月日:7月3日(日)
参加者:横山、元廣、平本、松林、島本、川本
<行動記録>
今回のレスキュー講習は、搬送システムを中心に学んでもらった。
朝8時半、駐車場に集合し、講習会場である窓ヶ山のキレットに移動する。梅雨時期の湿気を帯びた空気は飽和状態で、汗が滝のように流れてくる。たまらず展望台で熱を冷ます。キレット以外では、暑すぎて訓練にならないだろう。
まず、各自レスキューに必要な以下のロープワークについて、再確認を行ってもらった。
・フリクションノット×4種類
・ムンターヒッチ(半マスト結び)
・ミュールノット
・バタフライノット
・インライン・フィギュアエイトノット
・ダブル・フィギュアエイトノット
次に、搬送技術についての講習を実施した。
・介助懸垂
・背負い搬送
介助懸垂は、墜落者(リーダー)を救助する場合に、テンションロープを使ってクライムアップし、もう一つのロープで懸垂下降のシステムを作る。要救助者をデイジーチェーンで連結、負荷を分散しながら下降する。デイジーチェーンでうまく荷重を振り分ければ、相互に負荷はかからない。不自由な要救助者をいかにコントロールできるかがポイントである。
シングルロープの場合は、このシステムを使って降ろすのは難しい。テンションがかかっているロープを回収するのは困難であるし、ロープの長さとテラスまでの距離を考慮すると、このシステムの利用ケースは限定される。
次に、平地での背負い搬送を実施した。
テキストを眺めながら、ザックとカッパを使った背負子をつくる。まず、ザックとカッパを連結する。要救助者を背負子に乗せて背負い、救助者とカッパのフードをスリングで固定すると安定する。しかし、長さの調整が難しく、長すぎると重心が後ろに下がってしまい、背負いにくい状態になる。逆に短すぎると要救助者が圧迫されることになる。
アプローチが安定している場合は、担架搬送も有効である。
午後から、登攀中の事故を想定し、自己脱出から救助までの流れを通して実施してもらった。
登攀中、リーダーが墜落し、足首をねんざしたと想定する。まず、ビレー体勢からの脱出、荷重を支点に移動して仮固定する。次に、ロープを使って登り返して要救助者の状況を確認する。下降用の支点を補強し、要救助者を介助懸垂で降ろす(ここでテンションロープは切断する)。テラスに移動したところで、三角巾を使用して応急処置を行う。最後に、ザックを使った背負い搬送で、安全地帯まで移動してもらった。
午後から降水確率が高くなっている。雨雲レーダーを気にしていると、こちらに雨雲の塊がやってきそうだ。そして、辺りが急に暗くなると同時に、大粒の雨が降ってきた。ターフに待避する。雨を想定してターフを張っていたのが幸いした。
1パーティーは早々に終えて撤収にかかっていたが、もう人パーティーは雨に濡れながら本番さながらのレスキューが行われた。
何とか本日の講習の予定を消化することができたので、第2波が来ないうちに片付けることにした。
最小構成の2人パーティーの場合、事故者を搬送ことは極めて困難であることが分かった。
結果として、登攀中の「事故」というシナリオは考えにくいということになる。