石鎚山


吉村

月日:2月5日(金)夜~7日(日)
参加者:三谷、松林、川本

<行動記録>
直前になって、安藤さんより「兄が危篤で不参加」のメールが入る。本人曰く最後の冬石鎚山と思っての参加表明だったようで、残念に思う。5日夜、小谷SA外駐車場に集合し、テント泊する。
6 日5 時起床し、30 分後に出発する。西瀬戸自動車道を経て四国に入り、登山口の西之川に着く。ロープウェイ乗場前を200m過ぎた集落跡に路駐し、パッキングをする。隣の車の2 名も準備をしている。ロープやヘルメットが見えたので「北壁を登られるのですか?」と声掛けをすると、成就の東谷のアイスを登られるとのこと。地元の
山岳会の方で、近辺の氷瀑の情報を色々と教えていただいた。
ロープウェイに乗り、成就を過ぎ踏み固められた雪道を歩く。積雪は辛うじて白くなっている程度で10cm位か。ここも暖冬の影響だ。前社の手前でアイゼンをつけていると、先程の2 名の方が後ろから来られた。滝は凍っていなかったので、頂上に行かれるそうだ。
霧の中を登っていくと、二の鎖の避難小屋と隣の大きな木造の建物が見えてきた。どちらも新築だ。避難小屋の中では数名の方が休憩されていて、我々は2 階にザックを置き、東稜の偵察に出かける。土小屋への分岐から、雪の上に古いトレースがある。途中3 本のルンゼを横切るのだが、小さなデブリが落ちている。間隔をあけ雪崩に注
意しながら進む。3 年前と同じように東稜は下部をカットして、目星をつけた尾根を川本君を先頭に登る。最後を右上してコルに出て東稜に乗る。
暫く進むと「門のササ滝」が見え、トレースがつけられていた。ここからが核心部なので、美味しいところは明日に取っておこうと偵察を終え、小屋へ戻り始める。バックステップで下降中に私の右アイゼンが外れた。今回冬靴を新調したので、アイゼンの調整をしてきたのだが、甘かったようだ。また、小屋に帰り着く間際に三谷君が「アチャー」と叫ぶので、靴を見るとソールの踵側が口を開いている。
避難小屋に帰り着くと、1 階は四国の男性2 人が陣取り、既に宴会中だった。2 階の冬用出入口から入り、水作りを始めたがどうも薄ら寒い。小屋内は-2℃でわずかに空気が流れているのが寒さを感じる様だ。かと言ってテントを張るだけの高さ広さはない。そこで外張だけをなんとか張ろうと知恵をひねる。ツエルトとシュリンゲ・カラビナを使った雪訓での搬送の方法を利用することを三谷君が思いつく。やってみると上手く外張が張れ暖かい。夕食は一人当たり300gの焼肉大会だ。塩コショウだけの味付けだが、旨かった。
翌朝、起床しトイレから帰った川本君に外の様子を聞くと、「下ばかり見ていて分からない」と言う。君は天候が気にならないのか?外は吹雪だ。
朝食を作ろうと、食事袋を捜すが出てこない。車に忘れた?何度捜しても見つからない。仕方なく各自の行動食を出し合っていると、松林君が1階に下りて食事袋を持ってきた。下に落としていたのだ。
東稜へのアタック体制をとり、外に出てみると新雪は10cmだが吹き溜まりは30cmは積もっている。東稜へのアプローチの3 本の沢筋には雪崩が予想される。安全を優先して東稜は中止して下山することにした。
成就へ下山する間に数十名の登山者とすれ違う。その方々に雪崩の注意喚起をしながら。冬山では安全を期しての行動変更も有りだが、心は不完全燃焼だ