開作峡&ドードーの滝 沢登り


松林

9月13日 係:松林
参加者:吉村(光)、元廣、平本
<行動記録>
 「関東・東北豪雨」をもたらした台風17,18号。9日には西中国山地でも匹見を中心に100mm前後の雨が降っており、例会前夜にも前線の通過により弱い雨が降ったが、当日は「曇り後晴れ」の予報だったので、本命の開作峡へ向かうことにした。
 R434で寂地峡の前を過ぎ、宇佐川大滝付近の温度計に目をやると、13℃。皆、この数字を受け入れたくないようである。紙屋橋の袂に車を止めて準備をしていると、霧で留まっていた水分がポツポツと少し落ちてきたが、歩き出すころには止んでいた。
 吉村さんの案内で川沿いの林道を歩き、4つ目の堰堤をいくらか過ぎたところで(4つ全て視認した訳ではないが、大きな水の音が聞こえたのは4ヶ所だった)入渓する。(著「西中国山地の沢」には3つ目の堰堤の先で入渓、と書いてある。)この時点で後川沢の出合は既に通り越していた。
 沢に降りてすぐ、周囲にゴツゴツした岩が見え始め、気分が上がる。5分ほどでF1と釜が現れ、覚悟して水に入って左側の岩を登る。その後は各自、細かいへつり等を楽しみながら進む。F2は大瀑で登攀不可能なため、左手の急斜面を林道へ向けて登る。林道に出てしばらく進み、傾斜の緩い斜面から沢に戻って遡行を再開する。
 次々と現れる滝に対して左、右、正面から、と皆いろいろな方法で取り付き、突破できるものもあれば、弾き飛ばされるものもある。ほとんどの滝は深い釜をもっているので怪我の心配は少ない。くの字に折れたところにある、落差1.5mほどの被った滝は容易には近付けず、お助け紐で直登しようとした元廣さんは全身高圧シャワーを受けていた。
 寒さによる足の痺れを感じていた時間帯もあったが、流れが緩くなり歩く時間も増え、日も射して体が温まってくる。まもなく川を横切る林道の橋に出て、ここで遡行終了。40分ほど歩いて駐車場所に戻り、「深谷峡は以前行ったことがあるし、寒いのは勘弁」という吉村さんを深谷峡温泉へ送り、3人で深谷峡・ドードーの滝へ向かう。

 係の「ドードーの滝へは左岸、蛇の谷付近から下降できる」という勘違いから左岸側の悪い道を進んだのだが、車を降りる頃に、元廣さんから「遡行図には右岸側に点線が描いてある」と有力な情報がもたらされる。蛇の谷周辺は傾斜が強く藪も濃いのでこちらからの下降は諦め、車で金山谷を経由して右岸側へ回る。
 「遡行図の点線」は見つからなかったが、植林帯の斜面から下り易そうなルートを見出し、沢に降り立つ。真正面には蛇の谷の滝。川幅の広い深谷峡本流を歩いて進むと、写真で見たドードーの滝入り口の釜に出くわす。意を決して入水し、左岸側から泳ぎつへつりつ進んで岩場に辿り着く。次の釜と小滝も左岸側から進み、狭いチムニーを攀じ登って上の段へ繋ぐ。3つ目の釜も同様に泳いで取り付き、狭い岩場に這い上がれるのか?という不安があったが、水中のスタンスを利用して岩場に上がることができた。このときの嬉しさといったら、どう表現して良いのか?この3人にしか分からない嬉しさだ。
 この先は落差の大きな滝(これがドードーの滝?)で、左岸側の岩場を10~15mほど登る。その上部で、“たった一歩だが恐いトラバース”を経て次の釜と滝を見ると、水流の激しい滝と、へつれそうにない厳しい両岩壁が見える。ここは可能性のある右岸側へ渡るにも、釜から下の滝への繋ぎの水流が速く、ロープが必要。さらにトップが流されるとビレイヤーも流されて共に滝壺に落とされる可能性もあったため、ここで断念する。左岸側の斜面を慎重に登り、林道へエスケープ。林道を少し進むと金山谷の集落に出て、左回りに車道を歩いて駐車場所へと戻った。
 入渓場所では地の底にあった深谷川が、ドードーの滝を経て集落に入るとたった3~5m下を流れている。向峠~六日市田野原の平野部の貫き方も含め、この辺りは地形的にも面白いところだと思った。
 2つの沢登りを終え、いつもの“源頭域を詰めて登る沢登り”とは違う楽しさが味わえた。泳ぎの区間が長い沢でもなく、“滝の前の釜だけが泳ぎ”の沢。アクティビティのような面もあるが、各々が突破方法を考えて進み、突破できたときの嬉しさが大きい。来年以降はこの手の沢登りも、沢登りの山行自体も増やさなくては、と思う係であった。
<コースタイム>
【開作峡】08:07 紙屋橋 → 08:35 林道から下降、入渓(4つ目?堰堤の先) → 08:43(F1) → 09:11 (F2)、右岸を高巻き→ 09:20 一旦道路へ、少し先から再び入渓 → 09:45 (F3) → 10:15 (F4) → 10:23 (F5) → 11:07 林道、荷物整理 → 12:08 駐車地点 → ~車移動~
【深谷峡ドードーの滝】13:30 駐車地点、下降 → 13:52 入渓 → 14:01 ドードーの滝 → 14:42 左岸側林道へエスケープ → 15:00 林道 15:30 駐車地点