氷ノ山


吉村

3月21日(金・祝)~23日(日) (係)吉村
参加者:三谷、平本、兼森、松林

<行動記録>
 例会としては久しぶりの積雪期の氷ノ山である。今回は三連休を利用して二泊三日なので、何回か行った鳥取県若桜方面ではなく兵庫県但馬側から入山した。東尾根から氷ノ山、鉢伏山へと「ぶん廻し」コースを歩いた。
3月21日 朝7時に我が家を出発して、途中でピックアップしながら山陽道小谷SAで最後の松林君を乗せ、播但道、北近畿豊岡道と乗り継いで八鹿氷ノ山ICから国道9号線へ出た。広島から6時間掛けて福定の氷ノ山国際スキー場駐車場へ到着した。
今冬最後と思った(4/5に寒波)寒気のため霰混じりの吹雪の中の登山開始である。川を渡って対岸に取り付く所がよく分からず、地元のおじさんに教えてもらい再出発。スキー場のゲレンデの端を喘ぎながら登り、セントラルロッジに着いた。一休みしてすぐ上にあるキャンプ場を回り込み東尾根登山口へ。この辺りで昨晩からの新雪が60cm積もっている。登山道にはトレースが有り、迷うことはなかった。45分ほどの登りで東尾根避難小屋に着き、8人までなら泊まれる二階を今夜の宿とした。数枚の毛布が置いてあり、木の床に敷いて使わせていただいた。お陰で暖かかった。夕食は、つくしの炒め物・さんまの煮付け・ホルモン鍋。皆は美味しいと言っていた。
22日 4時起床。星が出ている。天気は良さそうだ。6時前に出発。昨夕頂上から下山してきた人のトレースは風に消されてほとんど分からない。雪は、そこそこ締まっていて、ワカンが調子いい。途中クラストした急登ではアイゼンに履き替えたが、なだらかになるとワカンが活躍する。途中にある神大ヒュッテはどこかと思っていたが、雪に隠れた登山道ではなく尾根通しで歩いたので、見ることはできなかった。頂上近くにある古生沼は雪に隠れてまったく分からない。
 ガスの中に山頂避難小屋が見えてきた。この小屋には何度か泊まったことが有るので、懐かしい。入口のドアノブが壊れていて、半開き状態で少し雪が降りこんでいる。当初は二ノ丸方面に足を延ばす予定であったが、ノートレースの為時間がかかるので諦め、小屋で大休止。小屋の前で記念写真を撮り、氷ノ山越へ下山に掛る。
ガスが掛って目印のコシキ岩が見えない。何かおかしい。十数年前の角崎さん案内のワンデリング事件の始まりと同じ場所だ。またやっちまったか!北の尾根にはまってしまいかけたが、コンパスで確認しながら、ガスの中に微かに左側に尾根を見つけた。無事にコシキ岩を右から回り込んだ途端、50名の大集団が現れビックリ。その50名は停まっている。先頭の3人がカッティングでトレースを付けている。岡山の高体連の高校生グループで、引率の先生が道を作っていたのだ。あのワンデリング事件の時に、コシキ岩を巻く斜面で、角崎さんが連れてきた女子が滑落したのを思い出した。50名も歩くと雪面は国道と化していた。
 氷ノ山越避難小屋で小休止して、今夜の目的地の大平頭避難小屋を目指して歩き始める。ここからはトレースなしで、全員交代でラッセル。赤倉山は右側をトラバースし、布滝頭までは右に雪庇が出ていて、細い尾根のアップダウンが連続する。適当に樹木もあり、石鎚の二の森付近とよく似ている。
布滝頭で「365度の展望が凄いです~」(おそらく、360°と言いたかった)と歓声が上がる。今まで歩いてきた氷ノ山や明日歩く予定の鉢伏山が一望である。なだらかな雪面をしばらく歩いて行くと大平頭避難小屋に到着した。この小屋には二階が無く泊まるには不向きだ。小屋の前には5mはある雪の丘がある。まだ2時半、雪洞を掘ろう。入会して2、3年のメンバーは雪洞経験が無かったので、勉強になる。2時間かけて5人が泊まれる雪洞が完成した。子供の時の秘密基地作り遊びの様な楽しさが湧いてくる。そして雪洞の丘を回り込んだ所に昼に来たであろう登山者が固めた雪のベンチが有ったので、それを切り掘り拡大して雪のテーブル&ベンチを造り出した。夕陽を見ながら、雪のテーブルでオープンの食事もたまにはいいものだ。暗くなり、雪洞に入り歓談の後、就寝した。
 23日 今日も4時起床。雪洞の入口近くの天井が落ちてきている。昨晩は中腰で出入りできたのが、這い這いでないと出られない。
朝焼けが綺麗で、晴天になりそうだ。ワカンを付けて出発。大平頭の樹林帯を下っていくと、白銀の鉢伏山が一望にできる。その周りは、全山スキー場と化したハチ高原である。ここまでよくぞ開発し尽くした感のある風景だ。
鉢伏山への最後の急坂に喘ぎ頂上に出ると、ここもスキー場の中で、リフトの下を歩こうとした三谷君が、係員に迂回するように言われた。記念写真を撮り、すぐの南峰へ移動して展望を楽しんだ。3日間で歩いてきた東尾根、氷ノ山、ぶん廻しコースが一望である。
下山は雪の林道歩きの後、広大なスキー場の中を、じゃましないように歩いた。大久保の旅館街からは、除雪したアスファルト道を車を置いた福定へと急いだ。
帰りに、八鹿氷ノ山IC近くの天女の湯で汗を流した。期待した天女は露天風呂に舞い降りてこなかった。
<コースタイム>
3/21(金) 14:35 福定 15:45 東尾根登山口 16:30 東尾根避難小屋 21:20 就寝
3/22(土) 4:00 起床 5:57 東尾根避難小屋出発 8:00 主稜線出合 9:50 氷ノ山山頂、避難小屋 10:23  11:56 氷ノ山越え 12:12  14:25 大平頭避難小屋 20:30 就寝
3/23(日) 4:00 起床  5:55 大平頭避難小屋出発 7:30 高丸山 9:10 鉢伏山 9:52 林道登山口10:50 ハチ高原スキー場入口 11:50 福定

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