NO.3485 大山 甲川   7月19日(夜)~21日


神庭

<参加者>大前、名越、児島、小此木、田房

<行動記録>
7月19日
横川駅19:30出発。の予定だったが、スコールのような雨で田房さんを乗せた呉線が止まり、波乱の出発である。しかし皆さんの迅速な行動で、ほぼ予定通り、大山の「ホテル・バスストップ」にチェックインできた。

7月20日
天気は最高、久しぶりの大山が懐かしく美しい。うぐいす橋へ移動してパッキングを行い、1台を香取の林道終点に回送して、そろそろ暑くなる9時過ぎに入谷した。驚いたことに沢の水が冷たくない。谷の中には前方から温風が吹いている。昨日の雨のせいだろうか?とにかく助かった。しばらく歩いて約50分でF2、立てかけてある木とショルダーで2m滝の左を越し、続く滝と釜は左岸に登って滝の落ち口へ小さく懸垂下降。大したことはないが、滝の落ち口は滑りやすかった。次は、右岸から大きな滝が落ちているすぐ先で、20mほど泳ぎ、2m足らずの小滝をショルダーで、ショルダー・・・でぇ、ダメだ、越せない。土台になってくれた小此木さんと係は凍えながら退散、左岸を巻くことにする。

しばらく行き、いよいよ下の廊下核心のF4。30~40m泳いで左岸に取り付き、ハーケンに長いスリングをかけて水流の激しいナメ滝を右岸へ渡り滝上へ。小此木さん・田房さん・大前さんが続き、ザックはまとめてロープで引き上げた。この核心の身動きが取れない状態で、あんなに晴れていたのに大雨が…。暖かいのは助かるが、このまま降り続けたら困る。続く水流の激しい釜は、係は高校の頃、必死に泳いで溺れそうになりながら右岸に取り付いて越えたが、今回は小此木さんトップで右岸をアブミで3mほど登り、トラバースして5mの懸垂で抜けられた。知らなかった。廊下を抜けると雨もあがり、13時過ぎに昼食とした。ここで、ザックを広げると水であふれている。児島さんと係はカメラが水浸し。ヘッドランプは中に水が溜まって、スイッチを入れるとまさに「水中ショー」。

昼食後、しばらく穏やかな流れを歩く。小滝を越えていくと、正面に2条の滝とルンゼ状があらわれる。ハーケンの打ってある滝を選び、頭に水をかぶりながらアブミで登る。そしてしばらく行くと急に落ち着いた雰囲気となった。幕営地は近い。注意しながら歩いていると、田房さんが香取林道へ抜ける道の小さなテープ発見。その30mほど先には谷間にロープが張ってあった。おそらく、ここで溯行を打ち切る時の目印だろう。テン場を求めて百メートルあまり進み、左岸に一段上がった笹藪で幕営とした。後続3人が遅いと思ったら、児島さんがメガネを途中で落としたので探しているらしい。これは奇跡的に発見された。また田房さんが発見者。すごい視力というか観察力というか。
ツェルトを張り、木を集め、いつも通りの楽しい夜が始まった。満月に近い月光と、周囲を取り囲むホタル。煙のおかげで虫もこない。久しぶりのこういう夜に、名越さんも満足そう。大前さんは気持ちよさそうに火の横で大の字になって寝ている。最後まで皆が火を囲んでいた。児島さんを除き、それぞれツェルトに戻っていった。河原で寝た児島さんは、明け方、幻想的な光景を目にしたという。

7月21日
いよいよ上の廊下が始まる。天気も良し。ここから先は係も初めてなので、胸が躍り出してきた。甲ヶ山からの沢を過ぎて、上の廊下が始まる。F9は左岸をアブミで約20mトラバースしながら上がっていくが、快適で楽しい。見上げると、同じ広さで両岸の岩壁が上へとのびている。なんという深い廊下。これが造られた時間を想像してみるが、見当もつかない。大前さん・小此木さんが続き、沢デビューの田房さん。天応で溝手さんにアブミの練習をさせてもらったのと、大前さんのアドバイスのおかげで無事通過。児島さんと名越さんはさすがに慎重な動きで登ってくる。続くF10はプールを右岸に泳いで取り付き、アブミを使いながら3m直上、徐々に右へ斜上しながら、5m直下に降りる。テラス状の下、水流の中に向かってハーケンは一旦下がっているが、降りずに右へ体を振り、滑り台状を登って抜ける。大前さん、小此木さんと続き、再び田房さん。おかしい、こないなぁ。覗くと第1ハーケンまで来ているのに上がってこない。児島さんが「引っぱれー、せーの!」といっている。わけもわからずひたすらロープを引っ張る。聞くと、あと3センチハーケンに届かなかったようだ。結局自力で引っかけて、何とか上がってきた。が、握力がなくなってアブミが「ポチャン!」。水深1.5mに沈んでいるのが見える。田房さんには先に進んでもらい、ハンマーをイカリにして回収。回収を終えた頃、向こうでまた「アブミが落ちたー」。見ると、水流ぎりぎりのハーケンに引っかかっている。なんて運の良い人。最後を持ってくれた名越さんには、ハーケンチェックの間違いを指摘された。他にも間違ったことをやっていると思うが、こういう指摘はありがたい。全員が越えた頃にはすでに昼をかなり過ぎていたが、続くF12を左岸のバンドで越えてから、平流となり落ち着いた砂地で昼食とした。10時に取り付いて、抜けたのは15時前。距離にすれば数十mなのだが、何と時間のかかること。しかし、進めないもどかしさはなく、満足感で一杯だった。

できれば矢筈までと思っていたが、それはまた次回の楽しみにとっておく。しばらく歩くと、これは全然知らなかったのだが、大きな堰堤に行く手を阻まれた。なぜこんな所にこんなものが必要なの?皆の疑問は残るが、40m手前の左岸に付けられた巻き道を上がる。巻き終わったところで右に谷が入っているが、そのすぐ左の尾根状に道がついている。地図を確認すると、車の回送ポイントに近いので、溯行終了としてこの道を香取林道に向けて上がる。約30分で舗装林道終点、「山火事注意」の看板前に到着した。

<コースタイム>
8:10うぐいす橋(回送) → 9:10入谷 → 13:20F4終了 → 17:30幕営地(標高540m付近)
8:30出発 → 10:00上の廊下F9 → 14:45上の廊下出口 → 15:30堰堤の上 → 16:00香取林道

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