真砂(鬼丸)谷


大前 恒雄

南紀、真砂(鬼丸)谷  4月28日ー5月1日
大前 恒雄
個人山行   L宮本 博夫
参加者  大前、菅野、会員外、柳原 

南紀の谷に何度通ったか、何度も行くうちに距離を感じなくなるから不思議だ。
特に印象に残っているのは初めての南紀の堂倉谷、岩の白さ、透き透った水の美しさの白川又、台高、最険谷と言われる岩井谷、バランスの取れた自然の豊富な立合川、等

4月28日仕事を終え、慌しく広島を出発する、関東組とは4/29の7:00尾鷲での待ち合わせ、途中3時間ほど仮眠を取り久しぶりに会う仲間との再会、コンビニで少々の買い物の後、車、回送のため大台林道へ向かう。真砂谷下降地点で装備の点検をして、宮本、菅野、両君が車を花抜き峠入り口まで車の回送をしてくれる、待ち時間に竿を出してみる、本流ではアマゴ、真砂谷ではゴギが釣れる。
メンバーが揃って遡行の始まり。
しばらくゴーロを行く、一度空身で登り荷上をするが何も問題なく進む、
そのうち伏流になりゴーロを行く、頭の中で屋久島、宮之浦川の巨岩ゴーロを思い出した。何度か高巻をしたがなぜか滑る、沢靴のフエルトと落ち葉の相性が悪いのか、すごく神経を使った。
八町滝が見え隠れしだした頃、巨大杉のある所に最高のテン場があり、時間は少し早いが今日の宿泊地にする。(リーダー有難う)
いつも重いザックが今回は、やけに軽いと思ってたらビールを買い忘れていた、ボツボツ始まっている。
恐いことじゃ。
いつもの事、何の違和感も無く焚き火の準備、食事の用意、それなりに盛り上がったが昨夜の睡眠不足の為そこそこで打ち上げた。
2段100mの八町滝は威圧を感じる素晴らしい滝。
真砂谷は総合的には大きな滝は5~6有りますが小滝が少なくダイナミックと言うか大味な印象がする。
八町滝をすぎ二段50m滝はこれは見事、いくら見ていても飽きない素晴らしい、この滝を高巻して竜頭に下りた時思わぬ事が起きた、宮本君が猪がいる、見ると
岩のくぼみの中で、ビックリした顔をしてこちらを見ている、今まで猪とは何度も出くわしたが、猪がビックリして、慌てて去って行ったのに今回は違う。
よく見ると手負いで左の後ろ足を骨折している。
骨折した体でこちらに来る、ザックに向かって来る。
ザックの中の食料の匂いをかぎつけて来ると思い、何日も前から餌を食べてないと思い行動食をあたえる。
与えた行動食には目もくれず、まだ私達の方に向かって来る、これは私達に攻撃していると感じ、手負いの猪をこれ以上興奮させてはいけないのでその場を去った。なんか空しかった。あの場所に居ると餓死するか、雨が降り濁流に流されて死ぬか、それ以外の道は無いのに、どうしてやる事の出来ない人間の弱さを感じた。後はたいした難所も無く加茂助の頭を目指して登るのみ、2年前岩井谷を登っての下山道で石楠花を楽しみに下山したがほんの少しだけ見ることが出来た。

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