ブヨの集中攻撃をくらった平本さんは両まぶたが腫れあがってしまいました。これに懲りて、虫除けを買いまくったとか。虫を惹きつける何かがあるんかね~?
<コースタイム>(記録:川﨑)
7:45 牛小屋ヒュッテ→8:30 奥匹見峡P 9:10→9:15 入渓→10:20 小龍頭の滝 12:00→12:13 二段滝→12:40 夫婦滝→13:05 大龍頭の滝 13:40→14:15 奥匹見峡P