大山


横山

№3818 大山           横山
月日12月22日~23日
参加者宮重(直)、中島、武田、奥原、神庭
行動記録
今回の例会は、2008冬合宿を前にした最後の雪山山行であるが、天気予報を見ると生憎の空模様である。前日の土曜日も、中国地方は気温が高く例年では降雪になる筈の大山山麓も、どうやら雨天だとの情報が入ってきた。
昨週の大山例会では、宝珠尾根からユートピア、大休み峠、川床の縦走を行なったとのことである。したがって、今回は南側から攻めてみる予定である。
出発前、冬合宿(大山)に初参加予定の奥原さんについての状況(技量)を当該合宿のCL(吉村さん)から、よく観察し報告するように求められていることから、彼に対してはなんとしても輪ッパとアイゼンの歩行を経験させなければならないのだ。
19:00横川を出発し、西城くらいから予定通りの雨。道後山を越えても雨脚は一向に衰えない。こうなると当然今夜の幕営地の心配が浮上してくるのだが、米子支部の神庭さんから「素泊まりペンションを開放するよ。」との優しいお誘いがあった。これ以降幕営にこだわるCLの思いをよそに、他の4名は10時の方向を見つめたまま動こうとしないのだ。(ま、この雨では無理もないか・・・。)さらに決定的な申し入れ、「目止めの終わっていない北アルプスチームのテント(冬合宿用新品)を雨の中で使ってしまうと乾燥が間に合わなくなる。」との言い分。これにはついにCLも妥協してしまった。デリカの舵角を左へ10度調整する。
23:00予定通り(変更後の)ペンションカンバに到着する。夜分であることから「そろりーと入り、そろりーと寝るよ。」
朝5時起床。それぞれの朝食をさっさとかき込み一路枡水原へと出発した。
予定通りスキー場にも全く雪は見えない。(え、今年から芝スキー場になったって。ほんと?・・・)
無料の駐車場でパッキングし、6:45真っ黒い環状道路を文殊堂へ向け歩き出す。
プラブーツで1時間も舗装道路を歩くと、そこにはベンガラ色の文殊様がいる。登山道の沢筋に踏み込むと僅かながら積雪がある。さほど難儀なく45分で文殊越えに着く。(積雪量は15㎝程かな。)さらに木谷を通過し9:00には鳥越峠に着いた。
コルを通過する風はさすがに冷たく、駒鳥小屋側へわずかに下って風を避けての休憩とする。ここまで来ても例の雨粒はいっこうに結晶化する気配が無い。
さて、ここからはブッシュ交じりの尾根をキリン峠に向けて登っていくのだが、傾斜がゆるい部分では若干ツボ足気味となってきたので、すかさず「輪ッパ着装!」の指示を出す。(キリン尾根からはアイゼン歩行となるので、もうここら辺で試してみないと吉村さんに報告できないのだ。)
ツボ足でもさほど速度は変わらないのだが、時折ブッシュに引っ掛かる分だけ煩わしいかもしれないね・・・。これもひとつの経験だ。案の定10分ほど輪ッパ歩行したところで、奥原さんの足が止まる。「なんか変なんです?・・・」見るとプラブーツの先端が輪ッパの下に入り込んでいる。
バンド方式の締め具ではやはり固定に限界があるようだ。とりあえずターンリングの折り返し方法を改善し再出発する。その後は20分程度何とかずれることなく歩けたようだ。植生界を過ぎあと5℃ほど気温が下げれば、絶好のアイゼントレーニングが出来る筈のキリン尾根に着いた。ここでアイゼン着装を指示する。
今回は、2名(奥原、宮重)がアイゼンの履きおろしである。我々のと比較すると違いは歴然、まるで柚子の棘とタラのイボの違いである。
ジュルイ雪壁にツメを効かせながら高度を稼いで行き、視界の利かない稜線に出たところが槍尾根分岐である。13:00ここで縦走をしたいと言う合宿組2名(中島、神庭)と別れ、他の4名(横山、武田、宮重、奥原)はユートピア小屋へと向かう。車は枡水原に停めてあることから、合宿組2名は縦走後、弥山から正面登山道をダイレクトに枡水へ向け下るのだそうだ。「大山寺に車を回して待ってるからね!」との中島さんの心強い言葉に気を良くしてユートピアへ下って行く4名であった。
13:40ユートピア小屋に到着するも無人の状態である。
「この雨ではそうだろうね。」と納得する。
20分ほどの大休憩をし、弥山組との無線交信を完了した後、宝珠尾根に向け14:05出発する。
上宝珠越えからは時間短縮のため、砂すべりへ下降した。元谷の遭難碑周辺では殆んど積雪が無い。
今後の為にと元谷避難小屋を紹介、し大神山神社へと下降した。奥宮の境内には全く雪が無く、除雪機はシートを被ったままである。御神水で奥原さんの身を清め15:00大雨の大山寺駐車場に到着した。
見覚えのあるデリカが有る筈だがそれらしき車が見当たらない。しかたなく枡水に向け歩き出すのだが、アスファルトとビムラム底の折り合いが悪く、さほど歩調が進まない。
時折濃霧の中から現れるヘッドライトが近づくと、(今度こそ!)と思い・・・また裏切られ、とうとう芝スキーのゲレンデまで来てしまった。
朝の駐車場まであと20mの最後の曲がり角を折れると、そこには、たった今カッパのズボンを脱いだばかりの神庭さんが居た。
「すいませーん。藪遊泳やっちゃいました。」とのことで16:20全員無事ドッキングした。
お疲れ様でした。合宿組(北アルプス・大山)頑張ってください。
<記録>
6:45枡水原、7:45文殊堂、8:30文殊越え、
9:00鳥越峠、10:30キリン峠、13:00槍尾根分岐、13:40ユートピア、14:30上宝珠越、15:00大山寺、16:20枡水原駐車場