←オオヤマレンゲ?
鳥取市から熊本まで、さすがに遠いので参加を悩んだが、こういうものは「行く」と決めてしまえば苦にならないものなので、「行く」と決めて参加した。私は山陰の谷沿いで里山と川にはさまれて育ったので、九州の山は独特に見える。阿蘇と由布岳と九重しか知らないけれど、なんかこう、大地を感じてしまうというか、地球の筋肉隆々といったようで。大前さんが「雄大な山容だ」とよく言うけれど、私の育った環境とはまた違った魅力があるように思う。とにかく来て良かった。例によって今回も数々のエピソードが生まれた。
デリカ1台に人間7人・ザック7つが乗るので、荷物は最小限に・・・と思って集合場所に着いてみると、ナカシンの駐車場は難民キャンプになっていた(荷物も風貌も)。新宿駅の駅員になって詰め込み出発する。九州は意外と近かった。翌日、鍋の平キャンプ場で準備して、牧場の中を通り過ぎて日の尾峠から入山する。急登だが、豊かな植生に包まれて気分がいい。謎の泡が木々に付着しているのを不思議に思いながら登り、西峰でハーネス装着、以後は3パーティで行動する。長いロープはとりあえず要らないので、50mの半分はザックに納めておく。最近、自分が落ちる姿だけでなく人が落ちる光景まで想像してしまう悪い癖がついて、「こりゃ、やり過ぎかなぁ」と思いながらもロープを出す。どこがどうだったか、断片的にしか思い出せないが、なかなか楽しい縦走を天狗のコルで終え、ヤカタガウドへ下りる。かなり下った所で、「苔むしたナメ床」という嬉しいオマケがあった。買出し・温泉を楽しみ、再び鍋の平キャンプ場へ。風雨が強いため、トイレ完備の三ツ星ホテルに逃げ込んで宿とさせてもらった。温泉が効いたのか、ビール一杯でクルクルパーになったのでダウンした。
翌日は、いよいよ火口を目指して再び日の尾峠を出発する。道は快適だが、桜の木に行く手を阻まれ・・・というかサクランボに足を引っ張られ、皆から遅れてしまう。ミヤマキリシマが全滅したことは残念だが、桜の木が途中からなくなった事がもっと残念だ。上部では、いよいよ火山らしい地質が現れてきた。ここから先は、もう驚きの連続。「うわぁ」と「すげぇ」しか表現方法がない自分が情けない。うまく説明できないので説明しないが、この世の果てがあるとしたら、こんな感じかなぁ。こういうのを見ると、赤井さんが石に興味を持つのもわかる気がした。
火口から直子さんに電話する。車を回送してから自分のペースで歩いていたようだ。火口まで車を回してもらい、乗り込んだら大雨になった。そのまま一気に広島へ。宮重邸で旦那さんにコーヒーをよばれて、時代物小説をたっぷり借りて鳥取へ帰った。朝の3時ごろ着いたので次の日は眠たかった。
とてもいい山だったが、そう思えるのは一緒に行った仲間によるところが大きいと思った。やっぱり山は、つべこべ言わずに、行ける時に行くべきだ。
大前さん、いつもいつも切り口の違う山行を用意してくれて、感謝しています。面白い山行でした。「山の中の懲りない面々」っていう映画が撮れそうですね。
それでは、また今度。