No.3516 比婆山 (係)多賀谷(重) 2月22日~23日


三谷 和臣

<参加者>
多賀谷(重)、大前、藤井(隆)、小泓、吉岡、吉村、武田、溝手、藤井(裕)、三谷、小此木、竹本、福永、神庭、田房、山本(文)

≪初めてのスキーツアー≫
 楽観的な私は、フリーとレックによるスキーツアーの誘いに軽く乗ってしまい、非常に辛い思いをすることになる。なお、本文は記録としての価値は余りないので、報告の詳細は、会報にてお願いします。

 藤井(隆)さんの差し入れと各自持ち合わせたお酒に、今回もまた飲み過ぎてしまった。風景がグルグルユラユラ、気分が非常に悪い。加えて、風邪もひいているために、何の症状だか訳がわからない。そのため、立烏帽子山への登りは楽勝コースだが、普段とは違う汗をかくことになる。大前さんには、またかという顔をされる。喜んで走り回る犬とは対照的に、私は始終元気がなかった。
 板の装着に手間取ったが、何とか歩行可能な状態になる。いよいよ試練の道へ。慎重に足を前に出すが、シールのフリクションがしっかりと利き、まずまずの滑り出しである。しかし、簡単と思ったのはそこだけ。
 駐車場の東屋で小休止の後、立烏帽子山の山頂は迂回し、鞍部に出る。スキーのモードを切り替えて、いよいよ滑降開始である。昨夜の雨で雪の斜面は氷の板になっている。まず、吉岡さんが先頭を切って行かれる。では、私も。板を少し滑らしてみると、ズリズリズリ、ドテッ、あれ?おかしいな…。こんなはずでは…。綺麗なシュプールを描くどころか、醜い尻餅の跡をつけることになる。そうこうしているうちに、皆さんはあっという間に霧の中に消えていった。この先、例会山行なのに、なぜか孤独な山行となってしまったのは言うまでもない。登山靴の場合、アタッチメントを装着しても完全には足首を固定できず、スキー靴のようにはいかない。私のレベルでは、到底制御不能である。まるで、雪道で止まることができない、あるいはハンドルを切ることができない暴走車である。無理に止まろうものなら、頭から突っ込みそうである。やはり素直にこける方が自然体で一番安全。スキーを自在に操ろうとするもくろみは、早くも諦めざるを得なかった。歩けばごく普通の雪の斜面が、とてつもなく難関のように思われた。
 木々が樹氷の花を咲かせている。それだけはきれいだった。
 歩き組と合流するが、遅れている私には会話すらできず、樹林帯に再突入する。御陵へ続く下りには、木々がバリケードのように立ちはだかる。神経を集中し、5m先2時の方向、細い木めがけて突撃!しかし、鉄条網のように張り巡らされた枝に引っかかり大転倒、むなしい結果となる。時には勢い余って体当たりする。なぜ、こんなに木が生えているのだろうか?数の多い木の方が避けるべきである。理不尽なことを一人で考え続ける。こけるのは容易だが、ザックを背負っているため、立ち上がるのに一苦労する。無理な体勢でこけると、体中の筋肉がつりそうになる。立ち上がるたびに息を整えないと、酸欠で目眩もしてくる。
 以降、烏帽子山からの下りも同様の展開となる。小泓さん、小此木さんは気持ちの切り替えが早く、スキーをはずしておられた。その選択は正しかった。スキーを外せば楽になることができるが、変なこだわりというか、自分をいじめる変な趣味のようである。
 悪戦苦闘の末、静かな出雲峠に到着する。最後は、田房さんの先導付きで無事ゴールすることができた。迷惑顧みず、皆さんを待たせてしまいすみませんでした。久しぶりに精根尽きた山行となりました。係をはじめとする皆様、良い機会を与えていただき、ありがとうございました。家に着いたとき、片手にはフリートレック、既にお買い上げとなってしまった。押入の奥に入らぬよう、たまには練習したいと思います。
(記:三谷)

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