No4614 2022年春合宿 飯豊連峰


5 月 3 日(火)~6 日(金) (係)吉村
 安藤、上田、西村、田野、曽根

 <総括>

 飯豊連峰春合宿は 3 度目の挑戦でやっと完歩

 できた。

 20 年はコロナ県外自粛で行けず、21 年は荒天

 で白山に転進。今年こそはと、GW 連休後半に日

 程を絞り込み臨んだ。

 参加予定メンバーは、12 月から比婆山、氷ノ山、

 大山と例会を重ね、体力 ・技術力を身に着けた。

 直前の天気予報も、晴天続きを約束している。後

 は行くだけ。

 そして実際は、1 日目の 5/4 が強風のため予定

 地の目前でビバークしただけで、あとは計画通り。

 参加者各人は雄大な残雪の飯豊連峰を堪能し無

 事山行を終えることが出来た。

 74 歳で 8 万円の冬靴を買い換えた安藤さん、

 常に先頭でルーファイし重たい荷を担いでくれた

 SL 上田君、写真を撮り食当のジェニファー、車の

 ルート検索や気象情報収集で活躍した田野君、

 初めて本格的雪山縦走を体験できた曾根 さん、

 みんなの協力で万事問題なくうまく行きました。

 帰宅して心地よい疲労感(筋肉痛?)に浸ること

 は、参加者各人の合宿の成功を物語っている。

飯豊山山頂

5月3日 記:上田
3:30 吉村車に乗り込み廿日市発、4:20 に小谷
SA で安藤車と合流。飯豊連峰縦走の計画を練っ
ている時にこの山域ではマイカーの回送サービス
が無いことがわかった。よって今回はメンバー6 人
なので、車 2 台で遠征し 1 台を下山口に置いてお
く計画とした。
舞鶴若狭自動車を行くか迷ったが、「京都を抜
けるのは 8 時頃なんでギリ混まないだろう」というこ
とで神戸 JCT から京都方面に進むが、やはり渋滞
に巻き込まれる。京都南~京都東で 1 時間程度
のロスが発 生 したが、それ以 外 は順 調 に進み、
17:30 大日杉登山口に到着。
大日杉小屋付近はまだ桜が満開、車道の脇に
はあちらこちらにカタクリが咲いていた。広島から
約 1,100km、気候もだいぶ違うことを実感しつつ、
明日に備えて適当な泊地を探し初日は無事終了。

5月4日 記:上田
3:00 起床。上田・田野が車 1 台を下山口となる
梅花皮荘に移動させるため早めに起床し、朝食を
取ったあとすぐに車を移動、往復約 2 時間のドライ
ブとなる。6:00 過ぎに登山口に戻り登山準備、東
北最難関・飯豊山の約 30kmの残雪期縦走の始
まりである。
6:30 日焼け対策を入念に行い、大日杉登山口
を出発。早朝なのに日差しが暑く日陰を選びなが
ら雪道を進んで行く。しばらくすると「ザンゲ坂 」 と
いう急登が始まる。名前のとおり首を下に垂れなが
ら登るような斜面であるが、大山の下宝珠越まで
の急登 よりは多少歩きやすく事前 トレーニングの
成果を感じながら急登を登る。

日焼け止めは入念に


7:30 無風の日差しの中、懺悔しつつも尾根筋
に出るとやっと少し涼しい風を受けることができた。
まだまだ懺悔は続 くが時折吹く風に元気をもらい
ながら高度を上げていく。雪解けが始まっているの
か道のりは雪があったり無かったりで、アイゼン歩
行にも注意を要した。ザンゲ坂が終わると次は「だ
まし地蔵 」が見える尾根歩きになる。「あれが地蔵
岳 」 と思わせながら実は手前のピークであるという、
よくあるだましにあっけなく引っ掛かりながらも「ここ
さえ登ればあとは快適な稜線歩き」と気力を振り絞
る。初日なんで荷物が重い・・・。
だまし地蔵あたりまで高度を上げると、斜面の積
雪が剥がれ落ちている光景も徐々に増え積雪の
多 さに驚愕する。今日は風が強い予報が出てい
たが、このあたりから地形によっては強い風を受け
ることが多 くなってきた。途 中ですれ違 った方 も
「飯豊本山小屋手前の岩場付近が爆風で立って
いられず飯豊本山小屋手前で引き返した」 と言っ
ていたし、やはり山頂付近は風が強いのを実感し
てきた。

