個人山行:八ヶ岳(阿弥陀岳北稜~赤岳)


上田(大)

2021年2月11日(木)~14日(日) 記:上田

参加者:吉村、田中(剛)、堀田

「八ヶ岳に行ってみたい・・・」と堀田さんが呟く。八ヶ岳の赤岳周辺は山岳会に入る前に初級雪山登山で行ったことがあるが、阿弥陀岳に登ったことがないのでちょうど良い機会だと思い、2月に4連休が取れれば行ってみようと計画した。メンバーを募ると「ノーマルルートは許さん!」「アイスは任せろ!」と吉村さんと田中さんが加わり、天候も大丈夫そうなので決行した。

<行動記録>

初日に行者小屋まで入り、2日目に阿弥陀岳・赤岳をピークハントし、3日目を予備+下山として逆算し、初日は早朝3時に広島を発つことにした。 ルートは赤岳と阿弥陀岳の2つを登ること、今後のために赤岳鉱泉を含めて広く赤岳周辺を歩くことを目的とした。吉村さんと相談し阿弥陀岳北稜の登攀を加えることにした。

(2月11日)

吉村さん、堀田さんには3時に宮島SAに入ってもらい、沼田PAで自分を拾ってもらう。そこから諏訪ICまで長いドライブとなる。2時間毎に運転を交代し、11時前に諏訪湖SAに到着。田中さんとは12時に茅野駅で合流予定としているので、しばし諏訪湖を眺めて時間を潰す。予定通り12時に田中さんと合流し美濃戸口に向かう。 13:25美濃戸口に車を駐車、装備を整えて出発。厳冬期ではあるが今回はやけに暖かい、 すぐに衣類調整をしてヤッケを仕舞う。

美濃戸口駐車場、今日は暖かい

14:40美濃戸山荘を通過し北沢・南沢の分岐に到着、今回は通ったことのない南沢経由で行者小屋へ直行する。

北沢・南沢分岐、今回は南沢(右側)へ

南沢は樹林の中を歩くことが多く北沢の開けた感じとは少し趣が異なるが、日差しを遮られるので今回はちょうど良いと感じた。

南沢は樹林帯の中が多い

18:00予定より1時間遅れで行者小屋に到着、テントを張り水を取りに行く。水場はテント広場から文三郎道方向へ50m行った右手にあると先行者に教えてもらう。

行者小屋到着、暗くなってしまった・・・

厳冬期の冬山を堀田さんに経験してもらう予定が、どうも天候が良すぎで気温は体感-5℃程度で無風、テントの中は全く寒くない。「モンベルの#2のシュラフじゃ寒くて寝られんよ」と厳冬期用のシュラフを買わせてやって来たが、#2でもギリギリ寝られたかも・・・。まあ、こんなことはめったにないと思います。軽く宴をして22時就寝。

(2月12日)

4:30起床、前日に周囲が全く確認できなかったので、6:40周囲が少し明るくなってから阿弥陀岳に出発。阿弥陀岳北稜について事前に調べた結果、中岳沢の西側の一般道から岩場に取付く記録が多かったが、今回は樹林帯から2578mジャンクションピークを通過するルートを選択した。おそらく樹林帯からジャンクションピークへのトレースは期待できないだろう。

行者小屋から阿弥陀岳を望む、よく見ると岩場の取付きまで見える

6:50行者小屋から300mほど進みトレースはないが樹林帯に突っ込もうと吉村さんがルートを選択する。ワカンを装着しラッセル開始。ところどころ倒木によりギャップ(高低差)の激しい箇所もあり大変であったが、なかなか経験できることではないので良い経験になった。

樹林帯のラッセル

9:25かれこれ2時間半のラッセルの末、2578mジャンクションピークに到着。岩場の取付きは見えているがまだまだ遠い。

2578mジャンクションピーク

10:15ジャンクションピークからリッジ上の尾根をしばらく上がると一般道からのトレースと合流する。ここからは急傾斜となるのでワカンからアイゼンに装備を変える。

一般道からの合流点よりジャンクションピークを振り返る

上を見るとブログでよく見る岩場の取付きが見えている。先行者が1パーティ取付いている。

一般道からの合流点より岩場取付きを望む、ここからが急登となる

ここから急斜面の雪面を登って行くがかなりの傾斜である。今回はロープを出さなかったが、できれば出した方が良い場所であったと後から反省。

岩場取付き手前の急登

アイゼンをしっかり蹴り込み徐々に高度を上げていく。ところどころ灌木があるのが唯一の安心感。

急登で下を振り返る

風がないのも救いかもしれない。強風だと辛いだろうな・・・。左には富士山が見えるようになってきた。わぉ~。

左を見ると富士山が!

