個人山行・九州の山旅


吉岡好英

期間:2019年8月10日~13日

参加者:亀井、会員外(西部、田中)

「昨年夏は東北の山に行ったので、今年は北海道・利尻山と羅臼岳はどう?」と聞くと「いいね~」の返事。会員外二人を誘うと「参加したい」と返事が返ってきた。8月10日から17日の予定で計画を組んで、舞鶴⇔小樽のフェリーの予約状況をみると往路は問題ないが復路が厳しそう。フェリー利用無しで北海道・広島間を車で走るにはちょっと遠いので、再考の結果、最北の百名山・利尻山がダメなら最南の屋久島・宮之浦岳に変更することでメールをすると、幸いにも3名は「まだ行ったことがないので宮之浦岳でいい」と言う。すぐに電話で鹿児島港⇔屋久島(宮之浦港&安房)の高速船トッピーの予約を入れる。屋久島は8月11日から14日までの予定で、その後は熊本・国見岳~烏帽子岳縦走をメインに、余裕があればもう1~2の山と決める。気になっていた台風9号の針路は中国大陸へ向かっており、鹿児島港から宮之浦港へ行くまでに影響なく台風一過で天気も良くなるだろうと思っていたが、8月6日新たに台風10号が発生した。計画してから屋久杉ランド近くの太忠岳のライブカメラで確認していたが、8月8日には青空も見えていたのだが太平洋高気圧の張り出しが心配。8日、参加者に「屋久島に行くのは大丈夫だが、13日から影響が出そうで屋久島に渡れば帰れなくなるかもしれないが、どうする?」とメールしてみる。とりあえず鹿児島まで行き、その時点で考えようという結論になる。

10日 地御前港に10時30分集合。道路情報では玖珂あたりで事故?があったようで、ラジオの情報によると下りは30kmの渋滞。すでに国道2号線・廿日市の下りは渋滞。高速に乗ったらイライラがつのるだろうと一般道を走ることにして亀井宅へ向かう。阿品台の道路も下りは大渋滞。4人が揃って亀井宅を出発した後、急遽中国自動車道なら大丈夫だろう?と吉和ICに向かうと岩国道路も大渋滞となっていた。これでは山陽道下りは50km近く渋滞になっているかもしれない。吉和ICから高速道に入ると中国道はほとんど渋滞もなく九州道に入り古賀SAで休憩。さらに南下して桜島SAに21時頃到着。ここで仮眠する。

桜島SA

11日 屋久島・宮之浦岳は12日まで行動できるだろうが、14日の帰りの便が欠航になるだろうと中止を決めて鹿児島港の窓口へ出港90分前に到着。まだ屋久島への航路は影響を受けていないがキャンセルする。九州本土は13日まで台風10号の影響はなさそうなので、台風の影響を受ける前に、参加者全員、国見岳は登りたいので15日予定を繰り上げることにする。今日は国見岳登山口へ移動だけとなるが、その前に時間もあるので開聞岳に行くことを決めて登山口へ移動。駐車場は祭りでも開かれるのか舞台などの準備をしている。その中を横切り、しばらく舗装道を歩き登山口へ。風がなく蒸し暑い登山道を登っていくが、昨夜ほとんど寝られなかった影響か調子が出ない。3合目で小休止した後、5合目まで何とか登る。ここまでで経口補水液1本を飲み干す。ここは展望台があり長崎鼻方面が開けており、その先に大隅半島も見えている。普段の休憩時は立ったまま休むのだが、ベンチに腰を下ろして休む。また登山時、ここ数年はストックのお世話にならなかったが、久しぶりに2本のストックを使うことになった。最近、体力の衰えを痛切に感じている。7合目あたりから登山道に岩が出てくる。開けていない登山道は蒸し暑く、歳のせいもあるがユックリのペースとなる。8合目あたりは南方面が開け青い海が広がっており、その先の雲に覆われたあたりが屋久島だろう。9合目あたりで屋久島、種子島が見えてきた。もう少しで頂上だ。回り込むように登っていくと多くの登山者がいる頂上へ到着。座り込んで昼食を摂っていると麓からサイレンの音が聞こえてくる。消防車だろうと話していたら、国道の北側から煙が上がっているのが見える。そのうち火も見えてきた。家屋火災のようだ。昼食を済ませ下山して山麓の海辺にある開門温泉で汗を流す。台風10号はゆっくりなので、まだ影響はなく目の前の海は穏やかである。入浴後、鹿児島で“南国白くま”を食べようと言っていたが、すでに17時を回っていたので店に寄る時間は無く、人吉ICまで走り、さらに国道445号線を北上して五木村の国道沿いにある“道の駅 子守唄の里五木”の軒下で仮眠。