剥がれ落ちた積雪の断面

10:25 やっと地蔵岳に到着。目の前には飯豊連
峰が広がり圧巻のスケールを醸し出している。まだ
まだ先は長いがひとまず第一の難所は突破。

地蔵岳より飯豊山を望む

地蔵岳から切合小屋までの道のりは、日差しの
強い中、剥がれ落ちそうな雪を上手に使いながら
夏道と交互にルートを選んでいく。雪あり土あり風
ありカタクリの群落ありの道のりを経て 13:00 御坪
通過。ここから切合小屋までは積雪期限定の雪渓
コースを登る。風が吹いたり止んだりで、ピッケル 1
本のみで登っている私は体が揺さぶられ、かなりヨ
レてきた。
13:50 切合小屋到着。強風で飯豊山頂に行け
ないのだろう、多くの人で賑わっている。山頂から
引き返してくる人も見えるし、小屋の中はすでに満
席の状態であった。安藤さんの 8 時間カラータイマ
ーが点滅しだし、この周辺にテントを張るかと予想
されたがリーダーの下した判断は「あと 1 時間進も
う」だった。稜線上の爆風の中でテントが張れるか
疑問に思いつつ更に歩を進めることになった。

雪あり土あり、なるべく雪を繋げて登る
切合小屋は満席
ほんの少しの高低差で風が凌げる

14:50 草履塚に到着、本日はここで泊まることと
なった。地形はかなりなだらかであるが、ほんの少
しの高低差で風下側は無風の状況となっている。
つまり、ギリギリの状態であるΣ(゚Д゚)。風向きが変
わったらアウトだと思ったが、雪の付き方からして
風向きは一定だと判断したようだ。テントを設営し
て、雪から水を作るなど曽根さんに積雪期テント泊
の復習をしてもらう。
昼はグサグサだった雪も夜には再び凍結するほ
ど少し気温は下がったがテント内は思ったほど寒く
なく、幸いにも爆風の影響を受けず初日の疲れを
癒すことができた。前回の白山の厳冬期テント泊
に引き続き、今回この爆風下でテント泊できたこと
は私にとって良い経験となった。上空では風が渦
をまいている気配を感じつつ、明日以降の晴天を
期待しながらあっという間に寝落ちた。


5 月 5 日 記:西村
3:00 起床。就寝時からずっと風はテントをバタ
バタと揺らしていたが、どうやら外は穏やかそうだ。
が、テント内は穏やかではなかった。前日に作って
おいた水の量が明らかに足りない。リーダーに激を
飛ばされ急いで雪を溶かす。多めに雪を溶かした
はずが、飲んでしまったのか、管理ができていなか
ったことを反省する。朝食を済ませ出発準備。テン
トの外に出ると、真っ青な空 と美しい飯豊連峰に
胸が高鳴る。