10:50急斜面を登りきると、ブログ等でよく見る岩場の取付きに出た。ロープを出し岩場を登る準備をする。

よく見る岩場の取付き

あと岩場を2ピッチ登れば山頂である。2ピッチなので公平にリードできるように1ピッチずつリードすることにした。先行は堀田、吉村班、そのあと田中、上田班が登ることになった。

1ピッチ目スタート

1ピッチ目のすぐ上のバンド帯(残置ロープのある場所)から上に進むあたりが手掛かりが無く、かと言ってバイルが刺さるような場所もなく、アイゼンの爪だけを信用して上がっていくところが核心であったと思う。このようなアイゼン登攀も必要なんだと感じた。

1ピッチ目の終了点

2ピッチ目は傾斜も緩く簡単である。最後に4mばかりのナイフリッジが出てきてなかなかの高度感。ナイフリッジを渡ったところの木で支点も取れそうだが、ロープに余裕があるので緩やかな場所まで上がり、デッドマン+スタンディングアックスビレイで後続を確保する。

2ピッチ目のナイフリッジ

ナイフリッジを越えると後は緩斜面を5分ほど歩き山頂到着。

ナイフリッジを越えれば緩斜面

12:45山頂到着、360°の展望ができる最高のロケーション。記念撮影をして、阿弥陀さんに無事故をお礼して赤岳に向かうことにする。

阿弥陀岳山頂にて

阿弥陀岳からは中岳を経由して、文三郎尾根分岐を通過して赤岳に進む。阿弥陀岳から中岳に向かう下りは一般道だが、急傾斜で良い道ではない。「崩落が進んでいるんだろう」と吉村さんが呟く。

阿弥陀岳一般道の下り、結構ムズい

14:40中岳山頂、15:15文三郎尾根分岐、15:55赤岳山頂に到着。ガスはかかっておらず景色は良いが風がぼちぼち強くなり長居は無用、記念撮影をしてさっさと下山に取り掛かる。一応、これで今回の山行の目標は概ね達成でき、胸をなでおろす。

赤岳山頂にて

17:30日の入時刻ちょうどにベースキャンプ行者小屋に到着。行者小屋までの下りも雪は締まっておりアイゼンがよく効き、気持ちの良い下山。いつもより早めに宴を開始し、皆さん腹が減っていたのか持ってきた食材を全て食い尽くし就寝。(就寝時間不明)

(2月13日)

4:30起床、最終日は赤岳鉱泉付近で散策か、アイスクライミングを経験させてあげようと思っていたが、硫黄岳の爆裂火口が見たいという意見もあり「天気が良ければ硫黄岳に行ってみよう」と相談していた。山行前の予報では晴天は期待できなかったが、蓋を開けてみればピーカン。ということで、11:15硫黄岳を狙う。

硫黄岳爆裂火口にて

硫黄岳に係が数年前に行った時は、風が強くまた風を遮れる場所はなくすぐに引き戻したため、このように晴天で火口をが見れ気持ちよかった。なので今回は三角点の近くまで散策。

硫黄岳爆裂火口を三角点側から望む

13:10赤岳鉱泉まで下りてきたが、アイスクライミングを体験する時間は残ってなかった。今回は断念。聞くところによると田中さんはアイスクライミングにハマっていた時期があり、ジョウゴ沢によく通っていたそう。「じゃ、また次回行こう」ということで次回に期待。

また今度、赤岳鉱泉

14:00名残惜しいがデポした荷物をパッキングして赤岳鉱泉を後にする。暗くなる前に車での荷物整理をした方が良さそうなので・・・。下山は明るい感じの北沢を下る。

沢が赤い

北沢の沢はやけに赤く、雪の白と空の青とのコントラストが素晴らしい。これを見ると赤岳にやってきた感じがする。

約3時間の歩きを経て17:00美濃戸口に到着し、山行終了。 八ヶ岳山荘で風呂に入り、翌日仕事の田中さんを茅野駅へ送り、スーパーで買出しをして諏訪ICから高速に乗る。すぐの辰野PAで車中居酒屋を営み、翌日広島へ。

今回は厳冬期の山行経験を期待したが、想定外に暖かい気候。これに安心せず、厳冬期の装備はしっかり揃えて山行に望みます。そして、次回はアイゼントレーニングをしっかり、次は赤岳西壁主稜に行きましょう!

<コースタイム>

(2月11日)

3:10 宮島SA発 → 3:20 沼田PA → 10:40 諏訪湖SA(休憩) → 12:10 茅野駅(田中合流) → 13:25 美濃戸口駐車場発 → 14:40 美濃戸山荘 → (南沢) → 18:00 行者小屋

(2月12日)

6:40 行者小屋発 → 6:50 樹林帯(ラッセル) → 9:25 2578mジャンクションピーク → 10:50 北稜岩場取付き → 12:45 阿弥陀岳山頂 → 14:40 中岳 → 15:15文三郎尾根分岐 → 15:55 赤岳山頂 → 17:30 行者小屋

(2月13日)

7:10 行者小屋発 → 7:50 赤岳鉱泉(荷物デポ) → 10:30 赤岩の頭分岐 → 11:15硫黄岳頂上 → 13:10 赤岳鉱泉(荷物パッキング) → 14:00 赤岳鉱泉発 → 15:30 美濃戸山荘 → 17:00 美濃戸口駐車場着 → 18:30茅野駅(田中解散) → 辰野PA(車中泊)

(2月14日)

7:00 辰野PA → 15:20 沼田PA → 15:30 宮島SA着

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