大山(宝珠山~宝珠尾根~野田ヶ山) (係)三谷


三谷

今シーズン最後となる雪の大山に登ってきた。
土曜日昼、自宅で合流して大山に向かう。日に日に気温が高くなり、河川沿いの桜がすでに満開になっている。まさにお花見日和、日本の春の風情である。
新しく造られた鳥取日南の道の駅で肉厚の原木椎茸と山芋を購入する。地域産品とともに、木工品などのカーボン・オフセット商品も販売している。
大山に登らせてもらっている分、地産地消によって還元。マルゴーで食材を買い足して大山寺へ。
博労座からは、夕陽に染まった北壁が美しかった。

月光に浮かぶ博労座
月光に浮かぶ博労座

翌朝、前夜が充実しすぎて一時間寝坊してしまった。重いまぶたを開く。
宝珠尾根から弥山への縦走を予定していたが、気温が高く雪が不安定なため、野田ヶ山への縦走に変更した。
中の原スキー場から宝珠山に抜けて、下宝珠越にたどり着く。中宝珠越から上部は尾根上に雪が残っている。
気温が高いので、雪は無いだろうと予測していたが、北から北東にかけての斜面は雪が残っていた。
上宝珠越の崩壊したやせ尾根は、安定した雪が付いているせいか、さほど悪く感じなかった。

宝珠尾根
宝珠尾根
北壁
北壁

アイゼンを付けてユートピアへのトラバースへ入る。宝珠尾根の直登ルートは縦走路からの落石を受けそうだが、トラバースの方も遮るものがないので、日が昇ると危険である。雪の上にはこぶし大の石が散らばっていた。間隔を開け、上部を気にしながら通過した。
ユートピア小屋の前で景色を眺めながら行動食をとる。早朝とあって登山者は誰もいない。
ユートピアから雪の斜面を下って振子山の稜線に入る。尾根上を見ると、所々雪が付いているようだ。雪稜に備えてアイゼンを付けたまま歩く。
振子山から親指ピークの間は崩壊した痩せ尾根の悪い箇所が続く。特に東谷側が激しく崩れている。バックステップで急な雪壁を下ると、親指ピークのコルに出る。親指ピークは東斜面を巻く。

親指ピーク
親指ピーク

藪がうるさかったが、下り基調なので労せずして野田ヶ山の頂上に着いた。斜面にはたくさん雪が残っていた。野田ヶ山からブナの林を抜けて大休峠へ。今年の冬の低温、大雪の影響かわからないが、ブナの立ち枯れや倒木、折れた枝が目立っていた。木の生えていない空間が増えて森が寂しくなった感じがする。
大休峠で休んでいると、野田ヶ山から単独行者が下りてきた。東谷を詰めてきたそうだ。
ゆっくり昼食をとって川床を目指す。大休峠から川床にかけては、緩やかな斜面が広がっていて地形に特徴が無い。
トレースに沿って進むが確信が持てず、GPSで現在地を確認しながら歩く。地形図上の点線沿いを進んでいるようなので問題なさそうだ。
香取分岐の標識にたどり着いて一安心。ところが、周辺の景色の変化に違和感を覚えて再度GPSを確認する。どうも香取側に付けられたトレースを進んでしまったようだ。リカバリのために30分くらいのアルバイトとなった。
正規のルートに合流して、阿弥陀川に向けて最後の斜面を下る。急激な雪解けによって、登山道が沢状になっていた。
川床の道路に出ると、先程の登山者が帰り支度をしておられる。駐車場まで送ってくれるそうだ。気だるいロードを覚悟していたが、大変助かった。
車を回収して帰路につく。天気が良かったにもかかわらず、登山者は少なく、静かな登山を楽しむことができた。

豪円山より
豪円山より