テント場からの朝焼け
御秘所

5:30、雪が少し締まっているのでアイゼンを装着
し、泊地出発。20 分ほど進むと「姥権現」というとこ
ろを通過する。ここには小さな姥様(石仏)が祀って
ある。帰ってリサーチしてみると「まんが日本昔ば
なし」で「姥清水 」 というタイトルで放送 されるほど
の物語がある場所のようだ。姥様を過ぎてすぐに
現れたのは「御秘所」と呼ばれる岩場。がっつり雪
山と思っていただけに、「聞いてないよぉ~」と思っ
てしまう。難しい箇所はなかったが、荷物が重たい
のでアイゼンとストックを操作するのに神経を使っ
た。
7:20 飯豊本山小屋。数人のスキーヤーがこの
小屋に泊まっていたらしく、滑り下 りる準備をして
いた。小屋のすぐ横に鳥居があり、その奥に本殿
らしき建物があるが、コンクリートと板で覆われてい
るためよく分からない。少し休憩を取り、先へ進む。
8:00 飯豊山(2105.1m)。百名山 GET。記念撮
影をし、喜んではいるがまだ全行程の 1/3 も来て
いない。ここからは雄大な雪の稜線を進んで行く。
遠くには 3 年前に行った朝日連峰が良く見えた。
9:30 御西岳(2012.5m)。青い空と白い雪のコン
トラストがとても美しい。9:40 御西小屋に到着し、
休憩を取る。雪に半分以上埋 もれた小屋の奥に
は凛々しい大日岳見える。登ってはみたいが…。
全行程に遅れが出ているため今回は諦める。

長い長いルート


10:10 天狗岳(1979m)。黙々とアップダウンを繰
り返しながら進んでいると、大きなクレバスや雪庇
が見えてくるようになった。吉村さんよると、ヒマラヤ
でも似たような光景があったようで、興味深い話を
聞かせていただいた。大きな割れ目が出てくる度
に「おぉぉぉぉ~」と声が出てしまう。
13:20 烏帽子岳(2018m)。次目指す箇所が見
えてきたので、少しホッとする。朝日連峰もそうだっ
たが、やはり東北の山は深い。歩いても歩いても、
まだまだ先は遠い。適宜休憩を取りながらいくつか
ピークを越え、「あ~、あそこをまた登り返すのねぇ」
と思いながら進んできた。
14:00 梅花皮岳 (2000m)。見 える避難小 屋周
辺の雪も溶けているようだ。
14:30 梅花皮小屋に到着。途中で出会った登
山者情報によると、ここには水場があるらしい。雪
山だしまさかと思っていたが、小屋に到着する途
中に水が流れているのを目視できた。小屋の中に
入るととてもキレイでトイレもある。あれこれ状況を
確認し、リーダーより本日はここまでとの判断が下
された。

癒しの水場

荷物を置き確認 しに行くと、しっかりとした水場
が。ジャージャーと出る冷たい水で顔を洗ったり、
頭まで流 し嬉 しそうな人(上田)もいた。道具や荷
物の整理、明日の準備を行いゆっくりと夕飯を取
り、小屋の窓から沈む夕日を見ながら楽しい宴と
なった。


5 月 6 日 記:田野
春合宿もいよいよ最終日 3 日目を迎えた。天候
は本日も快晴である。梅花皮(かいらぎ)小屋の正
面にはモルゲンロートに染まる北股岳があり、雪渓
ルートは斜度もありそうである。昨晩は手前のこの
小屋に宿泊 し、朝一体力のあるうちに乗り越える
吉村リーダーの作戦である。当初朝の冷え込みで
雪はガチガチに氷結 しているものと想定していた
が、気温が高いようで春特有のざらめ状態になっ
ていた。アイゼンは雪が出てくる手前で装着する
事にし、全員で装備を整えいざ出発。
7:00 北股岳頂上。
アイゼンが効かない雪で朝一でもかなりしんどい
登りだったが、全員そろって北股岳頂上に到着し
た。気温がまだ低いうちに越える事ができたのは
身体にも良かった。北股岳には個人的に想い入
れがある。北股岳の頂上から南側にはおういんの
尾根ルートという長いバリエーションルートが延び
ており昔チャレンジした事があった。麓には幻の温
泉と言われる湯の平温泉がある。この幻の温泉を
基点として、北股岳頂上まで登り 6 時間 30 分、下
り 4 時間 40 分、合計 11 時間行程のルートである。
筆者は湯の平温泉まで林道閉鎖時期に赤谷から
徒歩で 4 時間歩いてから登り始めたが、あいにくの
悪天候もあり途中撤退の苦い思い出となっていた。
今回別ルートからとは言えリベンジ登頂できたこと
は個人的に大変うれしかった。
しばらく風景を堪能し出発である。ここからはもう
斜度のある登りはないため、持っているメンバーは
2 本ストックに切り替える。今回のように合計 30km
を超えるような長距離歩行にはストックは個人的に
やはり有効だと思う。鳥の鳴き声だけが聞こえる絶
景の中、一同門内岳を目指 して雪の残る夏道を
進んだ。遠く飯豊の前衛となる 200 名山の二王子
岳が見えてきた。往路高速道路から見えていた秀
麗な山容をちょうど裏側から見ている事になる。筆
者が 20 年以上前の新発田市在住時によく登った
山でとても懐かしい。

