新人冬山合宿 大山


三谷

月日:1月9日(土)~1月11日(月)
参加者:安藤、吉村(光)、三谷、松林、松原、川本

昨年入会したばかりの新人に冬の大山を経験してもらおうと、年明けの三連休にミニ合宿を計画した。
<行動記録>
1/9 朝、この時期にしては暖かい広島を後にする。三次で松林くんと合流して、2台で大山に向かう。「雪がないのに、何しに行くん?」という声も聞こえてくるが、現地に行ってみないと分からないときもある。
根雨のマルゴーで買い出しをし、全く雪のない江府-蒜山のバイパスを走り抜け、鏡ヶ成に向かう。キャンプ場の手前でやっと路面に白い雪が見えてきた。スキー場はうっすらと雪化粧しているが、滑走できる状態ではない。豪雪地帯の鏡ヶ成でこの状態だから、他のエリアはもっと悲惨な状況だろう。
駐車場で準備を終えて環状道路のゲートに向かう。ゲートのところでビーコンチェック。例年だと1時間以上のラッセルを強いられるが、雪は足首くらいしかなく、トレースも付けられている。わずか20分程度で今日の目的地に着いてしまった。
それでも、新小屋峠の道路上にテントを張る。竹ペグを埋めるにも雪が少ないので、周りから雪を集めて埋めるしかない。
樹林帯には比較的新しいトレースがついていた。テントを張り終えたところで、順次テントに入ってもらい、荷物の整理、そして、水作りを始める。コッヘルに雪を投入して溶かし、できた水をボトルに入れる。狭いテントの不安定な環境での作業である。単純なルーチンワークだが、そのルーチンを身につけるのが大変である。続いてコッヘルで米を炊く。これもやはりルーチンワークである。その間、松林くんが天気図をとっていた。私が昔の経験を活かして、等圧線を引き仕上げる。
1/10 準備に手間取り、出発までに2時間かかった。時折雪がちらつく中、出発する。ラッセルするほど雪は積もっていないが、つぼ足だと埋まりそうなのでワカンを装着する。クラストした雪の上にわずかに新雪が積もっている。トップを川本くんに任せて、平坦な林の中を進んでいく。針葉樹と広葉樹の植生が分かれる辺りを目指して尾根に取り付く。後は、1230mのピークを目指せば良い。
何の問題もなく1230mピークに着いてしまった。ピークで風を避けながら小休止して、烏ヶ山の主稜線に向けて進む。雪が少なくブッシュが出ている。クラストした根雪があり、ワカンでは歩きにくくなった。傾斜が強いところでは、蹴り込まないとずり落ちてしまう。早めにアイゼンを着けることにする。二人ともアイゼントレーニングには参加していたが、雪の上を歩くのは、川本くんは2回目、松原さんは初めてである。
南峰直下の雪壁のところで、トップを松林くんに交代して、松原さんには吉村さんが付く。ここは、雪が多い時は急な雪壁になるが、FIXロープも出ていて、灌木を手掛かりにして登ることができた。特にロープを出す必要はなく、主稜線に出ることができた。ここからは、痩せた岩稜となる。雪が少なく岩が露出している。足下が悪いので、一歩一歩確実に歩いてもらう。時折ガスが視界を遮り風も出てきた。
南峰の頂上からいったんコルに下りて、北峰への最後の登り返しとなる。様子を見に少し登ってみたが、雪は被っているものの、登山道が出ており秋山と変わらない状態である。ここもロープを出さずに登ってもらう。
烏ヶ山本峰に無事登頂。これを冬山だと思ってはいけないが、どうにか冬山気分を味わってもらうことができた。
松林くんは、明日が仕事のため帰って行った。ご苦労様でした。
1/11 本日は、皆ヶ山に向けて縦走する予定。だが、この雪の少なさだと、大変な藪漕ぎになるだろう。取り敢えずは、擬宝珠山まで登ることにした。新小屋峠から象山に向かって歩く。登山道にうっすらと積もった雪を踏みながら登っていく。
象山からは溶岩ドームの烏ヶ山や鏡ヶ成の湿地帯など、火山地形を一望することができる。こちらから烏ヶ山を見る機会は少ない。滅多に歩くことのないコースだが、実は絶景を見渡せるポイントだった。思いがけない朝の散策に、一同感動していた。
さて、象山を下って鏡ヶ成近くまで下りてくる。登り返してスキーリフトの終点の辺りから、皆ヶ山に向けての稜線が続いている。おしゃべりに夢中になって通り過ぎたため、下降地点を探しに引き返す。皆ヶ山の稜線には踏み跡があったらしいが、ネマガリダケの猛烈な藪と化していた。川本くんに試しに藪漕ぎしてもらったが、あえなく引き返してきた。伯耆から但馬にかけて高い山があるにもかかわらず、登山道が付いていないのは、ネマガリダケの生命力のためではなかろうか。今回は藪漕ぎが目的ではないので、縦走は止めて擬宝珠山まで登って下ることにした。
<コースタイム>
1/9 鏡ケ成(14:30)⇒新小屋峠(15:30)
1/10 新小屋峠(7:30)⇒烏ケ山(11:00)⇒新小屋峠(14:00)
1/11 新小屋峠(7:20)⇒象山(8:00)⇒疑宝珠山