個人山行:薮歩きシリーズⅧー湯来冠山で念願のルートの薮歩き縦走(湯来冠山~塩石山~滝谷山)


亀井且博

<月日>3月24日(水)快晴

<参加者>単独

昨年、猪股峠から灰郷スマモ山へ薮を歩いて縦走した時以来、東側に並行して連なる湯来冠山の稜線が気になっていた。上打尾谷~長谷四等三角点(763.2m)~水ケ横路四等三角点(969.9m)~湯来冠山~塩石山~滝谷山~本多田と湯来冠山の南北に連なる稜線で、記録がほとんどない薮の稜線である。昨年明らかになった、市間山~立岩山の稜線、猪股峠~灰郷スマモ山の稜線と同様に、広島西ウインドファームの、リーガロイヤルホテルぐらいの高さの巨大な風車を設置する風力発電事業が計画されている稜線でもある。県北に行き来する度に打尾谷を通るが、その際いつも行こう行こうと思っていたが、ようやく歩きに出かけた。

<行動記録>

湯来ロッジの駐車場に車を停めて中打尾谷まで佐々木観光のコミュニティバスに乗る。中打尾谷バス停から少し道路を歩いて、高架橋を渡る袂のガードレールの端から尾根の北端に取付いた。急斜面の薮の中を適当に登ると、尾根にはしっかりとした踏み跡道と古いテープ標識があった。踏み跡道は笹が茂っている場所では分かりにくく、薮漕ぎになるが、途切れずに続いている。 763.2mの三角点(四等三角点、長谷)を越えると稜線の傾斜も落ちて楽になる。登山道並みのしっかりとした踏み跡もあるが、登るにしたがって笹が多くなってくる。837mの独標を越えて次のピークを越えるとますます笹が密な場所が出てくる。969.9mの三角点(四等三角点、水ケ横路)は笹原の中である。

四等三角点、水ケ横路、969.9mの笹原

この辺りの尾根は西が植林地で東が雑木林とハッキリ分かれている。頂上に近づくほど笹がうるさくなるが、かまわずに進むと急に笹が刈られた少し広くなった湯来冠山の頂上に飛び出た。

DSC_0263湯来冠山頂上からの県境稜線の眺め(左が吉和冠山、右は女鹿平山)

頂上から西側は木が少し伐採されて眺めが確保されている。吉和冠山や女鹿平山が見える。湯来冠山の頂上からは南に延びる薮尾根を辿る。すぐ次のピークで左折するが、気づくと少し右の尾根に入りかけていた。修正して塩石山に向かう。塩石山の頂上には白骨化した奇妙な形の木がある。相当な目印になる。右折して急な斜面を方向を見定めて下るとコルには作業道が上がってきている。899m独標の手前に森林作業者用の休憩小屋が建っている。古いものだろうが、まだ十分に使えそうで、いざとなったら避難小屋として使える。歩き易い顕著な尾根を辿り、滝谷山に向かう。滝谷山の近くは笹が茂ってきた。笹の茂る滝谷山の頂上にも白骨化した面白い形の木があった。三角点の周りだけ笹が刈ってある滝谷山の頂上で昼食を摂る。

滝谷山頂上の面白い形の白骨

702m独標手前には新しい作業道が上がってきている。するとやがて古い里山道に合流した。

しばらく里山道を辿り、尾根が別れる地点で里山道を捨てて尾根通しに下る。途中、クマの寝床の横を通って一気に下ると民家の前に出た。本多田のバス停まで集落の道を辿りバス停で今日の山行を終えた。

岩陰のクマの寝床

頂上までの北尾根には比較的しっかりとした踏み跡があるが、南の塩石山、滝谷山に向かっては、はっきりとしない場所が多く、また支尾根が多いので地図をしっかりと読まないと、とんでもない尾根に入る。単独の薮歩きはクマが怖いので、鈴を鳴らし、ラジオのボリュームを大きくして歩いた。もう山にも春が来ているのを感じながら温かい陽射しの中、気持ち良く歩いた。長い間気になっていたルートだったので満足感に浸って帰った。

<歩行距離>

9.3㎞

<コースタイム>

中打尾谷バス停7:15→7:27尾根取付き→8:32長谷四等三角点(763.2m)→9:38水ケ横路四等三角点(969.9m)→10:15湯来冠山10:30→10:51塩石山→11:40滝谷山12:05→13:20本多田バス停

<コース図>

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