門内岳から二王子岳を望む


8:30 門内岳着。
今日は風もなく本当に気持ちのよい山行日和
である。門内岳頂上を過ぎ、すぐ下の門内小屋に
立ち寄る。ここはこぢんまりとした小さな小屋で、新
潟県胎内市の管理となっている。この辺りは高山
植物の名所でもあるので夏にのんびりと景色と草
花を楽 しむためだけにこの小屋へ泊るのも悪くな
いかもしれない。2 日目の梅花皮小屋の石転び沢
直登クライマーさん達は別として、飯豊本山頂上
からの縦走路には数名のトレースがあるだけで他
の登山者とすれ違う事はまったくなかったが門内
岳を過ぎたあたりの雪渓上で初めて縦走者とすれ
違った。色褪せた帽子 ・ザックにウエア、そして編
み上げのスパッツ、年季の入った装備がただもの
ではない雰囲気を漂わせている。立ち止まってこ
れからのコース状況についていろいろと教えてもら
う。これから降りようとする西俣ノ峰では無理に雪
渓を使わず、藪漕ぎにはなるが笹に飛び込んだ方
がよいこと、リボンがちゃんとつけてあるので道に迷
う事はないことなど、情報をいただいた。大変あり
がたい情報で、飯豊を知 り尽 くしたなにやら仙人
様のようにも思えてきた。お礼を述べてお互いの
無事を祈って別れる。
地神山を越えると頼母木小屋が見えてきた。こ
れから降りる西俣ノ峰を視認することができた。こ
ちら側の正面には遠く朝日連峰が綺麗に見える。
ここで小休止。曽根 さんが足の筋を痛めたようで
痛み止めを飲んでいるとのこと、つまづく事が多く
なって心配ではあるがこの方もまたタフな方である。
西俣ノ峰への入口はこの辺りであるが、入口ら
しい入口は見えない。背丈ほどもある笹の大藪が
目前に広がっているだけである。我々がそれでも
自信を持って藪に飛び込めたのは先ほどの仙人
様が言われるようにちゃんとピンクのテープが道沿
いに結んであったからである。しかしこれは手ごわ
い藪である。背丈ほどの高さがあって足元が見え
ないにもかかわらず倒木が結構あり躓く。もしこれ
が下まで続くようなら、登り返して当初のエスケー
プとして準備していた隣の丸森尾根を降りようとの
声もあったが、上田さんが辛抱強く進んでいくと、
やっと雪渓に抜ける事ができた。助かった。これで
雪渓をつなぎ、つなぎ快適に下山する事ができそ
うだ。さらに雪のない部分は十分に整備されている
とは言えないが、ちゃんと踏み固められた夏道もつ
いているようである。もちろん地図上点線のバリエ
ーションルートなので贅沢は言えない。

