期日:2017年5月2日夕方~7日
<参加者>会員外4名(新山、岩田、奈須、井坂)
まだ動けるうちにと思い、以前から十勝岳山頂から滑降したいと考えていたので、1月末、山スキーメンバーが恐羅漢・牛小屋高原ヒュッテに集まったとき話したら、3人が「行きましょう」と即答。さらに広島工大山岳部・4年後輩の奈須(川西市在住)に連絡を入れたら「連れて行ってください」と言い、総勢5名となる。参加者の井坂さんに宿の手配を依頼。宿が取れた後、新日本海フェリーの手配をする。今回の山行、サポートするということでLは新山さん、SLは岩田さんにお願いする。
5月2日 17時、広島組4名で愛車ムラーノにスキーや荷物を積み込んで廿日市を出発。高速自動車道は渋滞も無く、22時ころ舞鶴港・新日本海ターミナルに到着。奈須は駐車場で待っていた。
5月3日 0時30分、フェリー「はまなす」は出港。穏やかな日本海を北上し、佐渡島のさらに沖を通過して、陸地が見えたのは北海道・奥尻島南60kmにある日本最大の無人島の渡島大島。積丹半島の山々は雪が残っており、真っ白な余別岳、積丹岳がキレイに聳えている。半島を回ると遠くには羊蹄山も見えている。しばらくして日没。日本海に沈む夕日を写真に撮ろうと、後部デッキには多くのにわかカメラマンが陣取っていた。 20時間の航海の後、21時前フェリーは小樽港に接岸。下船後、ガソリンを補給して今夜の宿・札幌国際YHに向かう。
5月4日 7時頃出発。道央道を走り、岩見沢SAで朝食を食べて、三笠ICから一般道で桂沢湖経由富良野に抜けて吹上温泉へ。十勝連峰は白く輝き、前十勝岳は噴煙を上げている。2009年6月、名越と十勝岳に行ったときと同じ場所で車を止めて、富良野岳や十勝岳の写真を撮る。その時のことが昨日のようによみがえる。吹上温泉駐車場にはすでに多くの車が駐車しており十勝岳、三段山への登山者だろう。現地の人?から「シールを着けて歩いた方が良いですか?」と聞かれたので「今日の雪ならツボ足でも大丈夫」と返事。三段山へのコースは傾斜のキツいとこがも何ヶ所かあり、シール歩行よりツボ足の方が早いと判断してスキーはザックにつける。登山届をポストに入れて出発。駐車場上のテントサイトからしっかり積雪がある。一段目、二段目を上がると緩い斜面で、前十勝岳の噴煙も見える。高度が上がるにつれて富良野岳の全容も見えてくる。ここに初めて来たのは2004年正月だから、もう13年にもなる。そのとき滑った富良野岳ジャイアント尾根のコースが目の前に広がっている。5人は順調?(ちょっと時間がかかりすぎ)に歩き三段山(1748m)に到着。南から富良野岳、上ホロカメットク、十勝岳、美瑛岳、さらに旭岳などが青空の下に見える。遠くにはうっすらと羊蹄山らしき山も見える。周辺の山の説明を終え、スキーを履いて滑降開始。それぞれが晴天で緩んだ重い雪に苦労しながらも滑り降りて行く。スキーヤーの二人は華麗な滑りを見せながら降りていく。山ヤの三人はスピードは控え、慎重に滑っている。北を見るとナマコ尾根の向こうに噴煙を上げ、地熱?で雪の溶けた前十勝岳の頂上も見える。二段目、一段目と快適?に滑り登山口の吹上温泉へ返る。すぐ近くには テレビドラマ“北の国から”で有名な吹上温泉露天風呂(無料)がある。駐車場から狭い道を下ったところにあり、冬期は道が凍結して要注意。脱衣場などないが、自信のある人は入浴をお勧め。宿泊の国民宿舎カミホロ荘へ返る。夕食まで時間があるので、美瑛のアイスクリーム有名店へ行こうと思い、ナビで距離を調べるとちょっと遠いので諦める。
『GPS軌跡や写真などはYAMAPにアップ。(十勝岳 富良野岳 美瑛岳 5月4日 ピーカンの三段山 Oyster)』