行動記録

駐車場(9:03)~(9:17)登山口~(10:40)五合目(10:50)~(12:45)開聞岳(13:42)~(15:55)駐車場

開聞岳

12日 道の駅から国見岳・烏帽子岳登山口まで約35km。国道445号線から県道159号線に入り、さらに林道へ。烏帽子岳登山口辺りに数台の車が道路脇に駐車している。空は曇っているので途中の降雨を予想して雨具のズボンは着用。少し林道を歩くと道路は車止めの扉で閉ざされている。その横をすり抜け、しばらく進むと国見岳旧登山口の標識がある。ここから登ると急坂なので、もう少し先の新登山口へ。新登山口は国見岳への尾根末端から登るが、しばらく登っていくと登山道は緩くなり尾根も広くなってくる。 緩く広い尾根を登っていると鹿が現れる。雨はいつ降ってもおかしくない空模様。標高1500m辺りから1550m付近まで急坂となるが、その後は広くて緩い尾根が頂上まで続いている。頂上手前の木々の間から写真で見覚えのある頂上の祠が見えてくる。頂上は風が吹きガスっているので遠望は利かない。写真を撮った後、行動食を食べていると小雨が降り出してきた。昨日の天気予報では晴れマークだったが、やはり高層は台風の影響を受けやすいのだろう。しばらく回復の見込みはなさそうで雨具(上着)を着て縦走開始。あまりアップダウンのない縦走路は疲れなくて良いのだが、登山道はあまり整備されていないのか、結構笹などがかぶっている。縦走路はガスっていて何も見えないが、ガスっていなくても何も見えそうにないがブナ林は気持よく、いくつかのピークを越えてダラダラっと登ると五勇山に到着。何も見えなく雨が降っているので先を急ぐ。烏帽子岳への登山道、いきなり背丈より高い笹で覆われている。笹をかき分けると足下に登山道はある。すこし進むと開けてきた。五勇山から烏帽子岳の縦走路も同じように展望は利かない。蒸し暑さで汗が噴き出るようで、すでに下着までビッショリでゴアの雨具を着ていても意味が無い。烏帽子岳頂上に着くと狭い場所にテントが張られていた。まだ、設営するような時間でもないのに?と思いつつ頂上で写真を撮っているとテントの住人が出てきた。「いままでテント泊をしたことはあるが2連泊したことがないので今夜も泊まる」と言っている。天気が悪いのに物好きな人がいるものだと言いつつ下山開始。尾根を1320m付近まで下ると尾根から外れ針路を北にとる。登山道は急坂となり雨で濡れて滑りやすい。ところどころ林道を横切り下っていくと、駐車地の車が見えてきた。雨具や登山靴は泥だらけで、ゴアの雨具を着ていたにもかかわらず下着までびっしょり濡れていた。蒸し暑さの中ではゴアの雨具でも役に立たない。明日は宮崎県・大崩山の案もあり、今夜は高千穂のキャンプ場でテン泊の案が出たが、宮崎の山は台風の針路で影響を受けやすく雨は免れないだろうと却下。そのかわり、まだ明日も雨は降らないだろうと雲仙普賢岳に決定して熊本方面に車を走らせる。途中の“道の駅 美里(佐俣の湯)”で汗を流して天草へ向かう。今夜は“道の駅イルカセンター”で仮眠。

行動記録

駐車地(7:45)~(8:05)国見岳新登山口~(9:13)1409m地点~(10:40)国見岳(11:06)~(12:26)五勇山(12:30)~(13:44)烏帽子岳(14:01)~(14:35)1428m地点~(15:26)烏帽子岳登山口

13日 鬼池港ターミナルから朝いちの島鉄フェリーで口之津へ海上移動後、仁田峠の駐車場へ行き、まだ青空が広がっているなかを登山開始。今日も飲料を多めに持って行く。しばらく歩くとロープウェイ駅に到着。ここからの登山道はほとんど水平で、谷に入るまではユックリでは下っていく。谷を約20分登っていくと国見岳、風穴と普賢岳の分岐の標識がある。風穴への登山道経由で行くと大回りになるが、出来るだけ同じところは歩きたくないので、風穴から普賢岳への登山道を選ぶ。左に国見岳を見ながら、ほとんど水平の登山道はノンビリ歩くことが出来る。風穴から吹き出ている風は冷たく、案内板では5℃くらいで、しばらく風穴の前で涼んで平成新山と普賢岳の間を抜けるようにして普賢岳頂上へ。目の前にはゴツゴツした平成新山の上の溶岩ドームが見える。普賢岳は1990年11月17日、198年ぶりに噴火して火山活動が活発となり、翌年6月3日、大火砕流が発生して多くの犠牲者が出た記憶がよみがえる。頂上から天草や大村湾などがよく見え、ノンビリ昼食を摂って下山開始。国見岳、妙見岳の分岐までは25分くらい。登ってきた谷を下りたくないが、妙見岳へのルートにはロープウェイ駅があり、駅までの稜線は少しではあるがアップダウンもある。もう、あまり歩きたくないが稜線の登山道を選ぶ。国見岳登山口から頂上までは10分くらいだろう。若い?二人は国見岳に、お年寄りはパスしてゆっくり歩いていると二人が追いついてきた。ロープウェイ駅のテラスでロープウェイに乗るか悩んだが、当然3人は乗る気などあるはずがない。「歩いておりましょう」の誘いで渋々?稜線を下り登山口に帰りました。

下山後、湯快リゾート・雲仙東洋館の温泉で今回の山旅の疲れを癒やす。計画では早くても16日に帰る予定であったが、台風10号の北上で荒れることが予想され、これ以上いても仕方ないので帰ることにする。22時頃、帰着して解散しました。

宮之浦岳は台風の影響で中止しましたが、屋久島に渡っていたら20日頃まで帰れないところでした。はやめに決断して正解でした。

行動記録

仁田峠駐車場(8:35)~(8:40)ロープウェイ駅~(8:57)休憩所(9:00)~(9:23)紅葉茶屋~(10:04)風穴(10:10)~(10:53)普賢岳(11:27)~(11:44)妙見岳分岐(11:54)~(11:57)国見岳分岐~(12:54)ロープウェイ妙見駅(13:05)~(13:23)駐車場

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