藪漕ぎ 
遠く朝日連峰を望みながら西俣ノ峰尾根を下る


途中また一人登りの方と会う。ヘルメットを装着
し装備も十分なソロクライマー。先ほどの仙人様と
いい、ここはベテランのソロ好きクライマーが多い
印象である。高度が下がってきたせいか風がぬる
くなり暑い。雪の状態はどんどんざらめ化して悪く
なっていく。この状態の雪はアイゼンを装着したと
してもあまり効き目がない。勾配がそれほどない部
分ではシリセードで遊ぶなど余裕もあったが、進め
ば進むほど勾配はきつくなり怖さを感じるレベルに
なっていった。そしてついにJが滑落した。その時
一同一斉に「おおおおお」 と叫ぶ。止まった。が、
再びまた滑り始めて「おわわわわ」 とまた一同から
声が上がる。筆者はトップにいたので下から良く見
えたのだが、その数メートル下には雪の裂け目が
あってそこまで落ちていたら危険だったと思う。雪
面を蹴り込んで、と声をかけようやく安定したが、ヒ
ヤッとした瞬間であった。やはり雪上では何がおき
るか分からないものである。
このルートはこれで終わりではない。途中から目
的地である温泉の建物が見えてきたのだがその建
物がやたら近く見えるのである。近く見えるのだが
高度はまだまだしっかりある。ということは三角関数
で答え合わせをするとかなり勾配がきついという事
である。途中から雪はなくなったが、最後の最後で
なかなかの急勾配ルートとなった。両側が切り立っ
た急角度の峰を慎重に降りる。ロープあり、ちょっ
としたクライミングのロワーダウンありと最後まで気
は抜けない。もうみんな足が疲れてきて歩行もおぼ
つかなくなってきたところでようやく目指す下山口
に到着することができた。一度輪になって山行の
無事を讃え合った。安藤さんがここで一言「疲れた
わい」。ここから駐車場まで林道を下ってようやく長
かった 3 日間にわたる縦走は終わりを告げたので
ある。
と、忘れてはいけない。上田さんと筆者は休む
間もなく登山口にデポしたもう一台の車を取りにい
かねばならない。ひいいといいながら往復 2 時間
30 分の車の回送がスタート。それから夕食を買い
だし新 潟 県 内 の豊 栄 S A で宿 泊 。翌 日 は復 路
1000kmの高速道路旅が待っていたのである。
今回春合宿は日程がGWの前半になるか後半
になるかで天候的に大きく違った山行になったと
思う。たまたま筆者の予定で後半になったが、結
果的には道中ほぼ晴天という幸運に恵まれた。こ
れがもし逆だったら大変な言われようだったに違い
ない。(笑)
筆者的には大変充実した 4 泊 5 日の春合宿と
なった。皆様ありがとうございました。そして大変お
疲れ様でした。

