1月31日(土)~2月1日(日) (係)保見
安藤、横山、吉村(光)、三谷
<行動記録>
1月31日(土)
今週末も寒気が入っている。木、金で南岸低気圧が北上し、降雪状況が気になるが今週も大山に向かう。
今年の大山シリーズ3回目。1月は雪が安定しないがとにかく行くのである。登れなくても。大山の日々変わる雪と天気を肌身で感じるだけでも行く価値があるのである。
仁王茶屋は2℃。薄明るい曇り空で雪がパラついている。土日共に雪は降る予報である。昨日も雪は降っており、2週間前の雪崩があった時の天気に似ている。
今回は7合尾根の予定であるが、雪の状態次第で北尾根に変更するつもりであった。装備を整えて出発する頃には雪が降り始めた。
このまま降り続けば7合尾根は難しい。早々にルートを北尾根に変更し、南光河原Pの上部樹林帯にテントを張ることとする。安全第一!
今夜のメニューは「塩ちゃんこ」。元横綱若乃花がやっているちゃんこ屋の味を再現してみた。味を再現するには調味料の分量が重要である。
せっせと家で仕込みをしてきたお陰で材料を鍋に投入するだけで簡単に出来上がった。嘘か本当か皆さんから「美味しい!」と言っていただけた。
いつも吉村さんの豪勢なおつまみにお世話になっている。自分が食当の時は精一杯頑張らねば申し訳ない。
今週は久しぶりに男ばかりのテント泊でいつもとちょっと違ったバカ話で盛り上がったが何を話したか聞いたか覚えてない。いつもより飲みすぎた。
2月1日(日)
4:30起床。雪は止んでいる。5センチくらいは積もっているだろうか。
安藤さんのヘッドランプが不調のため明るくなるのを待って出発する。地図を頼りに取り付きを目指すが、間違えて夏道に出てしまった。今回は全員が初めてのルートであった。
テントまで引き返し、河原を少しつめる。米子工業高校の小屋の右の尾根にトレースが続いておりそこから取り付くことにした。
取り付いてしまうとあとは尾根筋のため、ひたすら尾根をつめるだけである。途中で恒例となった弱層テストをするが、肘の力で20センチのところから破断した。
弱層があるということを全員が認識しておくことは重要である。斜面での行動にその結果が現れると思う。
左に別の尾根が見えてくる。地図では北尾根は二つの尾根に分かれており、まずそれが合流し、次に行者尾根につながり、最後に夏道につながることとなっている。
ありがたい(残念?)ことにトレースがあり、ルートを迷うこともなく順調に高度を上げていく。トレースに助けられていたが吹きだまりでは膝上まで埋まる場所もありわかんを装着する。
気がつくと右斜め上にスキーを背負った人が歩いているのが見える。夏道5合目との合流点であった。
夏道と合流するとこれまでの静かな尾根と違って多くのBCスキーヤー、ボーダーが登ってきている。みんなカラフルないでたちである。
自分も以前はボーダーであった。山登りを始めた時にいつかは山から滑ってみたいと思っていた。時間を見つけて自分も北壁を滑ってみたい。
今日はあいにくガスが出ておりこれでは滑るのも大変だろう。
6合小屋を前にアイゼンを装着する。徐々に風雪が強まって来る。8合を越えると横殴りの風雪となった。体が振られる。2本先の赤旗が見えない。
赤旗のリボンは飛び、棒も雪がついて白くなっているために見えにくい。ホワイトアウトし、先頭の吉村さんが四方を見渡してルートを探している。
驚いたことにこんな中でアイゼンを着けずに登っている人がいる。これが夏道の恐ろしさであろうか。
顔に当たる雪が痛い。去年の合宿はこんなもんじゃなかったよなと登っていると目の前に頂上小屋が現れた。
小屋に入って小休止。少し休憩して下山に取り掛かる。相変わらず視界が悪い。安藤さんのスピードが上がらず、先頭の吉村さんを見失っている。
足元がおぼつかず、違うルートに行こうとしている。「安藤さん、こっち!」と指示を出す。もしかして低体温の症状かと不安になる。しかしなんのことは無かった。吹雪でメガネが使えないので外していたのであった。
メガネを掛けるとスピードが上がった。降りるにつれて風、雪共におさまり、7合目ではさっきの風はなんだったんだというくらいに落ち着いた。
下山は同じルートを戻る予定であったが横山さんの足に異変が発生。両足の筋肉が痛くて動けないというものであった。とりあえず、マッサージと68番を飲んで回復を待つ。
と思ったら「治った!」と立ちあがられた。「ホントですか???」という感じだったがもう痛くないらしい。68番ってこんなに即効性あったっけ?と思ったが大事をとって夏道を下ることとした。
2時間強でテン場に戻った頃には青空も見えていたが山頂はガスに覆われていた。
今年の冬は徹底的に大山に通おうと決めていた。1回目は7合尾根を目指したが隣の沢で大きな雪崩が発生したために下山、翌週は別山中央稜に登ったが雪が悪く3ピッチで敗退。そして今週。
別ルートではあったがようやく完登できた。1月は雪が安定しないというのが身を持ってわかる。これも経験である。
1週休んでまた連続大山となる。次回はどんな姿を見せてくれるのだろう。本当に冬は短い。一つでも尾根をつぶしていきたい。
<コースタイム>
1/30(土)仁王茶屋13:30→15:00南光河原P
2/1(日)4:30起床→6:35南光河原P→7:20北尾根取付→9:38夏道合流→10:13 6合小屋→11:07頂上小屋→13:20南光河原P