5月5日(木・祝)
参加者:吉村、兼森
この2日前、早月尾根を下っている最中に「暑いので水に浸かりたい」という欲求が湧いてしまったため、急遽沢登りをすることにした。手頃な沢を検討し、島田川と関わりの深い兼森さんが参加、ということで宮杉峡に決定。島田川水系の沢は、著「西中国山地の沢」にはこの宮杉峡しか載っていないが、この山塊の北東面には二鹿峡があり、地形図上でも渓谷が他にいくつか見られる。また、この山塊にはタングステンの鉱山跡が数か所あり、尾根を北側に越した根笠地区には鉱山跡を観光坑道化した、美川ムーバレーがある。
玖珂から北西の山手に入り、周北小学校の前で兼森さんと合流する。小学校の前には「何故こんな田舎にオフィスビルが?」と疑うほどの大きな建物が建っており、これが高級酒「獺祭」を造っている旭酒造の本社蔵らしい。
適当な場所に車を停めて、「名勝宮杉峡」と書かれた支柱が建っている橋の袂から入渓する。水はまだ冷たく、一昨日の大雨の影響で水量が多い。
序盤は標高がほとんど上がらず大きな支流も無いので水量も変わらない。F1の他に釜を持つ小滝が1,2個あった以外は目に留まるような滝も無く、変化が無いように感じるが、リハビリにはちょうど良いのかもしれない。
2時間弱進むと目の前に巨大な堰堤が現れる。左右どちらからも登れそうだが、左岸側を登ってダム池の脇を数百メートルトラバースし、沢に復帰する。傾斜も増してきて小滝も増え、面白そうな小滝があったので「これを登らないと勿体無い。」と松林は遂に釜に入るが、他の2人は「寒いから絶対に入らん!」と言い張る。
標高370mの二俣で左の階段滝を登り、少し進むと「下シャンシャンの滝」に出くわす。上部が細く厳しそうだが、左岸側を登れそうだったので、ロープを出して木やカムで支点を取って登った。樋状の滝、階段状の「上シャンシャンの滝」を過ごし、標高500mの二俣で位置確認する。右俣は地形図の通り南東へ向かっているが、岩盤も隠れてきて傾斜も緩く、滝はもう無さそうだ。よってここで終了。これは右俣に滝があるように描いてある遡行図が間違っている。
下山用の右岸側のトラバース道は5分ほど進んで発見する。道は荒れていて藪も被さり、支流を跨ぐ際に見失うが、石垣が組んであることを頼りに再発見して先へ進む。しかしこれが延々と続き精神面に悪い。一度完全に見失い、左岸側へ渡っていくらか進むとダム池が見えてきた。再度右岸側へ戻り、数百メートル進むと左岸側の林道から来る橋に出くわし、そこからはスムーズに林道を歩いて戻った。
吉村さんが「堰堤の脇にあるはず」と言っていた林道が脇に無かったので、「これは納得できん!」と家に帰ってgoo地図の航空写真で確認すると、林道が左岸側を通っているのは地形図と同じだが、堰堤付近では水線よりも20m~30m高いところを林道が通っている。それ以前に堰堤の記号の位置が地形図では標高420mというのが間違っていて、航空写真では320m付近。実際もそれくらいの標高で堰堤が出てきていた。長年山をやっていても、この記号が堰堤なのか、滝なのか、と混同してしまうことがよくあるので、「堰堤は岩や石を止めるので、下が横棒」という考え方で覚えておくことにした。
<コースタイム>
9:19宮杉峡入口 → 11:12大堰堤 → 11:58標高370m二俣 → 12:05下シャンシャンの滝→ 13:42標高500m付近14:18 → 15:42林道 → 16:05宮杉峡入口