寄稿

感謝いっぱいの合宿

安藤和己

一言で合宿の感想を云うなら「感謝」。先ずこうして生

きていること。合宿に参加できる健康体。山に誘ってく

れた仲間。その全てに感謝したい。

74歳にもなったので、いいかげんに止めようと思うし、

8時間も荷物を持って歩くと必ず足が痛くなってくる。

合宿では8時間どころか10時間以上歩く。テント場に着く

頃は大体ヘロヘロ。達成感というより、もう歩かなくてよ

いという安堵感でホッとする。それでも一晩寝ると足は回

復するので不思議だ。ビールも食事も旨い。病気になった

ら酒も飲めず、料理も美味しくないようだ。この幸せのひ

ととき。あ~生きてて良かった。

歩く最中は、若い頃、亀井や名越と春合宿後立山縦走など

思い出しながら自分がこうしてまだ元気に何とか歩けるこ

とにも感謝。ボッカや読図や天気予報では、ネットに強い

若い人に世話になりっぱなし。私だけヤバイ所以外は足が

痛いのでアイゼンを外しツボ足で歩かせてもらう。後輩に

も感謝。

1月頃、吉村から合宿参加の誘いがあり、参加の意思表示を

したものの体力に自信がない。メンバーを聞くと、女性陣が

二人いるので、何とかついて行けるかもであった。それに以

心伝心のリーダー。早速、冬靴の破れ目に黒いボンドを塗り

まくって、念のため胡田の店にチェックしてもらいに行く。

すると、固いものでこすると、ゴムがポロポロ落ちて来た。

10年も履いて来たので元は取った。前回はスポルティバを買

ったが今回は1万円くらい安いローバ。雪山はこれっきりかも

知れない。それでも8万円もした。年金生活者にはきつい。女

房には内緒。元を取ろうと思うと、また10年も頑張らんと。

3月のプレ合宿の大山で、その靴を履く。しかし私は今シーズ

ン初めての冬山縦走。案の定、足が痛く、ヘロヘロ。靴が合わ

ない気がした。その後、小五郎山の縦走でも靴慣らしをした。

結果、足首を締めすぎたことに気付き、緩めると快調であった。

今回は荷物もわずかだが共同装備をボッカして歩けた。将来、

個人装備まで後輩に持ってもらうようになるまでは、現役を続け

たいと思う昨今である。生きていることが楽しいので。

初の春合宿

曽根ひとみ

いつかは行ってみたかった飯豊山に行ってきました

奥深く雄大でとてもキツイと聞いていた山岳宗教の山に、まさか

残雪期にテント泊装備を持って2泊3日の飯豊連峰縦走30km、歩け

るのか少し不安 !?

アイゼン装着して初日の重たい荷物持ってザンゲ坂を登ると地蔵

岳山頂、目の前に雪で真っ白な飯豊山本山を眺めて感動…今日の

目的地まだまだ遠いい~

晴れてはいるが稜線にでたら予報通りの吹きつける強風、本山手

前草履塚まで進みテント泊。

2日目は前日の風も収まり穏やかで快晴、御来光を堪能。アイゼン

装着しまだ重たい荷物を持って本山への岩場歩きはきつい。本山か

らは北の朝日連峰だけではなく磐梯山、吾妻山、など遠くの山々も

見えて最高の眺望の中を縦走。水場のある綺麗な梅花皮小屋泊り。

3日目快晴の稜線歩き、初日から見守ってくれた朝日連峰、透き通っ

た真っ青な空、連日歩いて来た飯豊連峰とも頼母木山でお別れ、こ

こからの下山は雪の激坂、藪漕ぎ、激坂、藪漕ぎ1000mまで下ると

花も多く、イワカガミ、ショウジョバカマ、色の濃いいカタクリ、

目の高さで咲いているタムシバ、ツバキなどに癒されて最後は

激坂!激坂!激坂の下りでした。

春合宿ロングコース、数々の急登、激坂下り、登り返しはもちろん、

初日の強風に、岩場、クラック、クレバス、雪庇などもあり注意し

ながらの縦走。残雪期らしい景色、空の色、土、藪、岩、雪のバリ

エーションでアイゼンワークが試されました。

大自然の中でのテント泊は雪上のテント張り、雪での水作り、美味

しく工夫された山食での楽しい夕食、テントの中の皆さんの無駄の

ない行動を学びました。

連日の天気は最高で快晴、とにかく暑く残雪を食べたり顔に当てた

りして凌ぎなから時折吹く風と、リーダーの「休憩!!」の言葉に助け

られました。

残雪期の2泊3日の縦走は初体験の事も多く、色々な事をメンバーの皆

さんに教えて頂き助けられて、残雪たっぷりの飯豊連峰縦走を満喫し

ました。達成感も大きく飯豊連峰最高でした。皆様に感謝です。

ありがとうございました。


<コースタイム>
5 月 3 日 3:30 廿日市発 → 4:20 小谷 SA →
17:30 大日杉登山口
5 月 4 日 6:30 大日杉登山口発 → 10:25 地
蔵 岳 → 13:00 御 坪 → 13:50 切 合 小 屋 →
14:50 草履塚
5 月 5 日 5:30 泊地発 → 7:20 飯豊本山小
屋 → 8:00 飯豊山 → 9:30 御西岳 → 9:40
御西小屋 → 10:10 天狗岳 → 13:20 烏帽子
岳 → 14:00 梅花皮岳 → 14:30 梅花皮小屋
5 月 6 日 5:35 泊地発 → 7:00 北股岳 →
8:30 門内岳 → 8:20 胎内山 → 9:10 地神山
→ 10:10 頼 母 木 山 → 13:00 西 俣 ノ 峰 →
14:50 西俣ノ峰登山口 → 15:10 梅花皮荘 →
広島へ(5/7 18:00 着)


飯豊連峰縦走



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