5月5日 今日は十勝岳。バイキング形式の朝食を食べ、宿から車で15分くらいの登山口・望岳台へ移動。すでに広い駐車場は登山者や観光客?の車が多数駐車している。今日の天気、雲は多いが雨の心配は無さそうだ。前十勝岳や十勝岳、美瑛岳などがよく見えている。登山届をポストに入れ出発。岩田さんはシールをつけて歩く。今日もツボ足で問題なしと判断。十勝岳避難小屋から火口稜線への急坂を考えてのことだ。新山さん、奈須さん、井坂さんもツボ足で続く。この3名、避難小屋でシールを着けるという。「これからが急な登りになるよ」と進言すると諦めた。シール登行の岩田さんはジグを切りながらで、ツボ足の直登とスピードは変わらない。グラウンド火口斜面を上り、スリバチ火口稜線へ。ここまで来ると十勝岳や平ヶ岳は硫黄で雪面は黄色くなっているのがよく分かる。過去、積雪期に3回来ているが、こんな光景は初めて見る。新山さん、奈須さん、井坂さんは「もう、これ以上は無理」と言ってリタイヤ。頂上は遙か先にあり頂上直下は急斜面になるが、ここからだとそんなに時間は要しないので岩田さんと頂上へ向かう。黄色い雪面の上を直登で登り、頂上直下で荷物はデポしておく。岩田さんはシールで登っていたが、急斜面ではジグをきるため少し遅れていた。彼も下の方にデポして頂上へ登ってきた。頂上からトムラウシ山、旭岳などが展望できる。早々にそれぞれデポ地に下り、滑降準備をする。黄色くなった重い雪面を滑り降り、岩田さんがデポした場所で合流。斜面を滑り降りてスリバチ火口稜線に下るが、すでに3人は滑降していったのか姿は見えない。稜線からグラウンド火口を斜滑降で下っていくと、火口縁の平坦地で待って?いた。ここから登山口の望岳台までは下るだけだ。広く長い斜面なのでガスったら大変だが、今日は心配なく滑降できた。今回の目標は十勝岳頂上から滑降だったので大満足!「明日は大雨でもエエ」と言いながら車に乗る。吹上温泉へ寄って硫黄で汚れたスキーや兼用靴を水で洗い、十勝岳温泉・カミホロ荘に返る。
(YAMAP 十勝岳 富良野岳 美瑛岳 5月5日 十勝岳で山岳スキー Oyster)
5月6日 今日は時間が限られており、また天気が崩れると予想して旭岳に移動。1時間30分くらいで旭岳ロープウェイ駅に到着。登山届は山麓駅のポストに。準備をして山麓駅(標高1100m)ロープウェイに乗り込み、姿見駅(標高1600m)へ上がる。高度差500mを10分なので時間短縮できる。姿見駅の外に出ると、スキーヤー、ボーダーは滑走コースへと滑っていった。今日の雪はツボ足では沈みそうなのでシールを着ける。出発してすぐに旭岳石室(避難小屋)横を通過。2015年夏、層雲峡・黒岳から旭岳を縦走したとき、土砂降りの雨で、この石室に入り込んだことがある。今は雪でほとんどが埋もれている。行動中も天気が気にかかり、後方(西)の空を見ながら緩い斜面を登っていく。姿見駅から1時間20分くらい登った標高1760mあたりで新山さん、奈須さん、井坂さんは「ここで待ちます。」と言う。地獄谷から白いガスが吹き出ている。まだ余裕のある岩田さんと「天気が心配だがいけるところまで行きましょう。」と先に進む。頂上への稜線を見るとボーダーが一人登っているだけだ。天気が良ければ頂上まで1時間もあれば大丈夫とみていたが、西の空から黒い雲が近づいてきており、頂上もガスって見えなくなってきた。これ以上は危険を冒したくないので、標高1860mで下山を決める。シールを剥がして、3人が待つ地点へ滑降するが、ストップスノーでスキーが走らない。待っている3人と合流し、さらに滑降して姿見駅から山麓駅までの長い整備されたコースに入る。狭いコースだがザラメでよく滑る。多くのスキーヤーやボーダーも滑走を楽しんでいる。疲れた足で堅い雪面の滑走はキツいが、旭岳ロープウェイ・山麓駅に全員無事滑り降りる。
(YAMAP 旭岳 トムラウシ 5月6日 旭岳を滑りました。 Oyster)
今回の山スキーは天気に恵まれ、ラッキーだった。旭岳ロープウェイ駐車場を出発して、しばらく走ると強い雨が降ってきた。札幌への帰路、美瑛放牧酪農場で濃厚なアイスクリームを食べ、さらにジンギスカンで現地打ち上げをするサッポロビール園へ向かう。予約を入れていた午後6時からジンギスカンを堪能して一般道で小樽港へ。乗船前にガソリンを満タンにしておく。小樽でフェリー(あかしあ)に乗船前、低気圧の影響で揺れると言っていたが、揺れることも無く?定刻を少し遅れて舞鶴港に到着。船酔いに弱い二人はほとんど横になっていた。広島・廿日市着は8日午前2時30分でした。