2003冬・槍ヶ岳 2002.12.29~2003.1.3


吉岡 好英

<参加者>(L)吉岡、(SL)田房、大前、小泓、黒川、中島、楳村
<行動記録>
12月29日 横川駅北口 19時集合。三好名誉会長の見送りを受け、新穂高温泉旅行の石田さんご夫妻と共に3台の車に分乗し出発。

12月30日 東海北陸自動車道・飛騨清見IC手前のひるがの高原PAで白川郷の合掌造りを見に行かれる石田さんと別れる。我々は飛騨清見ICから高山経由で新穂高温泉に向かう。道路横に設置してある気温計は-15℃。道路上は完全に凍っており、慎重な運転が必要だ。新穂高温泉の無料駐車場はがら空きで、車を入れた後はオンドル付きの高級ホテル?で横になる。昨年と同様、6時頃には管理人が掃除にやって来る。しかたなく車に戻り、朝食をとったり、登山の準備をする。今日は槍平までなので、ゆっくりする。登山者の姿は少ない。登山届けを提出後、出発する。新穂高温泉から穂高平へは近道・夏道登山道を利用する。こちらの方が10分くらい時間を短縮できる。天気は晴れ。穂高平避難小屋前も登山者は少ない。周りの山々が白く輝き、初めての楳村は感嘆の声を上げていた。遠くには槍の穂先も見える。白出沢出合、滝谷の出合で大休止。滝谷の出合からは黒々と滝谷の壁が手に取るように見ることができる。以前は多くのテントが張られていた槍平には数張りのテントだけだ。昨年はもっと多かったのだが、厳しい冬の登山人口が減ったのだろうか?テント設営後はのんびり、お茶などを楽しむ。ゴアの3人テントは荷物用にして、8人用テントに全員が入る。夕方からは雪が舞ってきた。明日の天気と誰かのイビキを気にしながら、早めに寝袋にもぐり込む。

12月31日 4時起床。昨夜は少しの積雪のようだが、まだ雪は降っている。昨夜、決めたように、この天候はあまり長続きしそうにないので、大喰岳の西尾根から槍ヶ岳に登り、今日中に槍平に下りることを確認。もしものことを考え、2食分の食料と寝袋、ツェルトを持参する。12時までが勝負だ。テン場からしばらくはトレースがあったが、大喰岳西尾根取り付き下からは昨夜の雪で、トレースは消えている。新人にワカンを付けさせラッセルをさせる。宝の木でひと休み。ここからは昨夜ここに泊まったとみられる登山者が先に出発しており、上の岩稜へと一直線に踏み跡はある。岩稜地帯に入ってアイゼンを付ける。風と雪は容赦なく顔に吹き付けてくる。ガスの合間から、時おり槍ヶ岳が見え隠れする。長い尾根をいくつかのパーティーを追い越し、大喰岳頂上へ。ここから飛騨乗越までは急斜面なので、新人には歩き方等の注意をし、慎重に下る。槍ヶ岳・肩の小屋には予定通り、12時到着。冬季小屋の中は誰もいない。小屋の中で行動食をとったり、お茶などを飲んだ後、小泓-楳村、中島-黒川、吉岡-田房でザイルを組み、頂上ルートへ取り付く。調子が?の大前さんにはテルモスにお湯の補充をお願いする。登山者が少ないのでアッという間に頂上へ。それにしても鎖と梯子の連続はいただけない。展望のきかない頂上では写真を撮ったら用はない。こんなに登山者の少ない槍ヶ岳は初めてだ。大前さんの待っている冬季小屋で小休止後、下山にとりかかる。西鎌尾根は下から雪を風が吹きつけてくる。千丈乗越から槍平へと真っすぐについているトレースを辿る。テン場到着は暗くなるだろうと予想していたが、なんと1時間30分で肩の小屋から槍平まで下りてしまった。日没まではかなりの余裕であった。テントの中で水分補給のため飲みまくる。明日の行動は、天気しだいでは若者たちだけで奥丸山へ行かせることして、今日の疲れを癒すべく、日本酒、ウィスキー、…で乾杯!ホテル穂高に宿泊している石田さんに、明日は午後2時頃新穂高に下山することを電話する。

1月1日 若者たちは4時起床。オジサン3人は寝袋の中。若者たちには4時間の時間を与える。天気は快晴だと喜んでいる声が聞こえる。6時頃出発したようだ。8時を回ってから外に出てみると、空には雲ひとつなく、申し分のない登山日和だ。荒れるという天気予報は何だったん?若者たちが奥丸山からの展望のすばらしさに興奮して帰ってきた。撤収までに時間があるので、フリートレックで歩行訓練をさせる。すこしずつ空には雲が出てきたが、今日一日はすばらしい天気だろう。後から聞いた話だが石田さんご夫妻は前日に続いてロープウェイで上に上がられ、展望を楽しまれたようだ。大前、吉岡、田房、楳村は白出沢出合からの林道はフリートレックを履くことにする。大前、吉岡が滑り降りた後、田房、楳村はあえなく諦めたようだ。田房はビンディングが外れ、楳村は今までスキーなど履いたことがないので無理もないが。ホテル穂高前で石田さんと合流。石田さんには申し訳ないが、我々は中崎山荘で温泉につかり、疲れを癒す。16時過ぎに3台の車で帰路に着く。高山は雪だった。

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