月日:2017年7月23日(日) (係)三谷
参加者:吉村、元廣
<行動記録>
灼熱のクライムになりそうな陶ヶ岳を敬遠して寂地山系右谷山の夫婦岩を登った。例会として2016年と2003年に実施している。
吉村さんの車に便乗させてもらい、7時宮内串戸駅で元廣さんをピックアップ、深谷方面に向かう。金山谷を越えてさらに河津集落への細い道を奥へと入っていく。早くも積乱雲が発生していて、午後のにわか雨が気になるところだ。
長瀬峡沿いの林道を車で走ると、右手(右谷山側)に夫婦岩という岩壁がある。林道からは樹林に囲まれて見えないが、前衛壁(婦)と奥壁(夫)で構成されている。
取り付きは、林道から約20m。標高200m足らずの陶ヶ岳に比べると、ここは標高600mの山奥と条件は良いのだが、昨日雨が降ったようで、壁は塗れている。壁の状態はよくないので、いつでも退避できるように、岩稜近くのフェースを登る。右に行くほど傾斜が強くなる。
係がロープを伸ばす。登り始めてすぐ水をたっぷり含んだ苔と草付きの壁に難儀する。右のすっきりしたフェースは、支点が取れない上に、濡れて登れそうにない。しかも全体的にスタンスは外傾して丸みを帯びている。目立ったリスやクラックがないため、細い灌木で支点を取るしかない。クライミングシューズはすでにしっとりして滑りやすくなっている。早くもいろいろな汗が出てきた。
直上したいところだが踏ん切りが付かず、早々樹林に逃げる。岩稜の手前でピッチを切る。みなさん、「あまりよろしくない」という感想だった。乾いていればもう少し何かできたかもしれない。
岩稜に出ると風が吹いて気持ちが良い。
今回は、左岩稜の馬の背は迂回せずに忠実にリッジをたどる。ピナクルの登攀は、岩が脆く神経を使ったが、高度感があってなかなか面白かった。合計4Pの登攀で夫婦岩の頭に抜ける。ちょうどお昼に登攀を終了した。前衛壁よりもさらに大きな奥壁が見えていた。
夫婦岩の頭からは、ロープを付けたままいったん尾根を降りて、岩屑の積み重なった不安定なルンゼに出る。落石に気を遣いながら斜面を下る。すっきりしたルンゼがあるが、落石の巣となっていて危険である。慎重に尾根上を下ると林道に出た。汗と泥でドロドロになったため、冷たい沢で水浴びして帰る。
半日だったがなかなか充実した山行だった。