大山 三鈷峰東谷


吉村

蝋燭岩

月日:2017年3 月25 日(土)~26 日(日)  (係)吉村
参加者:三谷、川本
<行動記録>
以前無雪期の秋に三谷君係で東谷から振子山・地獄谷へと例会でトレースされていた。今回は東谷最奥部を詰めるか、三鈷峰の北東側のルンゼを詰めるか現地判断で出かけた。
25 日 朝広島を出発し大山寺仁王茶屋駐車場に車を置き歩き出す。計画書を派出所に提出し川床に向かう。今年は雪が多くスキー場も一部営業している。
川床からは、道路がカーブしたところから入谷し、左岸を行く。雪の残っている部分を繋げて上流へ向かう。3 回ほど渡渉し本日の目的地の東谷出合に着く。出合は開放的で平坦な雪面が広がっており、テントサイトにうってつけである。
今回は雪の詰まったルンゼを登るため、軽量化を図った。①テントの固定はピッケル・バイルを活用し竹ペグなし②ゴアテントで晴れ予報なのでフライなし③テルモスは3 個→2 個など。そのためテント設営も至極短時間に終えることができた。テントに入れば水は沢の水を汲んだので雪を溶かす必要も無い。
夕食は焼肉である。マトン、トリノセセリ、牛コマギレ、豚耳の野菜炒めと進み、かけうどんで締めた。
26 日4 時起床し5 時40 分には準備が出来たが、まだ薄暗い。これから入る東谷のシュルンドを警戒してヘッドランプが要らない明るさを待って出発した。雪面と流れが交互に現れていくが、登るに従って流れは雪の下に消えていく。
二股で三鈷峰頂上を含む北側が良く見え出す。三谷君と協議し、頂上稜線のコルを登るより東谷最奥部を詰めてユートピアに詰め上げるほうが無難だと判断する。

ルートを眺める
ルートを眺める

谷が右に曲がり傾斜を増すと、右前方に蝋燭岩が見え、その左上に喉のように狭まったルンゼが現れてきた。ここからはその上部は見えないが、ユートピア小屋が想定される。
ルートは蝋燭岩基部を左上し、2 つ目の岩尾根下部を横切りルンゼに入りその上の疎林の尾根を伝って抜けることにした。川本君トップで係・三谷君と続く。斜度は益々急になりダブルアックスと脹脛を駆使して登っていく。蝋燭岩から上部は親指大の石が時折落ちてくる。最後のルンゼは斜度45度位で、脹脛がパンクしそうになるが、危険地帯はスピード感を持って抜け切るしかない。

ルンゼの登攀
ルンゼの登攀

疎林の尾根に達し体を確保できるありがたさを感じる。疎林の尾根もやがて雪面となり斜度が落ちてきて、なるい所に達するとユートピア避難小屋が見えてきた。安全圏へと先が見えてきたので一安心である。更に雪面を登っていくと「バフ、バフ」と音がする。表面はクラストしているが中はホワホワのようだ。
小屋まで上がり登ってきたコースを見る。谷底は見えないがすり鉢状の雪面が落ち込んでいる。登っている最中に雪崩や大きな落下物があったらまず逃げられない。
雪の締まった早朝に抜けたこと、メンバーに技量・体力が揃っていたことが成功の鍵であった。しかし、危険な匂いのする東谷最奥部ルンゼである。

三鈷峰より
三鈷峰より

<コースタイム>
3/25(土) 駐車場( 13:30 )→川床( 14:30 )→泊地・東谷出合(15:50)
3/26(日) 泊地( 5:45 )→ユートピア避難小屋(8:05)→三鈷峰(9:50)→元谷(10:40)→大山寺(11:05)→駐車場(12:00)

ルート図
ルート図